はじめまして、@dz_ こと 大平かづみです。

Prologue

先日 2014/06/28(土) は、第9回クラウド女子会
教えて!先生♡ 私のAWSがこんなに難しいわけがない
に、運営スタッフとして参加してきました。

今回のクラウド女子会では、学校の授業を模して
普段は聞きにくい AWS の初歩的な内容を中心とした勉強会です。

勉強会というと、どうしても堅いイメージですが、それを払拭したく、今回はなんと、「制服コスプレ」推奨という異例の勉強会!

スタッフだけかと思いきや、ほとんどの方がかわいらしい制服姿を披露してくださいました!コスはちょっと…という方も、おさげにしてくれたりと、みなさんそれぞれ学生気分を堪能されておりました。
また、授業中(セッション中)では、化粧直しをしている学生も、居眠りしている学生もおらず、終始清く正しい学生の皆さんとともに、有意義な授業が実現できました。

授業風景

さて、本編の私的まとめです。
授業に参加した私が学んだこと、感じたこと、のちに調べたことのメモです。

AWSの2014前半のアップデートまとめ

(AWS学園 荒木教頭先生 @ar1
スライド資料:

  • 2014年の注目: Workspaces, Kinesis, AppStream, I2 instance
  • さらに注目は、S3が66%安くなりました!
  • Amazon Workspaces: Windows の「リモートデスクトップ」接続でシンクライアント環境を実現できる
    • 米国、EU、オーストラリアリージョンで利用可能
  • Amazon Kinesis: javascript を使って取得したデータを Kinesis で蓄積できる
  • Amazon AppStream: 特定のアプリケーションやゲームをネットワーク越しにストリーミングで利用できるそう
    • Amazon AppStream SDK を利用対象のアプリケーションに組み込んで、AppStream にデプロイして利用するようです
    • 画面や音の生成をクラウド側で
    • Macクライアントもサポート、タッチ用の拡張も提供
  • EC2 I2 instance: EC2に SSD 搭載のインスタンスタイプが登場
  • まだまだある、注目のアップデート
    • 中国リージョン開設の発表(参考)
    • VPCピアリング接続(VPC間接続)可能に(参考)
    • ELB(Elastic Load Balancing) 、アクセスログ保存可能に(参考)、Connection Draining機能追加(参考)
    • Connection Draining 機能は、ロードバランサからインスタンスを切り離す際、処理中を待ってくれるらしいです
    • EBSに新ボリューム gp2 登場(参考)
    • 高負荷(3000IOPS)をかけ続けると「クレジット」が減っていき、クレジットが0になると1500IOPSのパフォーマンスでの処理になる。負荷が基準以下に下がると、クレジットが徐々に増えるという仕組み。
    • ボリュームを利用直後はクレジットは満タン
  • S3でバージョン管理有効時に削除の期限を設定可能に(期限満了で、Glacierへ移行も可)(参考)
  • CloudSearch でついに日本語利用可能に(参考)
  • DynamoDBでオートスケールの設定が楽に(参考)
  • Elastic Beanstalk でDockerをサポート(参考)

AWS学園 快適な学園生活を送るために

(ジュリアン学級委員長)
スライド資料:

快適な学園生活、もとい AWS生活を送るために、知っておきたい資料の在り処、やっておきたいセキュリティ対策などのお話でした。

  • セルフペースラボでは、30分間お試しでawsを利用できるそうです!
  • 中でも私が一番ぐっと来たのは、マスターアカウントの使いまわしをしない でした
    • ベストプラクティス: IAM で最小権限の子アカウントを作成して運用する
    • 管理者のアカウントも、マスターではなく IAMで作成するとよし
    • MFA (多要素認証)で守る
  • IAM ロールには、3つのロール
    • AWS Service Roles – EC2 などサービス単位で権限を与える
    • Role for Cross-account access – アカウント間のアクセス権限をコントロールする
    • Role for Identity provider access – 認証フェデレーションを利用した権限管理
  • 無料利用枠の有効利用:
    http://aws.amazon.com/jp/free/

[特別講義] AWSのAPIをカジュアルに

(家庭科 なおや先生 @naoya_ito
スライド資料:

なおや先生著書の一つ「入門Chef Solo」のサブタイトル – Infrastructure as Code – として掲げている「コードでインフラを構成する」という観点を、もっとかみ砕いて、*カジュアルに *伝わる授業をしてくださいました。
(Infrastructure as Code について調べてみると、なおや先生のブログ記事に綴られていました。)

  • AWSはサービスを扱うための API が用意されていて、それを使って日常のルーチンワークを簡単にしてみよう
  • 例として、なおや先生自作の「Kaizenzo」
    • スクリーンキャプチャを撮って S3へアップロードしてくれるアプリケーション
    • AWS SDK for ruby と Mac OS X の screencapture コマンド、App化
    • SDKインストールは、 gem install aws-sdk
  • 他には、middleman-sync の紹介
  • middleman-blog で、ブログのための公式拡張機能を使えるそう
  • Unixコマンドをよく使う方は、percol が便利だそうです(emacs anything のように、入力候補を挙げてくれるそう)

コンピューターに興味のない私が HPCとAWSに出会った

(HPC科 あゆみ先生 @applebear_ayu
スライド資料:

AWS でも提供されている High Performance Computing のお話でした。
多量または複雑な演算を行うために構成されます。

  • HPCの世界では、性能を競ったランキングがあり、TOP500 というプロジェクトがとりまとめています
  • 例えば、2014年6月の順位はこちら
  • HPC は、必ずししも一台構成というわけでなく、複数台のマシンでクラスタリングしたものも
  • 医療や気象予報など、身近なところで利用されている
  • Computer Aided Engineering(CAE): コンピュータを活用して、設計・製造の事前検証の支援を行うこと、またはそのツール
  • 比較的安価にスパコン(HPC環境)を手に入れられる今、製品開発の競争激化→CAEのニーズ増加
  • 多量のリソース、性能のアップデート、インフラの手配を、AWSなどのクラウドの利用で便利に
  • AWS でのHPCについては、こちら
    • 高パフォーマンスの C3 インスタンス、IOの性能が良い I2 インスタンス
  • AWS EC2 で組まれたクラスタもTOP500にランクイン(2014/06) http://www.top500.org/system/178321
  • クラスタを組む時には、Placement Group で同一ネットワークに配置しよう
  • 拡張ネットワークを利用できるインスタンス: C3, R3, I2
  • EBS は、IO性能を重視して Provisioned IOPS を利用 (既出の GP2 ボリュームも)

滾る!SNSでモバイルPush通知

(SNS科 きはる先生 @bump_of_kiharu

SNSと、AWS SDK for PHP を使って、モバイル端末にPush通知する仕組みを話してくださいました。

  • Simple Notification Services は、AWSが提供するプッシュメッセージングサービス
  • 他のメッセージングサービスと比べて、とても安いそう
  • 無料枠で100万件送信できる
  • モバイル端末へのPush通知は、アプリにまた戻ってきてもらうための大事なきっかけとなる
  • Apple Push Nofication(Phone, iPad, Android, Kindle
    6月のアップデートで、さらに Baidu Cloud Push, Windows Push通知サービス(Microsoft Notification Service(MPNS), Push Notification Service(WNS)もサポート
  • コンソールで扱う際のワード
    • Endpoint – 通知先
    • モバイルの場合は、Device Token
    • Topic – Endpointをグループ化できる
    • Subscription
  • いざプログラミングの時は、DeviceTokenを取得するところが一番肝で、SDKを利用する

みんな大好きVPC

(ネットワーク科さちえ先生)
スライド資料:

個人ではなかなか扱うことのない、Virtual Private Cloud (Amazon VPC) の貴重なお話でした。

スライド資料から引用

クラウドの論理的に分離したセクションを確保し、ここで、お客様が定義する仮想ネットワーク

この仮想的に分離したネットワーク環境を、AWS上に構築できる Amazon VPC についてのお話です。

  • クラウド上のネットワークを、オンプレミス環境と同じネットワークとして構成することで、物理的なリソースを持つことなくインフラを増築できる
  • クラウド(AWS)でプライベートクラウドを利用するにあたり、気を付けるべきは、
    • 希望するネットワーク構成(サブネットなど)を利用できない場合がある
    • 仮想とはいえ、他のネットワークに影響する可能性がある通信は制限される
  • 4月、VPC間を接続できるPeering機能がリリース
  • VPCは、ドキュメントを参考にしたり、型を決めると理解しやすいとのこと

EC2とLinuxディストロ事情

(EC2科 はるか先生 @Yuryu
スライド資料:

AWSで扱えるLinuxについて、細かなところまでお話くださいました!
聴衆への問いかけでは、やはり Amazon Linux を利用している方が多そう?

  • EC2 Quickstart で選べるLinux: Amazon Linux, Red Hat Enterprise Linux, SUSE Linux, Ubuntu
    • 上記スライド資料に各Linux比較
  • 人気(?)の Amazon Linux
    • 比較的短い間隔(半年)でアップデートがあるため、新しい機能を早く触れる
    • サポート期間は設定されていない
    • 古いバージョンでも問題ないみたいだが、中の人からはアップデートを求められることもあるようです
  • また、AWS Marketplace や Community AMIs で公開されているAMIも利用可能
  • Marketplace で公開されているコミュニティのAMI
    • Sold by CentOS.org, Sold by Debian
  • Community AMIs で公開されているコミュニティのAMI
    • Official Fedora AMI
  • 最近リリースされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 が、EC2で利用可能
    • Docker がデフォルトでインストール済み、フルサポートだそう

そして、私が一番びっくり&ワクワクしたのが、Docker を使って Amaon Linux を手元のローカルマシンに持ってきてしまったとのお話!いつか試してみたいです。

知っておいて損はない AWS法務関連

(裏の校長 保健室 きえ先生 @bond_honey
スライド資料:

われらが櫻井さんのセッション、エンジニアリングの話題が多い中で、大事だけれど埋もれがちな観点を、いつも講演してくださいます。今回のテーマは「AWSに関する法務」のお話でした。

  • AWS法務関連の記載はこちら http://aws.amazon.com/jp/legal/?nc1=f_cc
  • 現在は、7つのカテゴリがあり、ほとんどが日本語訳されています
    • ただし、訳に齟齬がある場合、原文(英語)が優先されるそうです
  • AWSカスタマーアグリーメント: ユーザとAWSとの契約内容
    • ユーザの責任範囲、利用停止・契約解除についてなど
  • AWSサービス条件: 個々のサービスの利用条件
    • アップデートが多く、支払い系サービスに関してもここ(Amazon Flexible Payments, Amazon DevPay)
  • Amazon Web Services 適正利用規約: NG事項の定義
  • AWS商標使用ガイドライン: 全39個ある商標の利用ガイドライン
  • サイト規約: AWSサイトに関する規約
    • AWSアカウントの管理は、ユーザの責任と記載があるそう(不正ログインなども)
  • AWSプライバシー規約: ユーザの個人情報について
  • Amazon Web Services Tax Help: 税金について
    • 東京リージョン利用時、日本・東京在住のユーザは消費税の課税対象になるそうです
  • 心配どころの、AWSの障害の影響については、結局、可用性の高いインフラ構成にすることで、対応することになるだろうと。コストか可用性かの天秤。

Epilogue

半日、AWS漬けの授業を堪能しました。

その後の懇親会では、新しいつながりやができたり、いつもお世話になっている方に近況報告できたり、よい時間を過ごせました。

今回は学校風で開催したクラウド女子会ですが、実際のところ、参加者のほとんどが、「ガチ」です!みな尊敬に値する女性&男性ばかりです。(エスコート制で男性もいらしてますよ~) よいパワーをたくさん頂きましたので、私もシャキシャキ頑張ってまいりますよー!