最近XRに注目していて、世の中でどんな風に活用されているか、どういったコンテンツを作れば有用なのかに興味を持っています。
先日TurisumEXPOという、旅行の需要を喚起する為のイベントに行ってきました。
旅行という非日常の魅力を伝えるというのは、正にXRの目的なのかなという気がするので、そのような場面でどのように活用されていたかをまとめてみたいと思います。

まとめ

体験したコンテンツ

  • エア・カナダ(6DoF)
  • アイスランド(3DoF)
  • 関西空港(3DoF)
  • インドネシア(3DoF)

話を聞いたコンテンツ

  • ハワイ(6DoF)

XRの活用事例と書きましたが、ARやMRは見つけられませんでした。
その場に行った気にさせる為のVRのみという感じでした。

エアカナダやハワイのコンテンツには行列ができていましたが、インドネシアのコンテンツは誰も見向きもしない状態でした。
VRをイベントで用いる場合、ヘッドセットをつけなくても楽しさが伝わる工夫が必要でした。

エアカナダのコンテンツは、投げられる玉の回数が決まっているなど終了条件が設けられており、長居を防ぐ工夫がされていました。
イベントで用いるようなコンテンツには重要な要件だと思いました。

ヘッドセットを付ける際、アイマスクの装着やメガネを外す必要がありました。
体験する上で手間がかかるのはヘッドセットの弱点だと感じました。

イベントで集客力があるVRコンテンツを作ろうと思うと、3DoFで動画を流すだけというのはちょっと厳しいのかなと感じました。

最後に、TurisumEXPO全体を通して最も印象に残ったのが、フィンエアーが展示していたトナカイの毛皮でした。
毛の構造が特殊で、撫でたときの滑らかさ、押さえたときの沈み込みの凄まじさに感動しました。
VRだなんだと散々言っておきながら、結局本物の体験には敵わないと思い知らされました。

事例詳細

下記以外にもありましたが、体験できたものや話を聞けたもののみ紹介します。

エア・カナダ – ビジネスクラス体験、カナダのオーロラ体験

エア・カナダのコンテンツは盛況でした。
体験した時は、20〜30人が並んでいました。

CAに扮したコンパニオンの方がデバイスの装着を手伝ってくれます。
簡素ですが、機内の雰囲気を作り出しています。

待っている間もディスプレイで体験の内容が見れるようになっています。
ビジネスクラスの座席で、機内食を体験できます。
左右のコントローラを使ってナイフとフォークを操作しますが、どの入力がどういう行動に対応するのかイメージがつかずに戸惑いました。

ビジネスクラスでフルコースの食事が終わると、飛行機がカナダに到着した事になり、場面が湖畔に切り替わります。
白銀の世界で空にオーロラが出ています。
足元に雪玉が3つあり、それらを湖に投げ込みます。
3つ目を投げると体験が終了します。

ヘッドセットを付ける際に白いアイマスクのようなものを付けさせられました。
そして、メガネも外させられました。
面倒だし、メガネを外していたので何が表示されているか体験中は良くわかりませんでした。

体験中はコンパニオンの方が隣で説明してくれました。
いてくれた方が個人的にはいいのですが、装着した後はどうせ声しか聞こえないので、コンテンツにガイドまで含められればコンパニオンの方の人数を抑えられて経費が低くできたりするかもしれません。

VRヘッドセットはOculus Riftが使われていました。

ハワイ – アクティビティ体験

ハワイのブースも盛況でした。
30〜40人は並んでいたのではないでしょうか。
会場中で最も力が入ったVRコンテンツでしたが、長蛇の列にたじろいでしまい体験していません。

外からどんなものか見たのですが、座席の角度や霧吹き、扇風機、写真で見えないですが足元あるビニールの紐が連動して、コンテンツを盛り上げるような仕組みでした。
コンテンツが始まる時はスタッフ一同が横に並んで、「いってらっしゃーい!」と言いながら手を振っていました。

すごい力の入れ具合です。
日本人は相当お金を落としていくのでしょう。
2019年の行きたい国ランキングは2位らしいです。

内容は、カヌー、ジップライン、乗馬、ヘリコプター、バギーといったアクティビティの体験となっており、360°の映像が流れ、映像のタイミングにあわせて座席がうごいたり、飛沫がかかったり、風が吹いたりします。

使用ヘッドセットはPicoでした。

アイスランド – オーロラ等の景観

地図に貼られたQRコードを読み取ると、その地点で録画された景観をYouTubeで再生します。
自分の携帯でコンテンツを表示したら、ハコスコにセットして楽しみます。

利用者のデバイスに依存する部分がでてくるので、誰でも楽しめるものではないかもしれません。
ただ、帰ってから家でも楽しめる可能性があるので、その場限りではないというところはメリットがある方法かと思います。
QRコードつきの地図でも配ってくれれば、そういった楽しみ方への導線になったかもしれません。

地図とハコスコとディスプレイがあるので、なんかできるんだなっていうのは伝わるのでちらほらと人は来ていましたが、行列ができるほどの集客力はなさそうでした。
ハワイに比べたらアイスランドなんて日本人の認知度も低く、低予算の中で何かやれっていう事だったんだろうなと想像すると、良くアピールできていたのではないかと感じます。

使用していたVRゴーグルはハコスコでした。

関西空港 – 空港の裏側体験

関西空港、伊丹空港、神戸空港の、乗客が普段は見れない職員の視点での動画が見れました。
離陸前に加速中の飛行機に並走して録画した動画や、着陸直前の飛行機が頭上を通過していく動画、着陸後の飛行機を誘導中の職員の視点から見える飛行機の動画などが順次流れていました。

常に数人は並んでる感じでしたので、興味を引く事には成功していたのではないでしょうか。

使用していたのは3DoFのヘッドセットでした。

インドネシア – ドローン空撮VR

長蛇の列のそぐ側にVRゴーグルがひっかけられていたのですが、だれも見向きもしていない感じでした。
インドネシア人のおっちゃんに試させてくれといったら、若いにいちゃんが出てきて色々説明してくれました。

インドネシアのとある寺院の景観からはじまり、海岸線の様子を空撮した動画が流れ、最後に海中の動画が流れて終わりました。

内容的にはアイスランドと同等なのかなという感じでしたが、誰も気づいておらずVRによる集客はほぼ0でした。
ただし、お茶を振る舞う事で大行列ができていたので、集客という意味ではもうそれで良かったんだろうなっていう感じでした。

携帯電話をセットするゴーグルを使用していました。

元記事はこちら

TurisumEXPO 2019におけるXR活用事例