Spiderではパーティションを使ってシャーディングしますが、パーティションの定義によって分散の特性が変わります。
1. サロゲートキーなどのHASHパーティション
- データは均等に分散
- 更新負荷は均等に分散
- 増設はデータ全体の再ハッシュが必要
- 日付の年月などのHASHパーティション
- データは順次格納
- 更新負荷は常に1データノードにのみかかる
- 増設は新しい年月を追加
- サロゲートキーなどのRANGEパーティション
- データは順次格納
- 更新負荷は常に1データノードにのみかかる
- 増設は新しいキー範囲を追加
理想は均等に負荷分散しながら、データ容量を後から増やせるのがベストですが、1,2,3とも負荷分散と容量追加のどちらかにしか親和性がありません。
そこで、作者の斯波さん(@kentokushiba)に伺ったところ、 SpiderでもSUBPARTITIONが使えるとのことでRANGEとHASHを組み合わせることで実現できると教えて頂きました。
早速やってみます。
CREATE TABLE `spdoc` (
`id` int(11) NOT NULL AUTO_INCREMENT,
`created_at` datetime DEFAULT NULL,
`content` text,
`docname` varchar(255),
INDEX(created_at) ,
PRIMARY KEY (`id`)
) ENGINE=SPIDER DEFAULT CHARSET=utf8 CONNECTION=' table "spdoc", user "xxxxxxxx", password "yyyyyyyyy" auto_increment_mode "1" '
PARTITION BY RANGE (id)
SUBPARTITION BY HASH(id) (
PARTITION p1 VALUES LESS THAN (1000000) (
SUBPARTITION db1 COMMENT = 'host "10.0.1.141", port "3306"' ENGINE = SPIDER,
SUBPARTITION db2 COMMENT = 'host "10.0.1.142", port "3306"' ENGINE = SPIDER
),
PARTITION p2 VALUES LESS THAN (2000000) (
SUBPARTITION db3 COMMENT = 'host "10.0.1.143", port "3306"' ENGINE = SPIDER,
SUBPARTITION db4 COMMENT = 'host "10.0.1.144", port "3306"' ENGINE = SPIDER
)
);
まずRANGEパーティションをidの値の範囲で定義します。試しに1000000,2000000に設定します。
次に、SUBPARTITIONでidでHASHパーティションを定義し、ここにデーターノードを指定します。
すると、idが1000000以下のデータについてdb1, db2のデータノードに均等に分散され、
1000000〜2000000の範囲では、db3, db4に均等に分散されます。
idが2000000を超えそうになった場合は、後から3つめのパーティションを追加することができます。
ALTER TABLE spdoc ADD PARTITION
(
PARTITION p3 VALUES LESS THAN (3000000) (
SUBPARTITION db5 COMMENT = 'host "10.0.1.145", port "3306"' ENGINE = SPIDER,
SUBPARTITION db6 COMMENT = 'host "10.0.1.146", port "3306"' ENGINE = SPIDER
)
);
これでデータ容量はほぼ無限に増やすことができます。
パーティションごとにSUBPARTITIONの数を変えることはできないので、負荷の分散数は同じデータノード数で賄わなければいけませんが、その場合はパーティションごとのデータノードのインスタンスタイプやPIOPSを増やすことで処理能力をアップさせることで対応できるかと思います。
斯波さんありがとうございました!
こちらの記事はなかの人(memorycraft)監修のもと掲載しています。
元記事は、こちら