アイレット DX開発事業部のやまざきちかです。
プロジェクトサポートグループにて、プロジェクトを円滑に進めるためのサポートを行っています。

さてこの度、弊社にGemini for Google Workspaceが導入されました。
そして時を同じくしてNotebookLMのセキュリティ強化版「NotebookLM Plus」が登場!
Meetの自動議事録作成機能の日本語対応版が近日リリース予定ですが、ひと足お先にNotebookLM Plusで安全に議事録を作成する方法や、作成後の「革命的」とも言える活用方法をご紹介したいと思います!

まず、NotebookLM、NotebookLM Plusとは?

NotebookLMは、Googleが開発したAIを搭載したノートツールです。
LMは Language Model(言語モデル) の略で、人間が使う言葉を理解し、生成することができるAI のことです。
Geminiアプリとの違いはいくつかありますが、情報源を指定することができる点が大きなポイントです。大量の情報を効率的に処理し、必要な情報をすぐに取り出せるようにしてくれます。

そんなNotebookLMを企業向けにセキュリティとプライバシー機能を強化したものが、「NotebookLM Plus」となって2024年12月中旬に提供開始となりました。

これまではNotebookLMを業務で使いたいと思っていてもセキュリティの問題が立ちはだかっていましたが、NotebookLM Plusではその問題を気にすることなく、思う存分使用できるようになります。
※NotebookLM Plusは現在Google Workspace および Google Workspace for Educationを契約しているアカウントで使用できます。

参照:
Google Cloud、Google Agentspace と NotebookLM Plus で企業の生産性向上を支援
NotebookLM Plus へのアップグレード

早速議事録を作ってみよう!

必要なもの

  • 会議の録音データ(mp3など、200MBまで)

作成方法

  1. NotebookLM Plusを使用できるアカウントで https://notebooklm.google.com/ にアクセス

  2. 「+新規作成」ボタンを押す

  3. 音声ファイルをアップロード(サイズは200MBまで)

  4. 文字起こしが始まります。
    文字起こしが終わると「ソース」で文字起こしの内容が見られます。

  5. 「チャット」から議事録作成のプロンプトを投げます。
    「議事録を作成してください。」だけでも作ってくれます。
    こんな風に議事録の形式を指定することもできます。
    以下の形式で議事録を作成してください。
    * 開催日時
    * 参加者
    * 議事概要の詳細
    * 決定事項
    * ネクストアクション

  6. 完成!

実は作成後がすごい!革命的な共有機能

NotebookLMでは作成したノートを共有することができます。
しかしそれはただの共有ではありません。
会議の文字起こしをソースとしたノートを共有した場合、生成された議事録などを共有できるだけではなく、ノートを見た人が知りたいことをチャットに質問するとソース(文字起こし)を参照してAIが回答してくれる、会議のチャットボットを共有することができるのです!

一つの例をご紹介します。
社内会議の録音データをソースとして作成してみたところ、失念してしまっていた小さなタスクがあぶりだされてきたことがありました。
概要だけではよく思い出せなかったのでさらにタスクの詳細についてチャットで聞いてみたところ、タスクのさらに詳しい内容や、どのような経緯でそのタスクが課されたか、など簡潔に教えてもらえました!

①となっている部分にカーソルを乗せると文字起こしの中から出典を明らかにしてくれます。真偽が怪しい項目があっても効率的に確認できます。

精度は?

2024年は議事録関連のAIサービスをいろいろとウォッチさせていただいていたこともあり、過度な期待はしていなかったのですが、なかなかの精度が出ていると感じました!

文字起こしの段階で間違えてしまっているケースがあり今後に期待したい部分もまだあるのですが、完璧なものでないことをある程度許容できる場面であれば「実用性がある」と言える精度かと思います!
例えば「議事録を取る人が特に決まっていないが、意外とタスクが発生したりする社内会議」、ありますよね……?こんなケースにすごく向いていると思います。

そして、なんといっても、深掘りしたい部分について自由に聞いて教えてもらえるということが、これまでの「会議の内容を共有する」という行為自体に変革を起こす素晴らしい機能だと感じました。
会議の欠席者に内容を共有したいときに、このノートを共有するだけで、気になる箇所だけチャットで思う存分尋ねてもらうことができます。

一方で、内容が繊細なものであったり、精度を求められる議事録を作成する場合や、画面に映っている資料に対して議論している内容などについては、本格的に活用するためには工夫が必要だと思いました。

さいごに

Meetの自動議事録機能の日本語対応を待ち焦がれすぎておかしくなりそうでしたが、その一部の機能はNotebookLMを使うことで実現できつつあり、少し落ち着いて日本語対応を待てそうです。
また、録音データさえあればよいのでMeet以外の会議でも使えるテクニックを見つけられ、ほっと胸をなでおろしています。

そして何よりも、ただ「議事録作成者が楽になる」だけではなく、「チャットボットごと共有する」という共有方法に根本からの改革があり、これでこそ業務改革、DXであると、胸を張っておすすめできるテクニックがご紹介できることをとても嬉しく感じます。

皆さんもぜひ活用してみてください!