「生成 AI で一体何ができるの?」そんな疑問をよく耳にします。私も日々情報収集と技術検証の毎日です。
iret.media ではアイレットのエンジニアたちが、実務を通して得た知見やノウハウ、生成 AI の基本から応用を徹底的に解説した記事を続々と公開しています。
最新情報や事例も満載なので、きっと新たな発見があるはずです。
生成 AI おすすめコンテンツ!事例や最新技術をご紹介

ページ監修者
iret テクニカルアンバサダー 西田 駿史
DX開発事業部モダンエンジニアリングセクションのセクションリーダー
AWS および Google Cloud を用いた開発案件のプリセールスエンジニア、プロジェクトマネージャー、アーキテクト、開発者
得意分野:生成 AI を利用したアプリケーション開発
受賞歴:
・Google Cloud Partner Top Engineer 2025 (Fellow 2025)
・2024 Google Cloud Partner All-star in Sales
・2023 – 2024 Japan AWS All Certifications Engineer
生成 AI とは
生成 AI、すなわち Generative AI とは、人工知能(AI)の一種であり、特に新たなコンテンツの生成に特化した技術を指します。この技術は、テキストの生成や要約はもとより、音声データの書き起こしや画像の解析など、多岐にわたる業務効率の改善に貢献し得るものです。
従来の AI は、主にデータの分類、予測、識別など、与えられたタスクを実行することに特化していましたが、生成 AI は、AI 自身が学習したデータの特徴やパターンを捉え、それらを組み合わせて創造的なアウトプットを生み出す能力を持つ点が大きく異なります。
生成 AI を活用することで、作業工数の削減やアウトプットの高度化など、DXを促進させることができます。

生成 AI で出来ること
生成 AI で出来ることは、生成するコンテンツの種類によって、大きく以下の4つに分類されます。 4つに分類について 生成 AI と深掘りしていきましょう!
生成 AI を活用したビジネスシーンでのユースケース
「生成 AI は、テキスト、画像、音声、動画など、様々なコンテンツを生成する能力を持ち、ビジネスシーンにおいて多岐にわたる活用が可能です。生成 AI を活用することで、業務効率化、コスト削減、生産性向上、アイデア創出の加速、顧客体験の向上が期待できます。
営業・マーケティング・コンサルタント部門

- 顧客分析、市場調査: 顧客データなどの分析から、顧客の興味や関心、トレンドなどを導き出し、効果的なマーケティング施策の立案をサポート。大量のデータを分析し、要約レポートを自動生成することで、迅速な意思決定を支援します。
- コンテンツ作成: ターゲット層に響くキャッチコピーやクリエイティブのアイデア出しを加速し、PDCA サイクルを速めます。
- 営業資料作成: これまでに培ってきた自社の取引データなどから、提案書やプレゼンテーション資料を自動生成し、営業担当者の負担を軽減。営業効率の向上に貢献します。
- ナレッジマネジメント: 過去のプロジェクト資料やノウハウを自動的に整理・体系化し、必要な情報を迅速に検索可能に、暗黙知の形式知化を促進。
カスタマーサポート部門

- チャットボット: 顧客からの問い合わせに24時間対応し、即時性と問題可決率を向上、また問い合わせ対応にかかっていた人的コスト削減。
- メール返信サポート: 問い合わせ内容に基づき、適切な返信文案を迅速に生成し、サポート担当者の負担を軽減、対応品質を均一化。
- 問い合わせ内容の要約・分類: 複雑な問い合わせ内容を自動で要約・分類し、担当者へのスムーズな引き継ぎと効率的な対応を実現。
- 感情分析に基づいた対応改善: テキストデータから感情を分析し、顧客満足度の向上に貢献。
人事・総務部門

- 社内問い合わせ対応: 社員からの問い合わせに AI チャットボットが対応。社内規定を参照した回答で、人事・総務担当者の負担を軽減。
- 従業員エンゲージメント分析: 社内アンケートやテキストデータから従業員の意見や感情を分析し、課題発見や改善策検討を支援。
製造部門

- 設計: 製品設計のアイデアを生成 AI が提案することで、設計者が着想を得るきっかけを提供、多様な設計案を効率的に生成し、検討時間を短縮。
- 品質管理: 製品の欠陥や不具合を AI が検出し、品質管理の精度向上に貢献します。
- 生産計画: 生産計画の作成を AI が支援することで、効率的な生産体制を構築します。
- 作業手順書・マニュアル作成: 作業内容や注意点をテキストや画像で自動生成・更新し、教育コストを削減、多言語対応を容易化。
建設部門

- 工程管理: 進捗状況を分析し、最適な工程計画を自動生成・調整、遅延リスクを低減し、効率的なスケジュール管理を実現。
- 安全管理: 過去の災害事例や作業データを分析し、潜在的な危険箇所やリスクを予測、安全対策の提案や注意喚起の自動生成。
- 報告書作成: 工事の進捗状況や検査結果などの定型的な報告書を自動生成し、事務作業の負担を軽減、関係者への迅速な情報共有。
- ドキュメント管理: 図面、仕様書、契約書などの大量の非構造化データも整理・分類・検索可能にし、情報へのアクセスを容易化。
EC・エンターテイメント部門

- ユーザーエクスペリエンス向上: ユーザーの過去の行動履歴に基づいて、興味関心に合ったコンテンツを自動的に推薦。
- 検索機能の強化: 表記の揺れや、誤字に対しても、ユーザーの検索意図を汲み取った検索結果を返答。自然言語にも対応しユーザーの検索体験を向上。
- ローカライズ: 多言語への翻訳や吹き替えのスクリプト生成を自動化。
研究開発部門

- アイデア創出: 新規事業や新商品のアイデアを生成 AI が提案することで、開発担当者の発想を支援します。
- シミュレーション: 複雑なシミュレーションを AI が実行し、研究開発の効率化を図ります。
- 論文作成: 研究論文の要約や参考文献リストの作成を支援し、研究者の負担を軽減します。
生成 AI 活用による業務革新!導入事例に学ぶ DX 加速のヒント
DX を加速させた、生成 AI の導入事例をご紹介いたします。
非構造化データだった帳票の検索を効率化し、ナレッジ共有を推進
株式会社IHI機械システム様では、部門ごとに管理された帳票や設計データが属人化しており、過去の事例を調査する際の検索に多くの時間を要していました。さらに、手書きや異なるフォーマットで保存された帳票の活用が難しく、ナレッジ共有の効率化が課題となっていました。
そこで、生成 AI を活用した帳票検索システムを段階的に開発。Amazon Kendra による検索精度の向上、Amazon Bedrock を用いた手書き帳票のデジタル化、Generative AI Use Cases JP(GenU)を活用した高度なナレッジ検索機能を実装しました。これにより、過去の問い合わせや設計不具合の履歴を迅速に検索できる環境が整備され、ナレッジ共有の効率化が実現しました。
現在は、UI 改善や社内チャットボットとしての活用を検証中であり、今後は帳票作成のシステム化や AI を活用した報告作業の効率化を進めていく予定です。
生成 AI でコールセンターの応対メモを自動分類・要約し、レポート作成を効率化
KDDI株式会社様では、コールセンターのオペレーターがフリーフォーマットで記録していたお客様の声(応対メモ)の分析が困難で、データ活用に課題を抱えていました。そこで、生成 AI を活用した分析・レポート自動生成機能の導入を決定し、Amazon Bedrock を活用した Web アプリケーションを開発しました。
応対メモはストレージ上に保存され、生成 AI が自動で「クーポン」「料金」「加入」「解約」などのカテゴリーに分類。さらに、カテゴライズされたデータから件数を集計し、サービス別の傾向や今後の課題などをまとめた要約レポートを自動生成する機能を実装しました。これにより、従来活用が難しかった応対データを有効に分析できるようになり、コールセンター業務の効率化とデータ活用の高度化が実現しました。
自社の就業規則データに基づく高精度な回答が可能な生成 AI チャットボット導入で問い合わせ対応業務を3割削減
株式会社36flip様は、IT 業界に特化したプロジェクトマネジメント支援や EC サイト構築、IT コンサルティングを提供する企業です。社内の就業規則に関する問い合わせ対応や、EC プラットフォームに関する顧客からの質問対応に多くの時間を要しており、業務効率化が課題となっていました。
この課題を解決するため、生成 AI を活用した業務サポートチャットボットを開発・導入しました。Amazon Bedrock を活用し、就業規則データや EC プラットフォームのヘルプページを学習させ、自然で高精度な回答を実現。さらに、会話履歴をダッシュボード化することで、回答の妥当性を確認し、必要に応じたサポートが可能となりました。その結果、問い合わせ対応業務の工数を約3割削減することに成功しました。
生成 AI 活用でカラオケの多言語検索精度向上と業務効率化を実現
株式会社第一興商様では、通信カラオケ「DAM」の楽曲検索において、繁体字やハングルなど多言語での検索精度に課題がありました。例えば、簡体字では検索できる楽曲が繁体字ではヒットしない、英語やその他の言語で登録された楽曲・アーティスト名がハングルで検索できないといった問題がありました。
この課題を解決するため、Google Cloud の Vertex AI を活用した汎用ツールを開発。このツールにより、楽曲名やアーティスト名の簡体字から繁体字への自動変換、複数言語からハングルへの自動変換、画像やPDFに記載された歌詞データの自動文字起こしが可能となりました。従来の機械翻訳では対応が難しかった他言語からの翻訳も外部リソースに頼らず対応可能となり、コスト削減を実現しました。
生成 AI の活用でビジネスが変わる!今、注目される理由とは
生成 AI は、ビジネスシーンで革新的な変化をもたらす技術として、急速に普及しています。その背景には、生成 AI の活用によって得られる以下のようなメリットがあります。
業務効率の向上とコスト削減
生成 AI は、これまで人間が行なっていた作業の一部を自動化することで、業務効率を劇的に向上させます。例えば、文章作成、データ入力、画像生成などの作業時間を短縮し、人件費や残業代などのコスト削減に貢献します。
新たな自動化領域への対応
生成 AI は、ソフトウエアロボット技術であるRPA(Robotic Process Automation)では難しかった、非定型業務や創造的な業務の自動化を可能にします。例えば、顧客の問い合わせ内容を分析し、最適な回答を生成したり、マーケティングコンテンツを自動作成したりすることで、業務の効率化と高度化を実現します。
顧客体験の革新
生成 AI は、顧客とのコミュニケーションや顧客対応を大きく変革します。24時間対応の AI チャットボットや、顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品提案など、パーソナライズされた顧客体験を提供することで、顧客満足度とロイヤルティを向上させます。
AI 活用が誰でも可能に
ChatGPT や Gemini などの登場により、専門知識がなくても、誰もが簡単に AI を扱えるようになりました。これにより、AI は一部の専門家や技術者だけでなく、全社員が活用できるツールとなり、企業全体の生産性向上に繋がります。
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