AIプロンプトのコツ:「〜しないで(否定)」より「〜して(肯定)」が圧勝!Gemini 3.1で検証してみた
最近、AIに議事録やドキュメントをまとめさせるときに、ふと気付いたことがあります。
「敬語を使わないで」と指示すると、たまにポロッと「〜ですね」みたいな言葉が混ざったりする。でも、「常体(だ・である)で書いて」と指定すると、ビシッと揃えてくれる気がする。
要するに、「〜しないで」っていう否定の指示よりも、「〜して」っていう肯定の指示のほうが、AIは言うことを聞いてくれやすいんじゃないか? という仮説です。
これって本当なのか? Googleの最新AI「Gemini 3.1」を使って、各パターンを10回ずつ繰り返して検証してみました。
検証の条件
- 使用モデル: Gemini 3.1
- 試行回数: 各プロンプトを10回ずつ実行
- 判定基準: 「指示通りの出力になったか?」を成功 / 失敗で判定
- 実行方法: 毎回新しいチャットで実行(前の会話の影響を受けないようにするため)
検証1:議事録の「言葉遣い」指定
用意したダミーの会話メモはこちらです。
「昨日〇〇さんに確認したんですけど、APIの仕様変更は来週になりそうです。ただ、フロント側の改修は今週中に少し進めておいた方がいいかもしれないです。」
プロンプトA(否定の指示)
以下のメモを要約してください。
敬語は使わないでください。プロンプトB(肯定の指示)
以下のメモを要約してください。
常体(だ・である調)で書いてください。Gemini 3.1 比較結果(10回試行)
| 指示タイプ | 成功率 | 典型的な出力例 |
|---|---|---|
| A(否定) | 7/10 | 「APIの仕様変更は来週になる見込みです。」←敬語が混入 |
| B(肯定) | 10/10 | 「APIの仕様変更は来週になる見込みだ。」←常体に統一 |
感想
人間でも「ピンク色の象を想像しないでください」って言われると、かえって想像しちゃいますよね。AIも同じで、「〜しないで」と言われると、逆にその単語にアテンション(注意力)が向いてしまうのかもしれません。
検証2:文字数の制限指定
次は、「回答が長すぎる問題」への対処法の比較です。
テーマはGoogle Cloudの「Cloud Run」の機能説明にしてみました。
プロンプトA(否定の指示)
Cloud Runの機能について説明してください。
長々と書かないでください。プロンプトB(肯定の指示)
Cloud Runの機能について説明してください。
3箇条書きで、合計100文字以内でまとめてください。Gemini 3.1 比較結果(10回試行)
| 指示タイプ | 結果 | 備考 |
|---|---|---|
| A(否定) | 平均240文字 (150〜350文字とバラツキ大) |
「短い」の基準がAI任せになる |
| B(肯定) | 9/10回が100文字以内 | 1回だけ105文字で惜しくもオーバー |
感想
「〇〇しないで」って、裏を返すと「じゃあ何をすればいいの?」が相手任せになるんですよね。後輩に「だらだら書くな」って言うよりも、「箇条書き3つでまとめて」って言った方が伝わるのと同じだなと思いました。
検証3:余計な前置きを消す
AIの回答でありがちな「はい、承知しました!以下にまとめますね。」みたいな前置き。あれ、コピペする時にいちいち消すのが面倒なんですよね。
プロンプトA(否定の指示)
要約文だけを出力し、挨拶や前置きは書かないでください。プロンプトB(肯定の指示)
要約文を出力してください。
出力は「要約:」から始めてください。Gemini 3.1 比較結果(10回試行)
| 指示タイプ | 成功率 | 備考 |
|---|---|---|
| A(否定) | 8/10 | 2回「はい、要約は以下の通りです。」が出現 |
| B(肯定) | 10/10 | 10回とも「要約:」からスタート |
Aも8割は成功するのですが、残りの2回で「はい、要約は以下の通りです。」と前置きが入ってしまいました。
「前置きを書かないで」って指示してるのに、前置きで「前置きは書きません」と宣言してくる回もありました。
一方Bは、「この文字から始めて」と開始位置を指定するアプローチ。こうすると、AIはその文字から出力を始めるしかないので、余計な言葉が入り込む余地がゼロになります。これはテクニックとして覚えておいて損はないです。
検証結果のサマリー
今回のGemini 3.1を使った全3パターンの結果をまとめます。
| 検証テーマ | 否定命令(〜しないで) | 肯定命令(〜して) | 差 |
|---|---|---|---|
| 言葉遣い(敬語除去) | 70%(7/10) | 100%(10/10) | +30pt |
| 長さ調整(短くする) | バラツキ大 (平均240文字) |
90% (9/10が100文字以内) |
大幅改善 |
| 出力形式(前置き除外) | 80%(8/10) | 100%(10/10) | +20pt |
どのケースでも肯定の指示が圧勝でした。
否定命令でも5〜8割は成功するので「まあ使えなくはない」のですが、残りの2〜3割で意図しない出力が混ざるのがストレスになります。肯定に言い換えるだけでほぼ100%安定するなら、使わない手はないですよね。
まとめ:AIプロンプトは「Do」で伝えよう
今回の検証で分かったのは、AIに何かを頼むときは「〜しないで(Don’t)」ではなく「〜して(Do)」で伝えた方が、圧倒的に安定するということです。
プロンプトを書いていて「なんか思い通りにならないな」と感じたら、否定の言葉を使っていないか見直してみてください。それを「具体的にどうしてほしいか」に言い換えるだけで、一気に出力が安定するかもしれません。
「〇〇するな」より「〇〇してほしい」の方が伝わる、という話。AIも人間も、コミュニケーションの本質は同じなのかもしれないですね。
皆さんもぜひ試してみてください!