cloudpackエバンジェリストの吉田真吾(@yoshidashingo)です。
札幌の勉強会は東京に次ぎ、なんと第10回の大台に乗りました。
○新代表に古山浩司さん
第10回の節目を迎え、次回からは古山さんが新代表としてコミュニティを牽引します。
古山さんは JAWS DAYS で VPC by Default となる今後を見据えた VPC の真価についてのスライドを
発表されていますので要チェックです。
○AWSの最新動向 アマゾンデータサービスジャパン 堀内さん
2013/6/5~6に行われるアマゾンのクラウドカンファレンス「AWS Summit Tokyo 2013」の紹介と
インスタンスの構成やアプリケーションの導入を、Chefのレシピを使って制御できるDevOpsツール
「AWS OpsWorks」のデモを交えた説明をされました。
○美人CDPと事例で学ぶクラウドデザインパターン、そして2.0へ…
今回も名古屋に続き、クラウドデザインパターンの入り口をくぐるための第一歩「美人CDP/CDP男子」の紹介です。
スライドは少ないですが、「Cross-Region Replication Pattern」についても簡単にご説明しました。
物理的に数千キロ離れた場所へのデータ送信は、レイテンシが大きいことなどに起因し、用意する帯域が太くても、
トランスポート層がTCP/IPベースのプロトコルだとスループットが出にくいことが知られています。
この欠点を補うために、各レイヤーで様々な最適化を施している「cloudopt」のようなツールや
UDPをベースにした「Tsunami」プロトコルなどがあります。
実際に @ijin さんが両ツールを試した記事(リージョン間高速データ転送)があるのでぜひ参考にしてください。
■cloudopt
以下の5点のような特徴があります。
- データの圧縮
- データの重複排除
- TCP最適化
- SSL
- アプリ固有の最適化
■Tsunami(UDP)
以下の4点のような特徴があります。
- UDPベースの転送用プロトコル(クライアントサーバー間の監視制御用にTCPのセッションが別途張られる)
- データは32kB単位で分割されて転送される
- 転送制御(再送なども)はクライアントに実装されており、サーバー側では単純なファイル転送のみ
- クライアントサーバー間は共通鍵を用いた暗号通信
たとえばAWSのリージョン間のデータ転送だけでなく、オンプレからAWSへの転送などにも活かせるかもしれないと
個人的に思っております。
特にEMRやRedshiftにテラバイト級のデータを転送する等あったら大変ですから。
○サーバーワークス 大石さん 羽柴さん
大石さんについてはもう説明不要だと思います。
デブサミでNo.1人気だった「SIの未来ってどうなのよ?」のショートバージョンでした。
デブサミ版の資料は以下の通りです。
この中でサーバーワークスと協業してくれるパートナー会社を募集していました。
- (サーバーワークスは)東京以外でアプリ開発はしない
- 既存の技術の移転はします(AWSのイノベーションは止まらないため、サーバーワークスはそういう先進部分を
仕事にしていけばいいと考えていることから)
素晴らしいです、個人的にパートナーになってしまおうかと思うくらいです。
羽柴さんのプレゼンは「今旬であるホタルイカの沖漬けの鮮度の確認方法について」だけでなく、
昨日プレスリリースされた Direct Connect の導入支援サービス「クラウド直結スターターパック」のお話でした。
○ブログ製本サービス MyBooks.jpのアーキテクチャ Part.1 欧文印刷 田名辺さん
欧文印刷とイーストの共同事業である「MyBooks.jp」を作って運用している田名辺さんによる、
このサービスを支える技術の変遷やそこで起きたことなどの裏話。
早速、本日だけでは話しきれないということでシリーズ化が決定しております。
尚、サービスのティザーサイトに使われている画像は田名辺さんのご家族ということで家内制手工業感が
伝わってきて暖かいです。
■変遷
- 2006年 サービスイン インフラはXServe(OSX Server+WebObjects)
- 2009年1月 一部AWS化
- 2009年4月 完全AWS化
- 2010年6月 RDBMSをPostgreSQLからRDS for MySQLへ移行
- 2011年6月 東京リージョンにお引っ越し
- 2013年3月 サービスリニューアル
詳細について、Pt.2以降も非常に楽しみな内容です。
○スポット・インスタンス利用のす〃め アフォーダンス 新さん
最近何かと注目されているスポットインスタンス(通称スポたん)のオススメ
様々なリージョン/AZ/インスタンスタイプのPricing Historyを見ながらどこのリージョンが高くなっているか
といった視点で見ると面白いかと思います。
○CloudWatch(+SNS+SQS)で障害対応を自動化してみた アグレックス 照井さん
「子どもが産まれたから時間が惜しい」「自分が一番年次が下だからどうせ障害対応ボクでしょ?」といった
動機から、障害対応の自動化への挑戦をした照井さん(ちなみに彼は前回のチューニンガソンの優勝者です)。
夜間のワークロードをこなすバッチサーバーのインスタンスを自動的に障害復旧できるような、下記の仕組み
とのことです。
- バッチサーバーから定期的にCloudWatchに情報をPutしておく
- CloudWatchは、一定時間内にこのメトリクスが取得できなくなると、SNSを通じてSQSにメッセージを
キューイングする - 複数あるバッチサーバー以外のEC2インスタンスが定期的にこのキューをポーリングしており、
キューを見つけた場合は、そのキューを受信して自身がバッチサーバーに昇格する
本格的に運用化する場合にはもう少し課題があるとは思いますが、夜ぐっすり眠りたいための取り組みとしては
非常に良いと思います。
○懇親会
近場の「はなの舞」にて最近「美人CDP」の撮影のために「思わず美人さんに話しかけてしまう職業病が発生」
しておりますが仕事ですのであしからず。
○その後の呑み
アフォーダンスの渡部さん、サーバーワークスの大石さん、羽柴さん、柳瀬さん、cloudpackの後藤と話させて
頂く中で、色々気付くことが多く、有意義な懇親会となりました。
最近、サーバーワークスさんとは「同じ会社の違う事業部」のような感覚でいる「cloudpack事業部」の吉田でした。
こちらの記事はなかの人(yoshidashingo)監修のもと掲載しています。
元記事は、こちら