cloudpackエバンジェリストの吉田真吾(@yoshidashingo)です。
JAWS DAYS 2014のスタートアップCTOパネルディスカッションでモデレーターをしました。本企画はトラックオーナーの潮田さんにお願いしました。
2時間の長丁場!
僕自身coineyさんやfreeeさんのインフラ支援をさせていただいた関係で、スタートアップの会社とはよく会話するのですが、技術だけの話じゃない部分にもツッコんで話をする機会は多くないので非常に貴重な経験でした。
また、スタートアップと言ってもさまざまな成長の段階があり、各社それぞれの今の考え方を知る事ができるという点で、非常に貴重な機会だったと思います。あらためてご参加いただいた川崎さん、横路さん、島田さんにはお礼申し上げます。
結構素朴な質問をたくさんしてみました。
自己紹介
ますは各自自己紹介。各サービスとも非常に「コンセプトの優れたサービス」ですね。
- ところで自己紹介聞きましたが、capyのパズルCAPTCHAを銀行が導入したらfreeeの口座アグリゲーションが使えなくなると思うけど、両者は競合とみてよいですか?(吉田)
- 現時点ではCSVアップロードなどセキュリティレベルに合わせて快適に利用できる機能が実装されてます。将来的には銀行側でOauthに対応してもらうように働きかけるのもアリかもしれません。(横路)
- 接続元をfreeeに限定したAPIのGWを設けることなど色々可能だと思います。(島田)
CTOってどんなことをやる人?
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- CTOって小金持ちのイメージがあるけど、お金いっぱい持ってるの?(吉田)
- むしろ会社の状況に合わせて真っ先に削らないと行けないし、泥臭いことばっかやってます。(川崎,横路,島田)
- CTOの一日教えて(吉田)
- 朝イチでダッシュボードで状況を確認しています。(横路)
- 朝のミーティングを行っている。ミーティングによる情報共有は大切という認識です。(川崎,横路,島田)
- そもそもオフィスに集まって仕事をしなければいけない?リモートワークは推奨していない?(吉田)
- Wantedlyとfreeeでは、少人数で、社員全て開発者のみだったときは可能であったが、さまざまな職能の人たちとコミュニケーションしなければいけない場合には(現状としては)一カ所で働くことが効率的と判断しています。(川崎,横路)
- CEOが半分くらい海外にいるので、リモート環境と言われればそうですね。(島田)
- 華やかなCEOに嫉妬してない?(吉田)
- freeeでは、創業当時はCEOと一緒にコーディングしていたが、最近は表の活動(広報、資金調達等)はCEOが、テクニカルな部分は自分がやっている。(横路)
- Wantedlyでは、創業者2人はソフトウェアエンジニアではないが学習してたので、技術的な話もよくします。(川崎)
- capyではCEOがオフィスにいないので、自分が全般的に色々やってる印象はあります。(島田)
- CEOと意見が衝突する場面はないか?(潮田)
- コミュニケーションが必要な場合はランチを設定して意見を交わすようにしています。(横路)
- CEOが学校の先輩だったので、考えてることはだいたい分かります。(島田)
- 最終的にユーザーのためになるものが正解だと思います。(川崎)
- 最近やったCTOらしい仕事教えてください(吉田)
- CEOのプルリクをマージしました。(川崎)
- 今後のキャリアアップを教えてください(参加者)
- 落ち着いたら自分が今度はCEOになってなんかやりたいと思ってます。(島田)
- 今はとにかく会社の成長にフォーカスしたい。 (横路)
- あまり先のことは考えていないです。今は会社を大きくしたいと思ってます。(川崎)
マネジメントの話
- 企業文化をどう作ってますか?(参加者)
- マネージャーを置かずにチームワークで取り組む文化を作っています。(島田)
- 開発メンバー以外も開発に関わります。全員でモノづくりします。(川崎)
- とにかくセンシティブな情報以外はすべてダッシュボードで共有する。(横路)
- 開発チームとそれ以外のチームの人のコミュニケーションはどうやってる? (吉田)
- 開発者はiPhoneアプリやWebなど違った技術が求められるので、それぞれリードエンジニアを置いてます。サポートチームについては、開発より早いイテレーションでオペレーションを回す必要があるので、マネージャのような立場の方が必要かもしれませんね。 (横路)
- 自分が色々な職能をこなしてます。(島田)
- デザイナーのマネジメントってどうしてる?(吉田)
- 最近やっとUXディレクターにジョインしてもらったところで、これからチームを作って改善活動を進めていくところです。そもそもデザインも開発もいいものを作るという意味では一緒だと思ってます。(横路)
- 自分ができないことなので難しいのはたしかです。(川崎)
- 自分のところはがデザインもやってます。(島田)
- 評価制度ってどうしてる?(吉田)
- 積極的に評価を行っている。評価がモチベーションに繋がると考えてます。(川崎)
- 現金はあまりないので評価をストック・オプションなどで返してたりすることもあります。(横路)
- それはすごく小金持ち感を受けます。(吉田)
- 想像されているような大したものじゃないし、上場しても制限が多いので、あくまでモチベーションですよ。(横路)
技術に関して
- 技術的負債についてどう取り組んでる?(吉田)
- 自分がジョインしてすぐにリファクタリングして既存コードをだいぶ削除しました。2年経った今でも書いたコードより消したコードの量の方が多いです。(川崎)
- サービスはローンチしてみないと分からないですが、初期の段階が最もドラスティックに扱いやすいです。(横路)
- 積極的に取るようにしています。(島田)
- グロースしていく中でアーキテクチャ変更のタイミングをどう判断しているか?(吉田)
- ローンチ直前直後は積極的に変更しました。(横路)
- 前のサービスの形はいったん閉じて、新たに作り直しました。(川崎)
- それは技術的な判断によりますか、サービス的な判断にるものですか?(吉田)
- 詳しくは知らないが、サービス的な判断だと思います。(川崎)
- 捗るツール教えて(吉田)
- Hipchat→3社とも採用
- 簡単なツールを使う事が重要(横路)
- HipchatとHubotの組合せが非常にいいです。Hubotはエンジニアのコミュニケーションツールとして使っていますが、Opsにも使えそうだと思ってます。あとAsanaとかGoogleApps。GreenHopperは断念しました。(横路)
- GitHubとconfluenceです。(川崎)
- Evernoteビジネス。タグづけルールがあれば記録がちゃんと残せるのがいいです。(島田)
採用の話
- 今って売り手市場だと思うけどどうやって人雇ってる?(吉田)
- 自社サービスを活用して一緒に働きたい人をしっかり選びます。週末などを使って人間的な相性も見たりしています。(川崎)
- 仲さんが書いたエントリー感動しました!(潮田)→超優秀なエンジニアが無名ベンチャーに入社するまでを振り返ったよ(´;ω;`)ブワッ – Wantedly 航海日誌
- 会社に遊びに行ったら、ここで働くことになりました。(川崎)
- キャリアがピカピカでも、自分のやり方を変えられない人は取らないように気をつけてます。そもそも東大法学部卒でニートというポテンシャルが高い人も開発者としてジョインしてたし、チームに合わせてやり方を変えられる柔軟な人が大事だと思ってます。あと、最近だと熱心な学生もジョインしてくれてたりします。(横路)
- 自社サービスを活用して一緒に働きたい人をしっかり選びます。週末などを使って人間的な相性も見たりしています。(川崎)
- Hire Slow, Fire Fast ってよく聞くけど実際大変ですよね、ランサーズとか人材紹介みたいなマッチングサービスは使わない?(吉田)
- ランサーズも社員についてはビジョンを共有できる人をじっくり選んでます。(潮田)
- 専門家は時期を決めて働いてもらうこともあります。社員はビジョンが共有できる人がいい。最終的なポイントは「プロダクト愛」だと思います。(横路)
- 毎週、専門家にレビューや相談に乗ってもらってるので、そういうのは外部の人を頼ったほうがよいと思います。(島田)
- 一流のエンジニアが見つからないとき、どこまで妥協してます?(吉田)
- 少なくとも最初期のメンバーは絶対妥協しないほうがいいと思います。(横路)
- 妥協しません。(川崎、島田)
- 自分より優秀な若者がきた、オレ老害かも!てときどうする?(吉田)
- そう仕向けるようにしています。先日iPhoneアプリをリリースしましたが、僕はiPhoneアプリはリリース時点で書けませんでしたので、いまキャッチアップ中です。(横路)
- ぶっちゃけそれは悔しい気持ちもない?(吉田)
- 逆に色々教えてもらいながら自分もレベルアップしますよ。(横路)
- 僕は少なくとも、やれば負けないと思ってます。(川崎)
- 会社の中で僕が一番最年少なのでしばらくないと思いますね。(島田)
- そう仕向けるようにしています。先日iPhoneアプリをリリースしましたが、僕はiPhoneアプリはリリース時点で書けませんでしたので、いまキャッチアップ中です。(横路)
最後に
- CTOになりたい!人たちに向けてなにか一言(吉田)
- 新しいものを積極的に取り入れることに抵抗がないこと。(川崎)
- 全体の技術を俯瞰できること。(横路)
- 技術的な側面から会社のビジョンを作る人。(横路)
- アンテナをたかくはり、一緒に頑張りましょう。(全員)
こちらの記事はなかの人(yoshidashingo)監修のもと掲載しています。
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