こちらは2019/4/6に開催されたAlexa Day 2019で発表された株式会社サイバードの元木 理恵さんによるセッション「隣の芝生は青かった?!VoiceUI/UXデザイナーがスキル解剖して気づいたいくつかのこと」の参加レポートです。
概要
株式会社サイバードにてamazon Alexa、Google Assistant、LINE Clovaをあわせた合計18タイトルのリリースをVoice UI/UXデザイナー兼プロデューサーとして行われた元木さんがVUI/VUXの研究のために他のスキルを解剖して得た知見を紹介
セッション内容をピックアップ
- Alexaスキルを解剖してわかったgoodポイント、badポイント
- Alexaスキルに共通する冒頭部分がある
- Alexaスキルのハッピーパスを考えるワークショップ
- 呼び出し名について
Alexaスキルを解剖してわかったgoodポイント、badポイント
- 公開されているAlexaスキルの対話フローを分解し、良い点、改善点を分析
- 見つかったgoodポイント
- 「xxと話すことでooを実行します」といったサジェストが入る
- 「現在のお気に入り件数はxx件、あとoo件の登録が可能です」といった現在のステータスを説明してくれる
- 朝の忙しいときに利用されることを想定し、Alexaの発話スピードが早めに設定されている
- 見つかった改善ポイント
- Alexaの発話から脳内で漢字に変換できず理解しづらい
- ユーザーの目的に沿わない流れでスキルの利用が提供される
スキル開始時に使われる冒頭パターン
- スキルの開始にはパターンがある
- ごあいさつ
- 自己紹介 → このスキルでできることを説明
- 利用促進 → では〜と言ってみてくださいなどスキル利用開始へ促す
Alexaスキルのハッピーパスを考えるワークショップ
実際に元木さんが公開されているスキル「イケメンとおしゃべり」をお題に先程の冒頭パターンを考えるというもの。
スキルの説明を簡単に聞いた後、各々が紙に自分の考えたハッピーパス(ごあいさつからスキル利用までの対話内容)を記入。
参加者のお一人が発表後、実際のスキルでの内容が共有されました。
以下、実際のスキルから参考になったポイント
- 初回利用時と2回目以降で対話内容、フローを変えている
- 2回目の呼び出し以降は、説明や紹介等を省き、スキル利用までを極力シンプルにしている
- 「困ったときはヘルプと話しかけてください」等、ヘルプの起動方法を説明している点
- ユーザー体験を高めるためにユーザーの発話パターンは同義語でたくさん用意しておく
呼び出し名について
- AlexaスキルのUI/UXを考えた場合、呼び出し名は極力シンプルにしたいところ
- 呼び出し名にはブランド/知的財産独自のもの以外の1語での呼び出しは許可されない
- 「イケメンとおしゃべり」の場合は株式会社サイバードが「イケメン」の商標を取っていたことで解決出来た
セッションを受けて
今まで18ものスキルを作られている経験による内容だけに、会話をデザインする上で実践的な情報がたくさんありました。またセッションのはじめにAlexaのサードパーティ製スキルを利用している人で手を上げている人がほとんどいなかった(Alexa端末使ってる人は9割くらいいた)のが印象的でした。確かに自分もスキルってそんなつかってない。。
今回登壇された元木さんは5/31に目黒で開かれるVoiceUI Showにも参加されるそうで、興味のある方はこちらから参加登録を!
https://vui-show.connpass.com/event/125901/
公開されたスライド
隣の芝生は青かった?!VoiceUI/UXデザイナーがスキル解剖して気づいたいくつかのこと
元記事はこちら
「Alexa Day2019参加レポート: 隣の芝生は青かった?!VoiceUI/UXデザイナーがスキル解剖して気づいたいくつかのこと」