cloudpackエバンジェリストの吉田真吾(@yoshidashingo)です。
今年もAWS Summit Tokyoがやってきました。
タイトルにあるパネルディスカッションを聞かせてもらいましたが、非常に示唆に富む話でしたのでメモ書きしておきます。
※表現に誤りがあればご指摘いただければと思います。
登壇者(敬称略)
モデレーター
- 古川 亨(株式会社バスキュール テクニカルアーキテクト)
パネリスト
ディスカッション内容
ネット連動に使いやすいもの/使いにくいもの
- 映画は使いやすい、ドラマは使いにくい(日テレ安東さん):映画はみんな何度も見てる、待ってました的なタイミングで何か一緒に行動を起こさせやすい
- 生中継は使いやすい、ニュースは使いにくい(TBS中島さん):考え方に違いはあるけどマネタイズのしやすさが違う
- 若者は使いやすい、高齢者向けは使いにくい(TV東京浜田さん):デジタルネイティブのほうが説明が少なくてもさらっと参加してもらいやすい
TVとネットの違い
- TVはすっきり見せる必要がある、スマホはWebを使ってたくさんの情報を詰め込むことができる(TBS中島さん)
- スポンサーから、消費者と新しいコミュニケーションチャネルとして価値を認められはじめている(TBS中島さん)
- 出たとこ勝負、反応が予測不能。視聴者を信じないといけない。制作側に覚悟が必要(TV東京浜田さん)
- 究極を言うとTVだけ見て欲しい。気づいたらスマホいじり忘れてたというくらいの番組ができてもいいと思う(TV朝日吉村さん)
- 誰でも参加しやすくと考えると4色ボタンなど「定型化」されたものに陥ってしまいがち。より深い参加・深い共感を得られる方向性を考えている(NHK倉又さん)
- 参加者の反応がすぐに見られる(日テレ安東さん)
- リアクションを計測できる(フジTV下川さん)
視聴率とネット参加者数はどのような関係だったか?
- 相関関係が見当たらなかった。ネットは10〜30代が多いが、視聴率全体をカバーしてない。スポンサーはどこに価値を見いだしてくれるか一緒に考える必要あり(TBS中島さん)
TVとネットのギャップは?
- TVは編集をぎりぎりまでやる、ネット側(ゲーム企画)は先行して作り上げる。時間軸にギャップがあることがある(TV朝日吉村さん)
- TVからネットへの流入数が読めないケースが多い。そこは難しいと感じる(フジTV下川さん)
- 視聴の深さ、番組のメッセージをしっかり伝えるために使える(フジTV下川さん)
TV連動の経験やデータの活用
- ネットは放送していない時間帯にも番組に接触してもらえるよう設計することができる(日テレ安東さん)
- TVの番組放送時間以外にどうコミュニティとして視聴者に広がっておいてもらうか(NHK倉又さん)
最後に
- ネット連動は絶対やる必要がある。視聴率とか今までのKPI以外にもネットなりのKPIを取り込んでビジネスを延ばせる可能性がある。アイデアや体力などの労力が倍以上かかるので、経験を活かしてコストを平準化していきたい(CX下川さん)
- スマホは衝撃。新しい広告モデルに取り組みたい(TV東京浜田さん)
- クラウドで個別の視聴者に何かを届けられるようになった。メディアとしての新しいあり方に向かっていきたい(日テレ安東さん)
- 番組制作者の意図をしっかり伝えるための制作を行っていきたい(NHK倉又さん)
Webでは「動的CMS」や「行動ターゲティング広告」と言った「個々人に最適化」されたメディアの形というのが具体化してますが、TVで「マス」向けにしかできなかったことが、ネットと組合わさることで、個人に最適化できるという方向性を感じたディスカッションでした。
元記事は、こちら