まえがき

cloudpackサポートの佐藤です。

「Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS)」には、テキストメッセージ (SMS) の送信機能が用意されています。
しかし、デフォルトの設定ではテキストメッセージ送信時の発信番号は指定されていないため、通常ランダムな発信番号になります。
ですがAWSにテキストメッセージ (SMS) 用の発信番号を申請することで、固定の発信番号からテキストメッセージを送信することが可能です。
本記事では「Amazon SNS のモバイルテキストメッセージング利用時に用いられる SMS 専用ショートコードを申請する方法」について解説します。

注意点

初めに幾つかの諸注意を記載します。

・本記事は2023年3月時点での情報となります。最新の情報をご確認される場合はAWS 公式ウェブサイトにてご確認ください。[1]

・費用についてですが、日本のSMS専用ショートコードは発行時に設定料金として $1,750 USD が 1 度限り請求されます。[2]
その後はSMS専用ショートコード1つ毎に毎月 $1,150 USD の料金が発生します。

・発信番号の発行までは、発信番号を管理されている電話会社による承認を経て払い出されるため、3か月以上かかる場合があります。
また、申請を提出した時点からSMS専用ショートコードの支払いが発生します。

・Amazon PinpointのSMS専用ショートコード申請はService Quotasでは取り扱われていないため、原則AWS サポートへの問い合わせが必要となります。[3]

[1] AWS 公式ウェブサイト
https://aws.amazon.com/

[2] Worldwide SMS Pricing – Dedicated Short Codes
https://aws.amazon.com/jp/sns/sms-pricing/

[3] Amazon SNS による SMS メッセージングの専用ショートコードをリクエストする
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/sns/latest/dg/channels-sms-awssupport-short-code.html

リクエスト手順

注意点でも触れましたが、SMS メッセージング用として用いる SMS 専用ショートコードを取得する際には、
東京リージョンの場合原則AWS サポートへの問い合わせが必要となります。

AWSコンソールからサポートお問い合わせ画面を開き、以下の情報を入力し、保存することで
発信番号を払い出すためのサポートケースが作成されます。

以下の「上限タイプ」と「リクエスト」設定がSMS 専用ショートコードの申請に必要な情報となります。

なお、弊社請求代行サービスをご契約のお客様につきましては、サービスの仕様上お客様から直接AWSサポートへお問い合わせいただくことができません。
AWSサポートへお問い合わせをご希望の際は弊社までお問い合わせいただきますようお願いいたします。

■ 上限タイプ

  1. SMS メッセージを送信するサイトまたはアプリへのリンクを入力してください。
    …URLやアプリのリンクをご記載ください。
  2. どのタイプのメッセージを送信する予定ですか?
    …「トランザクション、プロモーション、ワンタイムパスワード」のうち利用する種別を一つご記載ください。
  3. どの AWS リージョンからメッセージを送信しますか?
    …メッセージを送信するリージョンをご記載ください。
  4. どの国にメッセージを送信する予定ですか?
    …メッセージを送信する宛先の国、リージョンをご記載ください。
  5. お客様は、あなたからメッセージを受信することをどのように選択しますか? オプトインプロセスに関する具体的な情報を入力してください。
    …オプトインは、ユーザーのプライバシーを尊重し、スパムや迷惑な広告メッセージを防止するために重要な手段のため記載が必要となっています。
  6. お客様へのメッセージの送信に使用する予定のメッセージテンプレートを入力してください。
    …送信を予定されている文言をご記載ください。

■ リクエスト

  1. リージョン
    …リクエストする予定のリージョンをご記載ください。
  2. リソースタイプ
    …「専用SMS ショートコード」
  3. 上限
    …「トランザクション、プロモーション/マーケティング、ワンタイムパスワード/2要素認証」のうち利用する種別を一つご記載ください。
  4. 申請する上限数
    …発行したい専用ショートコード数を記載ください。

以上の内容をリクエストチケットの作成時にご記載いただくとスムーズに申請が進むかと思います。

あとがき

今回はSMS専用ショートコードの番号発行手順について取りまとめました。
専用の発信番号を取得するまでのプロセスはAWSサポートへ問い合わせる必要があることや、取得に費用がかかることなど注意すべき点が多くありましたね。
将来的には発信番号の発行手順が変わる可能性もあるため、申請が必要になる場合は十分に事前調査の上、発行を進めていきたいと思います。

引用元資料

課題
https://aws-plus.backlog.jp/view/CLP_ENTERPRISE_SUPPORT-9140

メール
ケース ID 2329458253
https://mail.google.com/mail/u/0/#search/2329458253

※ 引用元AWSドキュメントは以下となります。

Amazon Pinpoint による SMS メッセージングの専用ロングコードをリクエストする
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/pinpoint/latest/userguide/channels-sms-awssupport-long-code.html

平素は Amazon Web Servicesをご利用いただき、誠にありがとうございます。

専用ロングコードをご申請いただき、ありがとうございます。
現時点では、日本宛ての専用ロングコードはサポートされていません。今後、専用ロングコードを利用できる国をさらに拡大していく予定となっております。お手数をおかけしますが、後ほど専用ロングコードを利用できる国をご確認ください。

日本宛ての専用ショートコードはサポートされています。専用ショートコードは、専用ロングコード同様、双方向にメッセージを送信することができます。
専用ショートコードの申請を進める場合は、このケースを再度オープンし、必要なすべての情報をご提供ください。

すべてのショートコードは特定のユースケースに割り当てられます。テキストメッセージの送信を開始する前に、電話会社による承認が必要です。承認後は、ショートコードの使用目的を変更できません。承認されたユースケースに沿って使用していただく必要があります。ユースケースを変更する場合は、再申請してください。電話会社から、申請の処理に対して 1 度限りの料金が請求される場合があります
。
日本のショートコードの場合、設定料金として $1,750 USD が 1 度限り請求されます。各ショートコードについて、毎月 $1,150 USD の料金が発生します。電話会社による承認には、3か月以上かかる場合があります。また、申請を提出した時点から、専用ショートコードの支払いが発生します。ショートコードの送信レートのデフォルト値は、1 秒あたり最大 100 件です。送信レートを高くすると、追加料金が発生します。

-- 料金と期間を指定し、このリクエストの処理を続行しますか?
-- 申請を提出した時点から、専用ショートコードの支払いが発生することに同意しますか?

添付の申請用紙にすべての情報を入力してください。情報が不足している場合、実装に長くかかる可能性があります。

24時間以内にご連絡いたします。追加で情報が必要な場合は、ショートコードの実装に長くかかる可能性がございますことをご了承ください。

しばらくの間ケースへ返信がない場合、システムが自動的にケースをクローズする場合があることをご了承ください。ケースがクローズされる前に、お客様には通知をお送りいたします。ケースをオープン状態に保持する場合、本ケースにご返信くださいますようお願いいたします。

Amazon Web Services をご利用いただき、誠にありがとうございます。

このメッセージに含まれるファイル「AWS Global Short Code Registration Form.docx」を確認するには、末尾のリンクからサポートセンターのケースにアクセスしてください。

・海外へ発信する場合の制限事項

制限事項につきましてですが、こちらは下記ドキュメントにて各地域の「送信者 ID のサポート」及び
ドキュメント下部の注釈をご確認いただくようお願いいたします。

・サポートされているリージョンおよび国
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/sns/latest/dg/sns-supported-regions-countries.html#sms-support-note-1