cloudpackエバンジェリストの吉田真吾@yoshidashingo)です。

リザーブドインスタンスの料金体系の変更がアナウンスされたのでまとめます。
Amazon Web Services ブログ: 【AWS発表】EC2のリザーブドインスタンスモデルがシンプルに

リザーブドインスタンスとは

  • EC2の料金をいくらか予約金として前払いすると、時間あたりの料金が安くなることで、期間内のトータル金額が安くなる購入オプション
  • キャパシティの予約(少なくともRIを買ったインスタンスは枯渇せずに起動できる保証)になる
  • EC2だけでなく、RDSやRedshiftなどにも「リザーブドキャパシティ」という同等の購入オプションがある

EC2 リザーブド インスタンス (大幅な割引料金で利用可能な EC2 インスタンス) | アマゾン ウェブ サービス(AWS 日本語)

旧料金体系

前払金、時間単価、期間内の割引率、(月に100%利用時の)損益分岐点を「東京リージョン/Linux/c3.large」を例に記載してみます。

期間 使用量 前払金 時間単価 割引率 損益分岐点
オンデマンド $0.128
1年 軽度使用 $181 $0.128 -16% なし
1年 中度使用 $301 $0.061 25.5% 188日目
1年 重度使用 $357 $0.047 31.44% 184日目
3年 軽度使用 $265 $0.116 1.5% 921日目
3年 中度使用 $462 $0.055 43.3% 264日目
3年 重度使用 $549 $0.041 51.65% 263日目

Amazon EC2のリザーブドインスタンス: 旧料金体系(1年)
Amazon EC2のリザーブドインスタンス: 旧料金体系(3年)
※1年軽度はキャパシティ予約にしか使えないかなと。
※このうち重度使用だけは「インスタンスを停止していても時間料金がかかる」点は注意です。

今回の重度RIの料金体系の変更内容

今日から利用できる新料金では軽度、中度が廃止され、重度にあたるRI購入オプションで、先払いなし(No Upfront)/一部先払い(Partial Upfront)/全部先払い(All Upfront)というオプションのみに変更になって提供が開始しました。

ポイントは重度(起動有無にかかわらず課金される)RIの支払いオプションのみになったという点です。

アナウンスや他のブログ

Simplifying the EC2 Reserved Instance Model
EC2の新しいリザーブドインスタンスのオプションが発表 | Developers.IO
Amazon EC2のリザーブドインスタンス購入ガイド 2014年12月版 | Developers.IO

  • 従来の価格は2015/2/1まで維持されます。月初にRIを購入していて従来のオプションのほうが良いという方は2/1に忘れず買い溜めないといけないですね。
  • 重度のオプションの支払い方法の拡充という意味合いであるため、100%起動されているインスタンスのみ購入することにしないといけません、インスタンスが停止されていても時間料金は変わらずかかります。

新料金体系

前払金、時間単価、期間内の割引率を「東京リージョン/Linux/c3.large」を例に記載してみます。

期間 使用量 前払金 月額(30日)金額 割引率
オンデマンド $0 $92.16
1年 No Upfront $0 $70.81 24%
1年 Partial Upfront $357 $34.31 31%
1年 All Upfront $753 $0 33%
3年 Partial Upfront $549 $29.93 52%
3年 All Upfront $1528 $0 55%

Amazon EC2のリザーブドインスタンス: 新料金体系(1年)
Amazon EC2のリザーブドインスタンス: 新料金体系(3年)

※購入した場合、最終月までインスタンス有無にかかわらず月額費用がかかるため、損益分岐点は項目からはずしました。
※公式ページで時間単価は示されておりませんが、30日で計算した月額金額が提示されています。
※公式ページでEffective Hourlyが示されていますが前払い金、月額金額を期間で割ったものとオンデマンドインスタンスを比較した金額が記載されています。

で、結局安くなるの?どういうときに買えばいいの?

  • 1年ないし3年確実に起動しっぱなしで利用するサーバー(WebサーバーのマスターやDBサーバー)があれば安く利用できます。
  • 現在の為替で利用料金をFIXしてしまいたい
  • 米国に銀行口座があり、リザーブドインスタンスのマーケットプレイスに出品可能な場合は1年RIなら2/3年程度、3年RIであれば1年半程度の利用想定があれば購入するインセンティブがあると思います。使わなくなった場合に出品しても元は取れているという意味で。

元記事はこちらです。
Amazon EC2のリザーブドインスタンスで重度の購入オプション拡充&軽度/中度の廃止