プロジェクトマネジメントにおいて、タスクの管理は成功の鍵を握る重要な要素です。有名どころでは緊急度と重要度で4つの領域に分類するアイゼンハワーマトリクスなどがあります。
今回は別の視点で、タスク期限自体の重要度に着目したいと思います。全てのタスク期限が同じ重要度を持つわけではありません。そこで今回は、タスク自体ではなく、タスク「期限」に重要度レベルを設定し、プロジェクトを円滑に進めるためのテクニックを提案します。
「タスク期限」の重要度レベルを意識する
無意識に会話している方もいらっしゃるかと思いますが、守る(守らせる)タスク期限を、重要度・緊迫度によって下記の通りレベル分けしていきます。
- Lv.5:何がなんでも守るべき期限
- 案件の成否を左右する最重要期限。これを守れないと顧客の信頼喪失・エンドユーザーへの悪影響・自社の大損失に直結すると思ってほしい。
- 例:UAT開始やリリース日といったマイルストーン、クリティカルパス上の重要タスク、など。
- Lv.4:よほどのことがない限り守るべき期限
- 案件への影響が大きい期限。これを守れないと顧客とハードな交渉が必要になったり、他案件との無理な調整が必要になったり、案件の炎上に繋がると思ってほしい。
- 例:設計書作成完了、全実装完了・全テスト完了、スケジュールに余裕のある案件のマイルストーン、など。
- Lv.3:基本守るべき期限
- プロジェクトを健全に保つための計画上の期限。守れなくてもすぐに調整や悪影響が出たりはしないが、これが守れないとスケジュールに余裕がなくなり案件の炎上リスクが上がると思ってほしい。
- 例:日常的なタスク。
- Lv.2:できれば守ってほしい期限
- 余裕のある計画上の期限。然るべき理由があれば延期は検討できるが、他タスクの兼ね合いもあるため守れそうにない場合は予め調整してほしい。
- 例:初期の設計・実装・テストタスク、かかる時間の読めない調査タスク、など。
- Lv.1:目安の期限
- 期限意識を持たせるための目安となる期限。ぶっちゃけいつでもいいが、いつでも良いとするといつまでもやらないため設けるもの。
- 例:空いた時間にやっておいて、今後のためにやっておいて、といった余裕がある際に行うタスク、など。
タスクアサインする際は、指示する側とタスクを実施する側で、タスク別に上記の認識を必ず合わせるようにしていきます。
「期限の重要度レベル」を活用するメリット
- 優先順位の明確化: タスクの重要度が一目で分かり、効率的な作業が可能になります。
- 認識の共有: チーム内で期限に対する認識を共有することで、認識のズレによるトラブルを防ぎます。残業や休日出勤の要否判断にも使えます。
- 炎上リスクの軽減: 余裕を持ったスケジュール管理ができ、プロジェクトの炎上リスクを低減します。
「期限の重要度レベル」運用のポイント
- 基本はLv.3を基準とし、メンバー全員がLv.3以上のタスク期限は必ず守る習慣をつけましょう。
- Lv.3以外の場合は、必ずチーム内でレベルの認識合わせを行いましょう。Lv.4,Lv.5の場合は強調し過ぎるということはないと思いますし、一方、Lv.1,Lv.2の場合も無駄な残業を防止するため認識を合わせることは重要です。
- タスクの期日を延期すると、延期した期日は基本的に「重要度レベル」が上がります。したがって、安易な延期は避けるべきでしょう。
- 上記レベルを厳密に運用する必要はありませんが、タスクアサインの際は上記5段階くらいは認識が合うようにコミュニケーションをとっていくと、認識違いによる炎上リスクを抑えられます。
まとめ
「タスク期限の重要度レベル」を活用することで、プロジェクトを円滑に進め、成功に導くことができます。ぜひあなたのプロジェクトでも試してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この情報が、あなたのプロジェクトマネジメントの一助となれば幸いです。