はじめに
繰り返し発生する見積作業をClaude Codeで自動化しようとしたが、最初はうまくいかなかった。
「直して」「追加して」と依頼するたびに意図と噛み合わず、手戻りが続いた。
原因は依頼の内容ではなく、依頼の「型」が欠けていたことだった。
背景・課題
担当している見積案件では、Excelへの工数入力・集計・フォーマット整形を毎回手作業で行っていた。
作業自体は単純だが、繰り返し発生するうえに細かいミスが起きやすく、
1案件あたり約7時間を費やしていた(見積依頼受領〜Backlogへの課題起票まで)。
Claude Codeを使って自動化しようと試みたが、最初は依頼の仕方が雑で、出力が意図と噛み合わないことが多かった。
「直して」「追加して」といった短い依頼を繰り返し投げる形になり、結果的に手戻りが増えていた。
原因:依頼の「型」が欠けていた
プロンプトエンジニアリングの観点では、AIへの依頼に以下の3点を揃えることが品質の鍵とされている。
- Goal(目的) — 何ができれば成功か
- Constraints(制約) — 守るべき枠は何か
- Acceptance criteria(完了条件) — どうなれば終わったと言えるか
この3点のうち1つでも欠けると、AIの出力が意図からズレやすくなる。
特に「完了条件(スコープ)を先に固める」ことで、初回の出力が枠に収まるようになる。
制約と完了条件を先に固めて渡すほど、AIの出力は「ズレ・暴走・手戻り」が減る——
この考え方を自分の見積作業に適用してみた。
実際にやったこと
Claude Codeへの依頼を、上記の3点セット+XML構造化形式に変えた。
変更前の依頼(例)
見積のExcelに工数を入れて合計も出して変更後の依頼(例)
見積詳細.xlsxの工数列に各タスクの時間を入力し、
小計・合計行の数式を自動生成する
- 既存の行・列の構成は変えない
- 数式はSUM関数のみ使用(INDIRECT等は不可)
- 合計行のフォーマット(太字・背景色)は維持する
- 全タスク行に工数が入力されていること
- 小計・合計が正しく計算されていること
- 既存セルのフォーマットが崩れていないこと
結果
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 1案件あたりの作業時間 | 約7時間 | 約2時間 |
| 削減時間 | ー | 約5時間(約71%削減) |
※いずれも見積依頼受領〜Backlogへの課題起票までの時間を計測。
特に効果が大きかったのは「完了条件」の明示で、
Claude Codeが余計な変更を加えなくなり、確認・修正の工数が大幅に減った。
所感
依頼の型を変えるだけで、Claude Codeの出力精度は明確に変わった。
「何を言うか」より「どう整えて渡すか」の方が、結果への影響が大きいと実感している。
型が決まった繰り返し作業こそ、Goal・Constraints・Acceptance criteriaの3点セットが効く。
毎回同じ構造の依頼を手書きするより、型を決めてしまった方が圧倒的に速い。
他の繰り返し作業にも同じアプローチが使えそうなので、引き続き試していく。