アイレットは、2025年12月2日(火)~4日(木)にウェスティンホテル東京にて開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション&クラウド戦略コンファレンス 2025」に Platinum 出展の1社として初めて出展しました。

本記事では、沢山の方々にお立ち寄りいただいたアイレットのブースの様子、そしてアイレット・日本オラクル・KDDI の3社が登壇したセッションの様子をご紹介します!

アイレットのブース

アイレットのブースでは、OCI を中心としたマルチクラウド戦略の設計・構築・運用に関することから、コスト最適化・データ連携・セキュリティ・AI 活用など最新のテーマについて、事例と共にご紹介いたしました。

ブースにお立ち寄りいただいた来場者の方には、防災グッズが詰まったエマージェンシーボトルやポップなデザインの缶バッチをプレゼント🎁

来場者の皆様には、自社システムの OCI 移行やマルチクラウド活用に向けたアーキテクチャ検討、さらには AI 利活用に関するご相談など、幅広いテーマで関心を寄せていただきました。

アイレットの取り組みにご興味をお持ちいただいた方々と直接お話しでき、大変有意義な機会となりました。

アイレットのセッション
『新たな価値』へと変える KDDI のシステム移行
マルチクラウドで実現する未来への投資

12月2日(火)に実施したセッションでは、OCI 事業を推進するアイレット 執行役員 服部 章平が登壇!

KDDI株式会社の大規模基幹システム刷新プロジェクト「QUAD4」における OCI 移行・アイレットのマルチクラウド戦略について、日本オラクル株式会社 吉川 顕太郎様、KDDI株式会社 輿水 武志様と共にご紹介しました。

マルチクラウドとは何か?

セッションは、アイレット 服部による「マルチクラウドの基本的な考え方」と「なぜ OCI を選択するべきなのか」についての説明から開始しました。

マルチクラウドの本質とは何か。
服部は、クラウドは「リフト」から「シフト」させ、継続的な最適化と複数のクラウドを組み合わせて使うことであると述べました。

特に、以下の3点をマルチクラウド推進の主要なメリットとして提示しました。

  • 各クラウドの特徴を活かしたサービスの組み合わせが可能
  • 単一障害点、特定のクラウド環境に依存するリスクの分散
  • サイバー攻撃や大規模障害発生時の事業継続性(BCP)を劇的に高められる

また、クラウド市場でよく起きる「ベンダーロックイン」の問題にも触れ、『特定のシステム会社に長期間ロックインされる日本の SIer 業界に風穴をあけ、お客様に新たな選択肢をご提供する』という、アイレットが目指す世界観に関して紹介しました。

マルチクラウド推進において、OCI を選択する理由とは?

続いて、多くのクラウドの中で OCI を選択肢として推奨する理由についても説明がありました。

OCI は、マルチクラウド前提で設計されたクラウドであり、導入・運用における障壁を取り除くことが可能です。

服部はその例として、以下の特徴を挙げました。

  • ネットワークコストの最適化
    • OCI と Microsoft Azure および Google Cloud 間のデータ転送料金を無償化
  • 最適なクラウド環境を自由に選択
    • 他クラウドでも利用可能な前払料金体系を導入し、クラウド間ポータビリティを活発化
  • クラウドの提供形態の柔軟性と利便性の提供
    • “クラウド・アット・カスタマー” 思考による、環境的なクラウド利用の柔軟性と利便性
  • ランサムウェアなどの攻撃にもインテリジェントな実行が可能
    • Zero Data Loss Recovery Service により、Oracle Database を使っていれば復旧可能

このように、OCI は マルチクラウドを現実的に実現するためのサービス群を幅広く提供しており、企業の選択肢とレジリエンスを大きく高める存在であることを強調しました。

OCI がマルチクラウド時代に選ばれる理由

次に登壇したのは、日本オラクル 吉川 顕太郎様。

OCI(Oracle Cloud Infrastructure)の特徴とマルチクラウド戦略についてご紹介いただきました。

ポイントとして挙げられたのは、以下の通り。

  • “Everything Everywhere” の開発フィロソフィー
    • すべてのリージョンで同じ機能を提供するアプローチ
  • パフォーマンス SLA
    • 「動く/動かない」ではなく、約束したパフォーマンスしきい値を下回るとクレジットを返金するユニークな SLA
  • シンプルで予測可能性の高い課金モデル
    • グローバルで単一の消費単価で利用可能

加えて、OCI のデータセンターアーキテクチャがコンパクトであることを活かし、お客様のデータセンター内に OCI を展開する専有リージョンや、Microsoft Azure・Google Cloud・AWS といったハイパースケーラーのリージョン内に OCI を設置するマルチクラウドリージョンの取り組みが紹介されました。

基幹システム刷新プロジェクト「QUAD4」の挑戦

続いて、KDDI 輿水 武志様からは、KDDI が取り組む大規模基幹システム刷新「QUAD4」について紹介がありました。

「QUAD4」は“4つの4”を由来とする大規模改革プロジェクトであり、

  • 44システムのクラウド移行(後に68システムへ拡大)
  • 10年で49%のコスト削減
  • CO₂排出量「4年でゼロ」

を掲げ、基幹システムの構造的改革を進めています。

本プロジェクトは5つの BOX 組織で推進し、『標準化』『IaC』を中心に、『Lift』によるプロジェクト実行、『AI』による生産性向上、および『渉外』にて日米 Oracle 社と障害対応そしてエンハンスリクエストの加速を行ない、コスト競争力・アジリティを獲得するプロジェクトです。さらにこれらすべてを内製で実施する事で、社員の育成とモチベーションアップに繋げています。

また、KDDI が基幹系のクラウド基盤として OCI を選んだ理由は、多くの評価項目の中から特に重要評価項目として「性能」「経済性」「移行容易性」の3つの判断軸があったとのこと。

  1. 性能:コンピュート・ネットワーク・ストレージの各面で他クラウドを上回る
  2. 経済性:同等性能比較で大幅なコスト優位性を確認
  3. 移行容易性:基幹システムの大半を占める Oracle Database との強い親和性

さらに、実際の移行結果として、

  • オンライン処理:44〜57%の処理性能向上
  • バッチ処理:約55%の処理時間短縮

という大きな成果も紹介されました。

なお、「QUAD4」プロジェクトに関して、アイレットは技術パートナーとして参画!
OCI を中心としたクラウド環境上での標準化・自動化を支援し、開発効率と品質を両立させるシステム基盤の整備に貢献しました。

詳細は導入事例にて公開しておりますので、ぜひこちらもご一読ください!

OCI 移行における標準化と自動化を推進!多数の基幹システムを対象とした長期基盤改革

マルチクラウドは企業にとっての“未来への投資”

最後に、アイレット 服部よりマルチクラウド推進における重要な3点をご紹介しました。

1. マルチクラウドを選択する明確な理由
ビジネスの柔軟性、ベンダーロックイン回避、リスク分散、最適な技術の選択など

2. マルチクラウドを実現しやすいサービスの選定
他クラウドとの親和性、料金の柔軟性などサービスの選定

3. マルチクラウドに対応したベンダー選定
各クラウドの特性把握や対応実績など、マルチクラウドを継続的に、最適化を通じて維持・発展させることができるベンダーの選定

マルチクラウドを実現する上で、コスト増、運用管理の複雑化、セキュリティ対策の高度化などが想定されますが、それ以上にメリットを最大限に享受することが重要であるとセッションを締めくくりました。

まとめ

アイレットは、クラウド活用における総合支援サービス「cloudpack(クラウドパック)」における OCI 導入・移行支援サービスOCI 監視・運用保守サービスOCI 請求代行サービスなどの提供を通じて、お客様の Oracle Cloud Infrastructure(OCI)利用を総合的に支援しています。

また、2025年10月15日の創立22周年を機に AI 統合ソリューション群「gaipack」を提供開始し、AI 新規開発からモダナイゼーション、内製化、戦略設計まで、AI 導入加速のための多様なソリューション群をワンストップで提供しています。

当社は今後も、『クラウド特化型のシステムインテグレーター』として、大規模基幹システム移行からマルチクラウド戦略の推進、AI 導入・活用まで、あらゆる企業の課題解決を幅広く支援してまいります。

お問い合わせやご相談は、お気軽にアイレットまでお寄せください!

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