はじめに

私はこれまで、Google Cloudの資格をいくつか取得してきました。

資格取得を続けていると、クラウド系資格には有効期限があるため、更新も含めて「一年中、何かの資格を勉強しているな」と感じることがあります。

そこで最近は、資格取得を「勉強しなければいけないもの」と考えるのではなく、自分のスキルを継続的に伸ばすための投資として捉えるようにしています。

KDDIアイレットには資格取得を支援する制度があり、資格によっては報奨金も支給されます。
資格取得を目指す社員を制度面から支援するだけでなく、クラウドに関する知識を深め、資格取得に継続して挑戦できる環境があることも、私が学習を続ける理由の一つです。

この記事では、これからGoogle Cloudの資格取得を目指す方や、資格取得に取り組んでいるものの、学習時間をなかなか確保できない方に向けて、私が実践している生成AIを使った学習方法をご紹介します。

「資格の勉強」ではなく「資格を取りに行く」

ここで大事なのは、資格の勉強を趣味のように延々とやることではありません。

むしろ、この資格を⚪︎月までに取る、と決めて、効率よく合格ラインまで持っていきます。

そのために私は、AIを活用しています。

Google Cloudの資格試験について、日本語でまとまった学習情報や書籍はまだ少ないのが現状です。

そのため、演習問題を解いていると

  • 名前が似ているサービスが多い
  • 同じような用途に見えるサービスが複数ある
  • 「どのような状況ならA、どのような状況ならB」という微妙な違いが問われる
  • 正解した問題でも、なぜ他の選択肢が違うのか説明できない

ということがよくあります。

問題を解きながらこのような違いを整理するのは難しく、また時間もかかります。

そこで私は生成AIを使って、問題演習で得た知識を整理するようにしています。

AIには「答え」ではなく「知識の整理」をさせる

ここからは、実際に私が資格試験の学習で行っている方法をご紹介します。

AIに試験対策を丸ごと任せるのではなく、まず自分で演習問題を解きます。

そのうえで、問題を解いていて「このサービスとあのサービスの違いが分かりにくい」と感じたところや、複数の問題に繰り返し登場したサービスについて、Claudeに整理を依頼します。

私自身が特に役立ったのは、以下の3つです。

  • 試験で出題される領域と配点の整理
  • 各領域で出題されやすいサービスと押さえるべきポイントの整理
  • 混同しやすいサービスの比較

単にAIに試験対策を作ってもらうのではなく、自分が問題を解いていてつまずいたポイントをAIに整理してもらうことが、この方法のポイントです。

今回はProfessional Cloud Security Engineerを例に、実際に整理した内容の一部をご紹介します。

実際にAIを使って学習内容を整理してみる

1. 試験の構成(配点)

セクション 配点 主要テーマ
1. Configuring access ~25% IAM、Cloud Identity、サービスアカウント、認証・認可、リソース階層
2. Securing communications / boundary protection ~22% ネットワーク境界防御、VPC、プライベート接続
3. Ensuring data protection ~23% データ保護、暗号鍵管理、AIワークロードのセキュリティ
4. Managing operations ~19% セキュリティ自動化、ロギング/監視/検知
5. Supporting compliance ~11% コンプライアンス対応、共有責任モデル

各領域で出題されやすいサービスと押さえるべきポイント

セクション1: アクセス管理(~25%)

頻出サービス: Cloud Identity, IAM, Access Context Manager, Policy Intelligence, Privileged Access Manager (PAM), Workload/Workforce Identity Federation, Organization Policy Service

押さえるポイント

  • リソース階層(Organization > Folder > Project > Resource)とポリシー継承の仕組み。上位で拒否(deny)されると下位で許可しても無効になる、など継承ルールの理解必須。
  • IAM条件(Conditions)とDenyポリシーの違い(許可条件付与 vs 明示的拒否)。
  • サービスアカウントキーのリスクと代替策(Workload Identity Federationで鍵レス化、短命クレデンシャル利用)。
  • Workforce Identity Federation(社内ユーザー・外部IdP向け)とWorkload Identity Federation(Google Cloud外のワークロード・他クラウドのサービス向け)の使い分け。
  • Access Context Manager + VPC Service Controlsの関係(後述)。
  • Privileged Access Managerによる一時的な昇格権限付与(Just-In-Time access)。

…(省略)…

3. 混同しやすいサービス比較(一部抜粋)

比較対象 違いのポイント
VPC Service Controls vs IAM IAMは「誰が」リソースを操作できるか(ID単位の認可)。VPC-SCは「どこから」APIにアクセスできるか(境界・ネットワークコンテキスト単位)。漏洩した資格情報を境界外から使われても防げるのがVPC-SC。
VPC Network Peering vs Shared VPC Peeringは異なるプロジェクトのVPC同士を対等に接続(管理は各VPCオーナー)。Shared VPCはホストプロジェクトが1つのVPCを複数プロジェクトに共有(一元的なネットワーク管理、IAMで参加プロジェクト権限を制御)。
Private Google Access vs Private Service Connect 前者はVPC内の外部IPなしVMがGoogle APIにプライベート到達するための設定。後者はVPC間・オンプレ含めてサービス単位でエンドポイントを公開・消費する仕組み(サービスプロデューサー・コンシューマモデル、より柔軟でIP競合を回避できる)。
Cloud NAT vs Cloud Interconnect/VPN NATは内部専用VMがインターネットへ出て行くための仕組み(インバウンド不可)。Interconnect/VPNはオンプレとのプライベート双方向接続。
CMEK vs CSEK vs EKM CMEK=鍵をCloud KMSでGoogleが管理インフラ上に保持(顧客が作成・ローテーション制御)。CSEK=顧客が鍵そのものをリクエスト時に渡す(Googleは保存しない、対応サービス限定)。EKM=鍵は完全に外部(オンプレ・他クラウド)に存在し都度参照。

AIの回答をそのまま覚えない

ここで注意しているのは、AIが整理した内容をそのまま正解として覚えないことです。

資格試験の学習では、サービスの仕様や試験ガイドが更新されることもあります。また、AIの回答が必ずしも正しいとは限りません。

そのため、AIに整理してもらった内容は、公式ドキュメントや試験ガイドなどを確認しながら、自分の理解と照らし合わせています。

AIには「正解を教えてもらう」のではなく、自分では整理に時間がかかる情報をまとめてもらい、理解するための補助として使うという位置づけです。

「正解を覚える」から「正解になる条件を覚える」へ

資格試験の問題演習でありがちなのが、

「この問題の答えはA」

という覚え方です。

これだと、少し問題の聞き方を変えられたときに対応できません。

そこでAIには、

「なぜAなのか」だけではなく、「BではなくAになる条件」を整理する

ようにしました。

整理されたポイントを覚えることで、類似の問題にも対応できるようになり、有効期限が近づいても勉強時間を短縮できます。

この方法をやってみて感じたのは、AIは資格試験の「問題集」の代わりにするより、「問題集を整理する役割」で使ったほうが便利ということです。

まとめ:資格取得を「自分への投資」にする

資格取得は、試験に合格したら終わりではありません。

学習を通じて身につけた知識は実務で活かすことができ、資格はその知識やスキルを客観的に示す一つの材料になります。さらに、次の資格に挑戦することで、新しい知識を継続的に身につけるきっかけにもなります。

私自身、資格取得を「勉強しなければいけないもの」ではなく、自分のスキルやキャリアへの投資と考えるようになってから、継続して取り組みやすくなりました。

KDDIアイレットの資格取得支援制度も活用しながら、これからも一つずつ資格を積み重ねていきたいと思います。

資格取得を少しでも効率よく、無理なく続けたい方は、ぜひ生成AIも学習方法の一つとして取り入れてみてください。