概要
2018年6月、HTML5プロフェッショナル認定試験 Level1 バージョン2.0に合格しました。
公式サイトで解説されている内容については割愛し、あくまでも主観に基づいた情報を中心に動機・勉強法などを共有いたします。
動機
スキルの証明
私は30歳を過ぎて異業種からweb業界に参入し、ちょっとデザインができる人からちょっとコーディングができる人に進化し、徐々にコードを書くことをお金を稼ぐ仕事の中心にしてきた…というキャリアパスを通ってきました。
実務で培ったある程度のスキルは自負していますが、何しろそういう野良キャリアなので情報技術の学位もなければ資格も持っていません。実力のあるエンジニアが数多く在籍する会社で、自分の技術力のなさが少し引け目に感じられることもありました。
スキルを証明するなら実際の制作物をポートフォリオで見せればいいじゃない…とも思うのですが、諸事情で外部に見せられないものもあるんですよね。例えば著作権管理が厳格なキャラクター画像をフィーチャーしたサイトとか、業務システムの管理者側UIとか、『俺が作った』と言えない… 制作業界に横行する実績隠蔽問題についてのようなパターン。
しかしながら、事情があるからといって「見せられるものはないけど俺実力はあるから」と考えてしまうのはどうなんだろうと。それは悪い意味で怠惰ではないかと思うようになっていきました。
自分の可能性を拡張する
この仕事は往往にしてルーティン化された仕事や、案件の山場/谷間が存在します。そしてこのルーティンワークに慣れてきた頃や案件の谷間に何をするかはエンジニアとデザイナーにとってかなりの重要事項であると思います(参考: デザイナーとしての「ゆるやかな死」)。
それに資格は会社員にとっては給与交渉の、転職活動中の人にとっては転職交渉のわかりやすい材料となります。
というわけでスキルの証明と自分の可能性を拡張という二つをモチベーションに、近年webデザイン/フロントエンド開発系の資格として評判の良いHTML5プロフェッショナル認定試験を受験してみることにしました。
また幸いにも会社が資格取得に関する補助制度を用意していたので、これを有効に活用することができました。
勉強法
- 公式サイトに過去の講演資料や例題が公開されているのでこれを一通り眺めておく
- 問題集を買う。自分は翔泳社さんの『HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 スピードマスター問題集 Ver2.0対応』のリアル書籍を使いました。
- 問題集に疑問点があれば出版社に問い合わせる。大手の書籍といえども誤植や間違いはありえるので鵜呑みにしない。『HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 スピードマスター問題集 Ver2.0対応』はバージョン2.0対応版としての初版本でしたので、自分は書籍に関する問い合わせを3度行い、そのうち2つは正誤表にて訂正対応していただきました。担当者さんありがとうございます。
- 電子書籍版もありましたがページに直接メモを書き込んだり、端末でwebページを参照しながら勉強できるので自分には慣れ親しんだリアル書籍が合っていました。
勉強期間
通勤の行き帰りを利用して問題集を約一ヶ月かけて3周ほど復習。最後の一週間に巻末の模擬試験と購入者特典DL版模擬試験に挑戦し、間違ったところを重点的に2周ほど復習しました。
学習のポイント
試験の名称こそ「HTML5〜」ですが狭義のHTML5に関する出題は全体の1/5です。Webの基礎知識やCSS3やAPIを含めた広義のHTML5を勉強する必要があります。
具体的には以下のセクションに分かれます。
- Webの基礎知識
- CSS
- 要素
- レスポンシブWebデザイン
- APIの基礎知識
暗記ポイント
セクションごとに暗記ポイントがあると感じました。
- Webの基礎知識: HTTP要求メソッドやステータスコード
- CSS: アニメーションとトランジション関連プロパティ
- 要素:em・strong・mark・b要素の違いやルビの振り方、グローバル属性、video、audio、svg、canvasあたりの要素
- レスポンシブWebデザイン:「レスポンシブデザイン」、「フルードデザイン」、「フルードグリッド」、「フルードイメージ」、「レスポンシブイメージ」、「メディアクエリ」、「ビューポート」あたりの用語の定義がこんがらがりがちなので整理しておく
- APIの基礎知識: ここも用語のイメージづくりが大事。「P2P通信」と「クライアント間通信」は同じことを言っているんだな…みたいな。
テスト当日
受験手続き(クレジットカード支払い必須なので注意)を完了させるといろんな街にある「テストセンター」で受験します。自分が受験した会場では渋谷の雑居ビルの5Fにちょっと古臭いPC端末とマウスが用意されている感じでした。おそらくそういう設備がデフォルトですし、テスト中は非常に静粛なので人によってはクリック音が気になるかもしれません。会場にはクレー射撃選手が着用するような耳栓が用意されていましたが、着用したところやや頭の締め付け感が強く感じました。可能なら自分で耳栓を用意するのが良さそう。
また、合格ラインは70%、つまり30%は間違えられるということなので全然わからない難問があっても一喜一憂しない心の余裕は大事だと思いました。
合否判定
最後の問題を解いて提出ボタンを押すとすぐに結果が表示されます。不合格の時はショックがでかそう…。合格できてよかった。
なお私の成績は以下の通りでした。
- 合計80点(合格ライン70点)
- Webの基礎知識 正解率100%
- CSS 正解率80%
- 要素 正解率73%
- レスポンシブWebデザイン 正解率71%
- APIの基礎知識 正解率70%
認定証
2,3日で受験者マイページから認定証を見ることができるようになります。
一週間程度たつとディプロマと認証カードが届きます。
また、名刺に認定済というテキストまたは認定マークをつけることが許可されます。
所感
- Service Workerなどweb標準APIでできることが増えている
- ゆくゆくはレベル2合格を目指す
- そのために高めたいJS力 ただ「JSを勉強するぞー」ではなく、何を実現するための勉強なのかがより具体的にすることができたのが非常によかった。