cloudpackエバンジェリストの吉田真吾(@yoshidashingo)です。
AWSのエンタープライズ分野に関するブログが以下で始まってます。
AWS in the Enterprise ー AWS Enterprise Collection ー Medium
要点
- ダウジョーンズのCIO Stephen Orban 氏が9月に任期を終えて、AWSのエンタープライズ戦略部長に就任した。
- 2011年にBloombergのプライベートクラウドをAWSで構築したが、AWSのイノベーションのスピードがなければ実現できなかった。
- ダウジョーンズにおいてもAWSを活用することでクラウドファーストなエンタープライズ企業となることを目指した。
- エンタープライズ企業においてクラウドの活用は今後避けられないが、クラウドへの移行を行なうためにセキュリティ、財務管理、コスト、ガバナンス、自動化、DevOps、企業ポリシーなど、すでに企業内で確立されたさまざまな考慮事項に慎重に対応する必要がある。
- AWSはエンタープライズ向けの機能強化についてコミットメントを示しており、年々成熟しているので、多くの企業がビジネスの発展のためにAWSを使っている。
- 経験上AWSよりクラウドコンピューティングの将来性においてよい位置にいる事業者はなく、パブリッククラウドを市場に投入した最初の事業者かつ、最もサービスの幅広いサービスを展開している事業者である。AWSと提携している間に繰り返し聞いたのは”経験を圧縮するアルゴリズムはない”ということであった。
- Stephen Orban 氏の狙いはクラウドファーストなエンタープライズ企業になるために学んだ教訓を活かして、ユーザー企業内に技術幹部を作り、そういった企業から何が必要なのか多くのフィードバックを得ることである。
開発者コミュニティでは語られない点
私も現在いくつかエンタープライズなプロジェクトに携わっており、開発者コミュニティではあまり語られないいくつかの課題について認識をしています。
- 企業内でクラウド化に向かうコンセンサスを形成していくプロセス・段取りづけ
- 複雑なアーキテクチャを慎重にかつ確実に紐解き、対応が必要なガバナンス、セキュリティ要件などとクラウドサービスとのフィット&ギャップを整理すること
- 利用者の業務フローとシステムのアーキテクチャの関連性を整理して改善すること
- サブシステムごとにばらけて個別最適化されているポリシーの統合や適正化
- 既存ベンダーとの調整や整理
- デプロイ、テスト、運用手順の仕組みの整理や各種ツールの定着化
まだまだありますが、アプローチのポイントは Stephen Orban 氏の記載にもあった、こういったことを企業内で牽引する立場の幹部となるメンバーとの二人三脚という部分でしょうか。
私としても今後エンタープライズ分野でのAWS活用において、経験の圧縮アルゴリズムが存在しない中、地道に、かつ着実に歩を進めていければと考えています。
元記事はこちらです。
「AWS: エンタープライズの物語 に関する所感」