はじめに
こんにちは、デザイン事業部の長谷です。
まず、感謝の意を表したいと思います。AI情報について日々発信されている方、AIツール・モデルを開発・研究されている方、この記事を読んでくださるすべての皆さんありがとうございます。
今回は、独断で選んだ生成AIツールを一定期間(短くとも2週間以上)試してみたので、各ツールに対する正直な感想とそのツールの特徴を簡単にまとめました。
「どんなツールがあるの?」「結局どれが良いの?」「何ができるの?」 そんな疑問をお持ちの方に、少しでも各ツールの雰囲気が伝わればと思います。
この記事でわかること
- 実際に使った生成AIツール11について
- ツールごとの特徴、メリット・デメリット
- あなたにぴったりのAIツールの選び方
- 各ツールの活用事例
目次
- 前提
- 使用したツール一覧
- 各ツールのレビュー
- 今後の展望とまとめ
前提
- 個人的な感想が中心です
- AIツールは日々アップデートされるため、記事執筆時点や実際に使用した時点と情報が異なる場合があります
- API利用は一部のみ行いました。今回はその点はあまり反映していません
- 課金版(Proプラン・Teamプランなど)を主に利用しています
使用したツール一覧
ツール名 | カテゴリ | おすすめ度 | URL | おすすめポイント |
---|---|---|---|---|
Claude | 汎用LLM | ◎ | https://claude.ai | 日本語の自然さ、クリエイティブな文章生成に強み |
ChatGPT | 汎用LLM | ○ | https://chatgpt.com/ | 初心者にもおすすめ。GPTsで多様な活用が可能 |
Perplexity | AI検索 | ○ | https://www.perplexity.ai/ | 情報源が明確。学術調査にも役立つ |
Genspark | AI検索 | ○ | https://www.genspark.ai/ | 複数モデルを使い分け可能。新しいAI検索体験 |
Felo | AI検索 | ◎ | https://felo.ai/ja/search | 多機能&国産。スライド、マインドマップ作成も |
NapkinAI | 図解作成 | ◎ | https://app.napkin.ai/ | 文章から図解を生成。資料作成を効率化 |
v0 | UI作成 | ○ | https://v0.dev/ | コード不要でUIプロトタイプ作成 |
bolt.new | プロジェクトテンプレ作成 | ○ | https://bolt.new/ | 構成済みテンプレで開発を効率化 |
Github Copilot | AIアシスタント | ◎ | https://github.com/features/copilot | コード補完が強力。開発効率を向上 |
Codeium Extensions | AIアシスタント | ○ | https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=Codeium.codeium | 無料でも高性能。Copilotの代替として有力 |
Windsurf | AIを包含したIDE | ◎ | https://codeium.com/windsurf | AIがIDEを革新。未来の開発環境を体験 |
各ツールのレビュー(というよりは使用感)
1. Claude:純ジャパの日本語ネイティブ
キャプション:Claudeのファーストビュー
使ってみて感じたこと
- 日本語表現が自然でまるでネイティブと会話しているような感覚です。
- 小説、ブログ記事、企画書など文章作成全般で活躍してくれます。最高です。
- コード生成も得意で、簡単なスクリプトなら問題なく作成できます。
- 上記のコード作成機能と組み合わせて、Artifactプレビュー機能が便利。生成したSVG画像やMarp資料をその場で確認できるのは効率的です。
- データ上の性能比較ではGPT-4oに劣るという情報もありますが、日本語ユーザーで開発者であればClaudeは有力な選択肢となると思います。正直各モデルのベンチマークによる優劣=実際の使用感の優劣にはならないなと思いました。
- 今後、自動作業機能が強化されればさらに活用の幅が広がりそうです。
- 強いて言えば、ChatGPTやGeminiの最新モデルに見られるような推論に特化したモデルの登場にも期待したいです。
こんな人におすすめ
- 日本語での文章作成、翻訳をAIに任せたい方
- クリエイティブな文章作成に挑戦したい方
- プログラミングする開発者
2. ChatGPT:AI学校の生徒会長
キャプション:ChatGPTのファーストビュー
使ってみて改めて感じたこと
- AI分野のパイオニアとして、常に進化を牽引している印象です。
- 最新モデルになるにつれて、日本語力がかなり向上しています。
- 文章、コード生成の精度も高く、安心して利用できます。
- 最近では、Reactなどによるコードのプレビュー機能も追加されたので、コーディングとの相性も高くなっています。
- 画像分析、生成も可能になり、多機能に進化しています。
- 音声モードは想像以上に便利。ハンズフリーで指示できるのは快適です。課金verだと、英会話練習にも使えるようなネイティブモードもたくさん使うことも可能です。
- ブログ執筆ではCanvas機能が便利。構成を考えるのが楽になりました。
- GPTsで様々なAIチャットボットを作成できるのは面白い試みです。
- GPT-4oになり精度が向上したと感じます。Pro版のGPT-4oはさらに高性能なのでしょう。
- 最近では、Deep Research機能も追加され評判が良さそうです。(自分はGPT Teamプランなのでまだ使えていません…早く解禁されないかな…)
こんな人におすすめ
- 最新AIトレンドを常に把握しておきたい方
- 文章作成、プログラミング、画像生成など、様々な用途でAIを活用したい方
- 音声操作でAIと対話してみたい方
3. Perplexity:AI検索の先駆者
キャプション:Perplexityのファーストビュー
使ってみた感想
- AI検索分野の先駆者として、その存在意義は大きいと感じます。
- 学術論文や専門知識の検索に適しています。
- 他のAI検索エンジンと比較して検索スピードが速い印象です。
- 引用元を明示してくれるため、情報の信頼性が高いです。
- プロンプト言語の自動検出機能は、まだ改善の余地があるかもしれません。英語の論文を引用すると回答も英語になることがあります。
- ソフトバンクユーザー向けのProプラン1年無料キャンペーンは魅力的です。
こんな人におすすめ
- 情報源が明確なAI検索エンジンを利用したい方
- 学術論文や専門知識を調査する機会が多い方
- ソフトバンクユーザー
余談
PerplexityをはじめAI検索は、ユーザーがさまざまな情報にアクセスするハードルが下がったり、情報収集を効率化できたり、良い面はたくさんあります。
しかし、以下のような意見があったり、実際に訴訟されてたりと、よくない面も多々指摘されます。
私個人では、なんともいえませんが、下記の状況の行方はなるべくしっかり追っていきたいと思います。
- robots.txtを無視して、クロールされる
- 毎回違うIPアドレスでクロールしまくるから無駄にアクセス量増やされる
訴訟の例
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21CBO0R21C24A0000000/
4. Genspark:複数AIモデルの連携
キャプション:Gensparkのファーストビュー
使ってみた感想
- 複数AIモデルをタスクに応じて使い分けられるというコンセプトが斬新です。
- ファクトチェック機能が標準で搭載されているのはかなり画期的です。
- 生成される文章の品質は比較的高いと感じます。
- 日本語よりは、英語の方が得意な印象です。
- UIにバグが見られる点が気になります。今後のアップデートに期待したいです。
こんな人におすすめ
- 複数のAIモデルを試してみたいAIに関心の高い方
- 情報の正確性を重視する方
- 英語での情報収集に抵抗がない方
5. Felo:多機能&加速度的な進化、安心の国産
キャプション:Feloのファーストビュー
使ってみた感想
- スライド作成機能が便利。PPT/PDF形式でダウンロードできるのも実用的です。
- マインドマップ作成機能まで搭載されており、多機能ぶりに驚かされます。
- Notion連携ができるのも便利です。
- プロンプト言語の自動検出精度が高く、日本語と英語の両方に対応できます。
- アップデート頻度が高く、常に進化している印象を受けます。
- 引用元も多く提示してくれるため、情報の深掘りにも役立ちます。
- 国産AIという点も応援したくなります。今後の発展に期待したいです。
こんな人におすすめ
- スライド、マインドマップ作成を効率化したい方
- 日本語での利用が中心の方
- 多機能なAIツールを一つにまとめたい方
6. NapkinAI:文章から図解を生成。資料作成の概念が変わる
キャプション:NapkinAIのファーストビュー
使ってみた感想
- 文章を入力するだけで図解が完成するのは画期的です。
- PNG/JPG/SVG形式で出力できるため、資料に簡単に貼り付けられます。
- 図の色をカスタマイズできるのも便利です。
- 正直NapkinAIで作成した図解 であると一目見ればわかりますが、Figmaにコピー&ペーストして部分的に活用することも可能です。
こんな人におすすめ
- 資料作成にかける時間を削減したい方
- 図解作成が苦手な方
- Figmaなどのデザインツールも活用したい方
7. v0:UIデザインの民主化。プロトタイプ作成を迅速化
キャプション:v0のファーストビュー
使ってみた感想
- shadcn/ui、Tailwind CSS、Next.js をベースとしたUIをプロンプトで生成できるのがすごい。今は他言語でも作成できるっぽいですが、Vercel社が開発してるため、Next.jsやshadcn/ui、Next.jsインストールフローの選択肢に採用されているTailwindCSSとは相性が抜群にいいと感じます。また、Vercelのホスティングサービスへのデプロイもしやすい点も特徴に感じます。
- エンジニアでなくてもUIプロトタイプを作成できるのは大きなメリットです。
- npmでプロジェクトをインストールできるのも便利です。
- Figmaデザインをインポートしてプロトタイプに変換する機能も優れています。レイヤー構造が整理されたFigmaデータほど精度が高いようです。
こんな人におすすめ
- UIデザインの知識がなくてもプロトタイプ作成に挑戦したい方
- エンジニア、デザイナーのプロトタイプ作成業務を効率化したい方
- Figmaユーザー
8. bolt.new:プロジェクト構成の悩みを解消
キャプション:bolt.newでのファーストビュー
使ってみた感想
- ディレクトリ構成を含めてプロジェクトを生成してくれるのは非常に助かります。
- UIデザインはv0と比較するとシンプルですが、非常に使いやすいと思います。
- フレームワーク、ライブラリの選択肢が豊富です。
- npm install などのツールも利用できるのが嬉しいです。
- API連携 の初期設定まで完了した状態で生成されるため、開発効率が向上します。
- 弱点としては、インストールされるライブラリやフレームワークのverが少し古い点、ディレクトリ構成が作成したものによる部分があげられそうです。ただし、Githubのpublicリポジトリをプロジェクトのテンプレートとして利用することも可能なので、工夫次第な気がします。ただフルスクラッチで色々技術選定した方が長期的な拡張性は保証できると思うので、実務で使用するかは慎重に吟味が必要です。
こんな人におすすめ
- プロジェクトの初期設定を迅速に完了したい方
- 様々なフレームワーク、ライブラリを試したい方
- バックエンドエンジニア
9. Github Copilot:AIが開発をサポート、エンジニアにとってのCopilotといえばこれ
キャプション:Github Copilotのファーストビュー
使ってみた感想
- コード補完の精度が高く、コーディング速度が向上しました。
- コミットメッセージ自動生成がシンプルにかなり便利です。最初は自分の思い通りに生成してくれなかったりしますが、自動生成 → 手直しを繰り返している間にAI側が学習したのか、かなり良さげに考えてくれるようになりました。
- エディタ画面からAIに質問できるため、調べ物の手間が減りました。
- ターミナルエラー の原因を教えてくれる機能も便利です。
- 無料プラン も登場し、より手軽に試せるようになりました。
こんな人におすすめ
- コードを書くすべての方
- 開発効率を最大限に高めたい方
- AIとペアプログラミングしたい方
10. Codeium Extensions:無料でもCopilotに匹敵する性能。注目のAIアシスタント
キャプション:VScodeのプラグインマーケットにおけるCodeium Extensionsの画面
使ってみた感想
- 無料 でありながら、非常に実用的。Copilotの代替としても検討できるレベルです。
- 言語検出 の精度はCopilotに及ばない部分もありますが、日本語プロンプト にも対応できます。
- Copilotの無料プランが登場するまでは、無料AIアシスタント として最有力候補でした。
こんな人におすすめ
- 無料でAIアシスタントを試してみたい方
- Copilotの導入コストが気になる方
- 学生エンジニア
11. Windsurf:聞きに行かずとも、その場所はAIの保護範囲
キャプション:Windsurfの紹介画面
使ってみた感想
- 無料 でも利用できますが、課金 することでさらに機能が拡張されます。
- Copilotでいうチャット機能に加え、エディタ内で画像添付、Web検索 まで可能というのは多機能でかなり嬉しいです。
- プロジェクトファイル を参照してアウトプットを生成できるのは、かなり視野が広いと感じます。
- アウトプットの質が使用するLLMモデルやプロジェクトによって千差万別なので、設定ファイルである程度のルール定義が重要だなと思いました。
- ターミナル・Git・プロジェクト全てのウィジェットを網羅的に自動操作できるので、そういう意味でもプロジェクト丸ごとAIの保護範囲にある感じがします。
- まだまだ機能を十分に使いこなせていない 部分もあるので、今後さらに試していきたいです。使い方次第で、かなり効率化できるように感じます。同じVSCode ForkのAI包含IDEとしては、Cursorが圧倒的に有名な気がするので、そちらも今度使ってみようと思います。
こんな人におすすめ
- 多機能なAI機能を持つIDEを使用したい方
- Github Copilotだと物足りない方
今後の展望とまとめ
業務利用やプロダクトへの組み込みを考えるなら、セキュリティ面の高さや他ツールとの連携のしやすさの観点で、信頼性の高い各クラウドベンダーが提供しているアプリ経由で主要LLMモデル(GPT、Claude、Geminiなど)を利用するのが堅実でしょう。
個人利用であれば、Felo がおすすめです。検索、チャット機能に加え、エージェント機能 も進化しており、国産 である点も安心感があります。
また今年2025年でいうと、特に自律型AIエージェント 系ツールの進化が目覚ましいです。Cline、Devin などの今後の動向に注目していきたいです。特にDevinは、そのうち試してみたいツールの一つです。(月8万円降ってこないかな…)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今回のレビュー記事が、あなたのAIツール選びの参考になれば幸いです。
ぜひ様々なAIツールを試して、みなさんにとっての適切な距離感や関係 を築いてください!