こんにちは、デザイン事業部の田邊です。
みなさんはGoogleの生成AI Geminiの「Canvas」機能をご存知ですか?
私はこの機能を使って資料作成等をすることもあります。
今年リリースされた機能ですが、あまり知られていない印象です。とても便利で面白い機能なので、今回はこちらを紹介できればと思います。

✅Canvas機能とは?

Geminiに聞くと次のような回答が返ってきました。

AIと共同で文書やコードを作成・編集するための、インタラクティブな作業スペースのことです。
一言でいうと、「AIと一緒に使える、賢いノートやホワイトボード」のようなものです。
AIが生成した文章やコードを、チャットの横に表示される専用の画面(Canvas)で、Wordのように直接手直しできます。これにより、AIとのやり取りを続けながら、リアルタイムで内容を修正・改善していくスムーズな共同作業が可能になります。

では実際にどのように使うのか、例として議事録作成をするケースで説明します。

✅補足:Geminiのモデルについて

Geminiにはいくつか頭脳モデルがあるのですが、そのうちCanvasは「Flash」「Pro」モデルで使用できます。

  • Flash:無料、速さと手軽さを求める場合に適している
  • Pro:有料、複雑で質の高いアウトプットを求める場合に適している

どちらもCanvas機能自体に差はありませんが、頭脳として働くAIモデルの能力の違いにより、出力結果が若干変わるようです。
今回は私がよく利用するProモデルで紹介します。

✅Canvas機能を使った議事録作成

まずは会議の文字起こしを用意します。以下はサンプルです。

2025年下期 デザイン事業部方針会議 議事録
日時: 2025年7月1日 10:00〜11:45
出席者: A部長、B、C、D
A部長:
はい、皆さん、お疲れ様です。今日は、下期の事業方針を決めるにあたって、僕らがずっと抱えている課題、「デザイナーが開発者としてどこまで関わるべきか」について、一度じっくり議論できればと思っています。この課題、上期も、いろんなプロジェクトで認識のズレがあったりして、効率に影響が出たと思うので。みんな、率直な意見を聞かせてください。
B:
はい。僕の意見としては、デザイナーが一定のコーディングスキルを持つことは、もはや必須だと考えています。特に、インタラクションが複雑なウェブサービスの場合、デザイン意図を正確に伝えるには、プロトタイプだけでは不十分で、フロントエンドの知識がないと、開発チームとの共通言語が持てないんです。
C:
うーん、それは分かります。でも、全員にそこまでのレベルを求めるのは、現実的ではないような気もします。・・・

次にこの内容をGeminiに貼り付けます。このとき送信前にCanvasをONにしてください。

その上で文字起こしを送信し、しばらくすると以下のようにまとめられた文書が表示されました。

ただの文字起こしから、見出しや表を使って視覚的にもわかりやすくまとめてくれました(必ずしも表などを使ってくれるわけではないので、あしからず)。

💡ただ注目すべき機能はここからになります。

画像右下にある3つのアイコンがあるのですが、こちらがかなりユニークな機能です。
これらは特定の文章に対し、Geminiに調整をしてもらえる機能になっています。

例えば、前段の「デザイナーがコーディングまで関わるべきか、という長年の課題。上期は、この認識のズレが原因でコミュニケーションロスや手戻りが発生していました。」という文章を選択します。
そしてトーンを「とてもフォーマルに」にすると、以下のように変換してくれました。

また「編集を提案」を選択すると、以下のような提案もしてくれます。

このように、文書のニュアンスやボリューム変更が簡単にできてしまうのです。

ちなみに作成された内容は、Googleドキュメントとして出力すること・内容をコピーしてどこかに転記する方法の2パターンが可能です。

✅まとめ

従来のチャット形式だと、複数箇所を調整するにはなかなか時間がかかってしまいましたが、Canvasを使用すればより効率的に編集することができます。
また個人的には色々な言い換えを見ることで学びになるのが1番の利点だと思っています。

そしてCanvasにはコード生成する機能もあり、そちらを使用した資料作成もかなり面白いです。
後編ではその内容について書いてみようと思いますので、ぜひご興味あれば覗いてみてください!