この記事では「画像生成」「音楽生成」「動画生成」の生成AIツールを使用することで、小規模事業者でも販促素材を自前で容易に用意できる時代になってきたことのご紹介と、難しい“呪文プロンプト”を覚えずに生成する方法を、実例を交えてお伝えする内容になっています。
是非、最後の謎アイドルが歌うPVまでお楽しみいただけますと幸いです。
“個人”にゲタを履かせる生成AIツール
街中のパン屋さんや最近流行りのキッチンカーなど、全国チェーン店にはない“個人技光る”個人経営店のコンセプトは魅力的です。一方でフランチャイズやチェーン店ならロイヤリティを支払うことで看板を手にでき、さらに本部からのプロ仕様の販促ポスターや宣伝画像を用意してくれるなど、PR面での優位性があります。
今回、題材とさせていただく個人経営店の「PR不足問題」は、予算や担当者も少ない地方自治体などでも同様の問題を抱えているのではないでしょうか?
しかし、安心してください!
AIは企業規模に関わらず平等にチカラを貸してくれます!
※筆者は非デザイナー
「小ロット販促」の夜明け ~プロンプトは覚えない!から始める~
販促物を外注する際、個人経営店などの小規模事業者のネックになるのが「小ロット」であること。
大量発注や大規模展開しない限り初期費用のコスパが良くないため諦めてしまいがち…
でも「小ロット」なら、自由に自前で生成AIとクリエイティブ制作するチャンスとも言えます。
もし、クリエイティブ系の生成AIを駆使するとなると「呪文プロンプト(AIへの複雑な指示)」などを勉強して覚えないと…と思って一歩が踏み出せないなら、そのハードルは「プロンプトを覚えなくていい」ことで超えて行きましょう!
実はハードルが年々低くなっています!
実践1:プロカメラマン撮影風に生成し直す
例えば、新商品スイーツ「ひとくちクラウドくん」を開発したとして、この商品をPRするための写真をスマホで撮影しますが…イマイチ写真…
こんなアングルやライティング下で撮影した写真では新商品の魅力が伝わりません!
そこで、画像生成AI(ここではGemini内の[画像を作成]を使用)にもと画像を添付して『この写真のスイーツをプロが撮影した美味しそうに見える画像にしてください』と要望を投げてみましょう。
すると…
アングルやライティング補正の他にお皿などまでがプロ品質!
さらに、以下の要望を投げてみました。
『この画像をもとに「通販用」「店頭ポスター用」「店頭用手書きポップ」の3つのクリエイティブを制作してください。商品名は「ひとくちクラウドくん」、値段は税込み380円。』

カンタンに3種類の販促画像が生成されました。
「ふわふわ、かわいい」や「店長おすすめ!」などAIが空気を読んで?勝手に追記していますが、もし気に入らない部分や店舗情報修正などが必要であれば、その文章を指定して変更案を投げて完成形へと仕上げましょう。
印刷はコンビニのマルチコピー機でフルカラー印刷すれば数百円で済むのでお得!
必要な時に必要な分を待たずに作成!
実践2:店内放送用オリジナルソングを生成する
ポスターやポップで視覚情報を押さえたなら“自動セールスマン”の店内放送用オリジナルソングを生成しましょう。店員ボイス吹き込みによる「呼び込み君(群馬電機株式会社)」もパンチがありますが、お店の雰囲気に合わせたさり気ないオリジナルソングは効果的です。
「そんな簡単にキャッチーなオリジナルソングができるわけが…」と思われた方!「Suno AI」などの音楽生成AIを使えば数分で完成します。
Suno AIはLyrics部分に歌詞を入力し、Styles部分にプロンプトを入力することでAIによる歌唱込みの楽曲を制作してくれる音楽生成AIツールなのですが、歌詞だけ書いてCreateボタンを押す“超お手軽”な制作方法も実は可能です。
Styles部分が空欄のままCreateボタンを押下!
“超お手軽”制作で完成した曲がコチラ
いかがでしょうか?作りたい楽曲の方向性に拘りがなければプロンプトを使わなくてもSuno AI側が歌詞の内容から空気を読んだ楽曲を生成してくれるのです。
歌詞をAIで作ることもできますが、新商品として伝えたいワードがあるなら自作で盛り込むのがオススメ。
(ちなみに、途中までしか歌詞ができてなくてもOKです。AIに『作業途中の歌詞をいい感じに最後まで仕上げて』と丸投げすれば完成してくれます!)
ちょっとした歌詞のコツとしては「くもくも もっくもっく~」のようなわかりやすくてリズミカルなワードを2回以上繰り返して歌詞に記載しておくと、Suno AIがいい感じでキャッチーに歌ってくれます!
今回、音楽生成AIとしてSuno AIを使いましたが他にもUdioやLyriaなどがあり、Geminiをご利用でしたら入力欄下の「音楽を作成」を選択して始めると踏み出しやすいかと思います。
何度リテイクしてもAIはへこたれない!
実践3:画像から動画を生成する
店内サイネージやレジに客面ディスプレイがあればアイドリング時にPR動画を流せますし、TikTok/Instagram/XなどのSNS展開もあるならSuno AIで作った曲の動画化もPR手段のひとつです。
動画化するには、画像生成AIで作った画像を動画生成AIに読み込ませて作るわけですが、動画生成AI側に他社の画像生成AIが組み込まれていることも多いため、1つのツールと契約するだけで「画像生成→動画生成」制作ができます。(ここでは動画生成AIツールのDomoAIで説明)
・一番シンプルな動画を作る方法
曲の尺分の動画を生成するのは難易度が高いので、楽な方法としては「ループ動画」を作ってしまう方法になります。(1つのループ動画を曲が終わるまで繰り返し再生するため)
下画像はDomoAIの例になりますが、選択/入力する箇所は黄色枠の部分のみになります。
ツールによりますがプロンプト入力は日本語でできるものも増えており、複雑なことをしなければ上記のような記入でもなんとかなります。
生成された動画を曲の終わりまで繰り返し、動画編集ツールで字幕を追加した動画がコチラ
・うまく行かない時は…
ChatGPTやGeminiに『お皿の上のふわふわお菓子が楽しそうにジャンプしているプロンプトを作って!』と丸投げすると、長文の英語プロンプトを表示してくれるのでそのままコピペしてみましょう。コピペしてもうまく行かない場合は、そのうまく行かなかった事象(ジャンプしなかったなど)を再度ChatGPTやGeminiに投げて成功に近づくまで対話を繰り返します。
(対人間でこのやりとりを繰り返されると嫌われやすいですが、…AIは何度泣きついても答えてくれます^^)
ちなみにテキストだけでなく、画像/動画解析も可能なので画像/動画を直接貼り付けて相談すると問題解決に至りやすいです。
予想外の生成が逆に良かったりすることも…
番外編:もはや生成AIは”想像創造ツール”
最後に“無茶ぶり”として、こんな指示(願い事?)をAIに投げてみました。
『このお菓子をイメージした、日本人のキャンペーンアイドルを生成してください』
こんな雑な一文で「謎アイドル」まで生成してくれました。
さらには頼んでいない「衣装」「セット」「ゆるキャラ」まで生成しちゃうAIの仕事マンぶりには参ります…
この生成画像を見た瞬間、私のココロに“モエる炎”が点火!
はい、もう勝手にAIに煽られた感じになった非デザイナーの私は… “P気分”でこの画像と先に作った素材などから、新たな動画シーンをDomoAIで追加生成してPV制作した結果がコチラ ※記事容量制限の関係で画質を落としています
完全に趣味に走ってる気がしなくもないですが、スタジオやセットなしでここまでできちゃう時代…
DomoAIにはリップシンク(音声に合わせて口パクする「AIアバター」)機能があるので、しっかりとオリジナルソングに合わせて動画の中で歌ってくれました。追加シーンでは「ゆるキャラ」をジャンプダンスさせてみたりと…PV初挑戦でしたが意外とそれっぽいPVが完成しました。(このあたりの制作過程に需要があれば別記事にしますね)
さすがに字幕や各シーンの繋ぎエフェクトなどは動画編集ツールの力を借りて編集対応しましたが、昨今ではこの動画編集機能も生成AIがやってくれる全自動PVツールも出始めていますので、動画編集ツールが苦手な方には今後もAIが強い味方になることでしょう。
尚、動画生成AIはDomoAI以外に Runway ML / Google Veo / Kling AI など様々なツールがリリースされており、数か月で優劣が入れ替わる“日進月歩”が激しいため本記事内ではツールの優劣は語りませんが、ツールによっては無料プランもありますのでまずは触ってみることから始めましょう。
(今回DomoAIを使ったのは、日本語使用可能&全体的にコスパが良かったため)
クリエイティブ活用にも生成AIとスクラム!
最後に…
以上『生成AIで新商品の販促素材を制作したら、謎アイドルが歌うPVまでできあがってしまった件』をお送りしました。販促素材やPV制作などは専門職スキルが必要なので、今までは「費用」や「時間」の観点から諦めていた個人/小規模事業者も多いかと思いますが、生成AIによってその障壁は取り除かれました。
あとは「やる!」か「やらない!」かだけです。商品サービスに自信があるなら是非「やる!」を選択してアピールして行きましょう!
とりあえず…その写真で損してるメニュー画像から始めませんか?
(ご近所の定食屋さんに…私は言いたい…)
※画像は架空のメニュー画像です^^
各種生成AIツールを実際の販促物やビジネス(商用)で利用する際は、必ず各ツールの利用規約を確認し、商用利用が認められているプラン(Suno AIの有料プランなど)を契約した上でご利用ください。
※AIで人物を生成する際は、実在の人物に似すぎてしまわないよう、何度かリテイク(再生成)して確認するなどの配慮も大切です