こんにちは、DX開発事業部の川上この実です。
この記事ではGoogle Cloud Next Tokyo 26で参加したセッションの中から、「Google Maps Platform と BigQuery が拓く地理空間データ分析最前線」についてレポートします。

セッションの概要

新たに BigQuery から解析対象としてお使いいただけるようになった Google Maps Platform の新しいデータセットである、Places Insights、Street View Insights、Roads Management Insights の各種地理空間データセットが、各業界にどのような新しい価値を提供してきているか事例やデモを交えご紹介します。小売業における店舗戦略、不動産や旅行業界におけるエリア検索体験の向上、公共における道路計画や機器メンテナンスにおける活用、など業界を跨いで広がるユースケースをお時間の許す限りご紹介します。

(※公式ページより引用)

スピーカーGoogle Cloud 勝谷北斗 様

日時・会場Day1(7月30日)16:00 – 16:30 ・Room 1

セッションIDD1-DA-06

Google Mapsの20年間

サービス開始から昨年で20周年を迎え、Google Mapsは世界の地理情報を支えるインフラとなっています。
皆さんも一度は利用したことがあるのではないでしょうか。

Google Mapsは1日あたり100ミリオン(約1億)件、1分あたり約6万件という驚異的なペースでアップデートが加えられ続けています。
これまで、渋滞予測やルート探索の最適化には、その裏側でAIが活用されてきました。
一方で、デベロッパーがこれらのAI機能を直接カスタマイズして組み込むことは難しい状況でした。

最近のGoogle Maps事情

4つのサービスからGoogle Mapsの進化を説明していきます。

①Maps Grounding Lite

任意のLLMと統合することが可能です。
また、複雑・曖昧な要求に対しても文脈を理解して回答を作成します。

②Places Insights

3億を超えるPOI(Point of Interest:店舗や施設情報など)の分析が可能です。
480種類以上の詳細な業種カテゴリ(例:イタリアンレストラン)に加え、営業時間、価格帯、評価などの70種類を超える属性情報に基づいて指定されたエリア内の場所に関する情報を提供するデータセットです。

さらに、Gemini Enterpriseを利用することで、非エンジニアの方でも分析が可能です。

③Street View Insights

ストリートビューの画像をBigQueryで解析することができます。
電柱や道路標識などの劣化度合いなどを自動判定し、現地に行かずとも点検を行うことも可能です。

Street View Insightsには4つの活用方法があります。
CroppedおよびFull Frameは現在も提供されており、電柱や道路標識など特定のオブジェクトの位置情報や切り出し画像をAIモデルで解析します。

Panoramicは検証中ですが、5m間隔のパノラマ画像から街路樹やバス停などの構造物を把握します。
LiDARも検証中ですが、3D点群データを活用し、面積や距離の計算を行います。

④Roads Management Insights(RMI)

約2分間隔のストリームデータがBigQueryに入り、イベントや混雑をリアルタイムで監視します。
また、過去の蓄積データから渋滞ホットスポットを予測し、予期せぬ交通トラブルの検知、防災対策などに対応します。

ユースケース

一言で言うと、「場所の最適化」です。
具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 新規出店における候補選択の一次スクリーニング
  • 既存店舗の中身を周辺環境に合わせる
  • 加盟店営業があるような業種で注力すべき営業エリアを見つける

まとめ

今回のセッションに関するポイントを3つにまとめました。

  • 地図アプリから分析プラットフォームへ進化している
  • AIとBigQueryの統合で誰でも高度な分析が可能になった
  • 場所の最適化は様々な価値をもたらす

最後に

Google Mapsは私もよく利用するサービスですが、1日に100ミリオンもアップデートがされているのは驚きました!
特に面白いと感じたのは、マップのデータ上で現地の点検や周囲の環境調査が完結するという点です。
これまでは作業員の方々が現地へ足を運んで劣化の有無を確認していましたが、Street Viewの画像とAIによって自動判定できるのは非常に画期的だと思います。

また、リアルタイムで混雑度がわかったら面白そうなんて思ったりもしました。
Roads Management InsightsのデータとAIエージェントを連携させれば、「今はAパークが混雑しているから、空いているBカフェで休憩し、空き始める夕方にAパークへ行く」といった最適な旅行プランを組めるのかなと。
Google Mapsのデータから生まれる価値の可能性は広がっていると感じました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!