こんにちは!
DX開発事業部 コ・クリエーションセクションビジネスソリューショングループ所属の戸塚晴菜です。

東京ビッグサイトで開催された国内最大級のクラウドイベント「Google Cloud Next Tokyo ’26」に参加してきました!🇯🇵

会場はたくさんのGoogle Cloudファンの方々の熱気に満ちあふれていて、次々と発表されるGoogle Cloudの技術にとてもワクワクしました!

本記事では、新卒2年目の私が特に興味を持ったセッション「データ活用をより手軽に、効率よく!BigQuery を強化する AI エージェント」についてご紹介します。

今年のNext Tokyoってどんな雰囲気だったの?という方や、これからアーカイブ動画を視聴する方に向けて、会場で得た熱量と情報をお届けできたら嬉しいです!

セッション詳細

まずは、今回参加したセッションをご紹介します!

セッションタイトル
「データ活用をより手軽に、効率よく!BigQuery を強化する AI エージェント」
〜データに関わるビジネスユーザー、データサイエンティスト、そしてデータエンジニアの3つの職種に向けて、それぞれ専用のAIエージェントがどのように業務を変革するのか。〜

実務的な視点、現場でどう使えるか?も交えながら、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

BigQueryは「自律型AIプラットフォーム」へ

今回のセッションにおける最大のハイライトは、BigQueryがAIによる自律的なデータ探索、予測モデル構築、そしてパイプライン生成を直接実行するプラットフォームとなった点です。

会場では、データ活用に関わる3つのターゲット層に合わせて、次のような専用AIエージェントが発表されました。

ターゲット層 提供される主な機能・エージェント 解決する課題・提供価値
ビジネス部門 AIアナリスト
(チャット形式でのデータ分析)
SQL知識なしで、自然言語によるデータ探索・視覚化を実現。SQL内でのAI関数活用。
データサイエンティスト データサイエンスエージェント
(Pythonノートブック連携)
自然言語指示(バイブコーディング)により、データ探索からモデル構築・評価までを自律実行。
データエンジニア データエンジニアリングエージェント
(Dataform連携)
GUIとコードの双方向リアルタイム同期によるパイプライン自動構築・リファクタリング。

1. ビジネス部門向け:「AIアナリスト」によるSQLフリーの対話型分析

従来、ビジネス部門の担当者が「先月の売上データが欲しい」「特定商品の返品率を把握したい」と考えた場合、エンジニアやデータアナリストへSQLの抽出依頼を出す必要がありました。

しかし「AIアナリスト」の導入により、コンソール上のチャット画面から自然言語で質問するだけで、BigQuery内のデータ分析からグラフ描画までが即座に完了します。

わずか3分で試せるセットアップと柔軟なチューニング

AIアナリストの初期設定はスムーズで、最短3分程度でテスト運用が可能です。さらに実用に耐えうる精度へ引き上げるためのチューニング構造も整備されています。

  1. 目的・説明の入力:「ECサイトの売上やユーザーデータに関する質問に答えるAI」といった役割を定義。
  2. ナレッジソースの紐付け:対象となるデータテーブル(注文履歴、顧客情報など)をアタッチ。
  3. ビジネス精度を高めるチューニング
    • 適切なカラム名が設定されたテーブルの準備
    • 事前指示(システムプロンプト)による回答スタイルの制御
    • お手本となる実用SQL(Few-shot)の登録
    • 社内固有のビジネス用語定義(ハルシネーションの防止)

文脈を維持した対話分析とエディタ連携

「先月の売上トップ5の商品を教えて」と入力すると、AIが即座にクエリを組み立てて集計結果を返します。特筆すべきは対話の文脈を保持できる点です。

続けて「そのうち返品された割合は?」と質問しても、前の条件を引き継いだまま深掘り分析が行われます。

分析結果から「売上成長の要因」などのインサイトを文章やグラフで自動出力する機能に加え、生成されたSQLを「直接BigQueryのエディタで開いて確認・修正する」ことも可能です。透明性とカスタマイズ性がしっかり確保されています。

SQL内でダイレクトに機能する最新の「AI関数」

テキストデータなどの非構造化データをクエリ上で直接処理・分析できる組み込み型AI関数も大幅に拡張されています。

  • AI.KEY_DRIVERS: 売上や解約などに寄与する主要因の抽出
  • AI.IF: 条件に応じた柔軟なロジック判定
  • AI.SCORE / AI.CLASSIFY: データの信頼度スコアリングや自動分類
  • AI.SIMILARITY: テキストやベクトルの類似度判定
  • AI.SEARCH: 高度なセマンティック検索

これにより、「顧客クチコミのうち、ポジティブな書き込みは何件あるか?」といった感情分析タスクも、標準的なSQLステートメントのみで完結します。

新卒2年目として働く私から見ても、社内の非エンジニアの方や業務に慣れていない新卒メンバーにとって、これは非常に助かる機能だと感じました!

これまでは「データを確認したくてもSQLが書けない」「忙しそうな先輩に毎回抽出を依頼するのは気が引ける」といった理由で、非エンジニアの方が知りたい情報にたどり着くまでに時間がかかってしまう場面をよく見てきました。

AIアナリストがあれば、専門知識がなくても普段使っている言葉で直接データにアクセスできるようになります!

エンジニアの手を止めずにご自身でスムーズにデータを調べられるようになるため、組織全体の意思決定や業務のスピード感が一気に上がると期待しています。

2. データサイエンティスト向け:「データサイエンスエージェント」

データサイエンス業務においては、前処理(データクレンジング)や探索的データ分析(EDA)といった下準備に多くの時間が費やされます。

BigQueryに統合されたPythonノートブック上で動作する「データサイエンスエージェント」は、このプロセスを一変させます。

自然言語で自律駆動する「バイブコーディング」

「顧客マスタと売上履歴から、顧客をクラスタリング(グループ分け)して」といった大まかな指示をプロンプトに入力するだけで、Geminiモデルをベースとしたエージェントが以下の工程を自律的に進行します。

  1. データ構造の理解と探索(EDA)
  2. データクレンジング(欠損値処理・異体字の補正)
  3. 特徴量エンジニアリング(RFM分析や購買傾向の抽出)
  4. データの統合および可視化・評価

処理の途中に人間の「承認ステップ」を挟むハンドオフ設計となっているため、プロセスがブラックボックス化することなく、安心して自動化のメリットを享受できます。

顧客タグ付けの自動化と最新モデル連携

セッション内で紹介されたデモの中で特に実効性を感じたのが「自動顧客タグ付け」です。

AIに対してタグ提案を指示するだけで、「20代 / 夕方来店 / 一人暮らし」「VIP顧客 / 夜間購入」といった多角的な顧客属性タグを約50種類自動定義し、実際のデータセットへ付与・集計までを一括処理します。

さらに、Googleの最新時系列予測モデル「TimesFM」などの高度なAIモデルもBigQueryから直接呼び出せるため、需要予測や異常検知といった高度な分析のハードルが大きく下がっています。

チャットで対話しながらコードを生成して進める開発スタイルが、データサイエンスの分野でも一気に身近になったと感じました!

特に時間のかかりがちなデータの前処理や、特徴量の初期案づくりをAIが自動で進めてくれるため、本来集中したいモデルの構築にすぐ着手できるようになります。

ゼロからコードを書くのではなく、AIが作ったベースを人間が確認・調整して仕上げていく開発方法が、これからの標準になっていくと実感しました!

3. データエンジニア向け:「データエンジニアリングエージェント」

複雑化・巨大化したデータパイプラインの構築や維持管理は、データエンジニアにとって常に大きな負荷となります。この領域を劇的に効率化するのが「データエンジニアリングエージェント(Dataform × AI)」です。

メダリオンアーキテクチャの構築支援

ローデータを取り込む「ブロンズ層」、クレンジングを行う「シルバー層」、ビジネス分析用に最適化する「ゴールド層」へとデータを段階的に変換・集約するレイヤー構造(メダリオンアーキテクチャ)を、AIとの対話を通してスムーズに構築可能です。

GUIとコードの「リアルタイム双方向同期」

「データ変換パイプラインを作成して」と依頼すると、処理ノードが視覚的に結合されたDAG形式のGUIキャンバスが生成されます。

画期的なのは、GUI上で行った操作が裏側のコード(Dataform / SQLX)へ即座に反映され、逆にコード側の修正もリアルタイムでGUIに更新される「完全双方向連動」を実現している点です。

「注文数が20回以上かつ返品率30%以上の『高リスク顧客』を抽出するビューを追加して」といった追加要件を自然言語で指示すれば、新たな処理ノードの作成から構文検証・コンパイルまでを自動で完結してくれます。

既存レガシーパイプラインのリファクタリング

長年運用されてブラックボックス化したレガシーなSQLやパイプラインの修正・再構築においても威力を発揮します。

Dataformによるコードベース管理と組み合わせることで、「この複雑なパイプラインを最適化して構造を整理して」と指示するだけで、AIが依存関係を解読し、リファクタリングやパフォーマンスチューニングを短時間で実行します。

既存システムの保守や、古いコードの改修において、とても活用しやすい機能だと感じました!

誰がどういう意図で作ったのか分からない複雑なSQLを読み解くのは、普段とても時間がかかる作業です。

ですが、AIがコードを解析して分かりやすく図解してくれることで、その負担が大きく減ります!

画面上の図で処理の流れを視覚的に把握しつつ、裏側ではきちんとコードとして管理ができるため、チーム内でのコードレビューや他のメンバーへの引き継ぎもスムーズに行えるようになると感じました。

まとめ

今回のセッションを通じて、これからのBigQueryは単なる「データを溜めて検索する場所」ではなく、「AIと一緒にデータを分析して活用していくためのプラットフォーム」に大きく変わっていくと実感しました!

AIエージェントがサポートしてくれることで、SQLやPythonといった専門知識のハードルが下がり、ビジネス部門、データサイエンティスト、エンジニアの全員が同じデータ基盤の上でスムーズに協力できるようになりそうですね!✨

Google Cloudのコンソール画面には、すでにこうしたAI機能が追加され始めています。

まずは日々のちょっとしたデータ抽出の依頼や、手作業でやっているデータ整形の自動化といった身近なところから、ぜひ皆さんもAIエージェントの便利さを体験してみてください!