はじめに
こんにちは!DX開発事業部の大山です!
東京ビッグサイトで、7/30 (木)、7/31 (金) に開催された Google Cloud Next Tokyo 2026 に初めて参加してきました!
Google Cloud Next ではセッション会場にて、各企業の方々から Google Cloud を活用した事例や知見などの貴重なお話を聞くことができます。
今回は、私が聴講した中から一つのセッションについてレポートしたいと思います!
セッション概要

タイトル:ユーザベース流マルチエージェント開発と Gemini Enterprise(ユーザーベース)
スピーカー:林 尚之 氏(株式会社ユーザベース)
マルチエージェント開発と組織論
今回のセッションでは、マルチエージェント開発における「アーキテクチャの進化プロセス」と「組織論」の融合についてフェーズとともに話されていました。

Phase 0:導入
最初の段階では、とてもシンプルな流れだったそうです。クライアントの入力を解釈し、その解釈に沿って検索を実行、取得した情報を要約して出力するという処理でした。

Phase 1:自己修復ループの導入
人間と同じようにAIにもフィードバックが重要であり、AIに自己修復させる仕組みを導入することで、AI自身でフィードバックさせ、不足情報などを再取得できるようになると話されてました。

Phase 2:「専門家(Core)Agent」の独立
多様な要望が急増する中で、毎回ゼロから開発してしまう「車輪の再開発」が発生しており、それを抑制する必要性が出てきたそうです。解決策として以下を話されていました。
(解決策)
- 共通処理を「専門家(Core)Agent」として切り出し:再利用可能
- 各ユースケースのエージェントのA2A(Agent-to-Agent)通信:Agent同士が互いに協力し合う関係性の構築

分散することで利点もありますが、新たな課題も出現します。
- マネージャーAgentの肥大化:管理・制御を担うAgentがボトルネック化
- 指示系統の密結合:「いつ、誰が、どうする」などの全通信の把握・制御

上記の課題より、転換点となったそうです。
実は、システムを複雑にしているのは各エージェントへの「細かな指示(マイクロマネジメント)では?」という発見があったそうです。
したがって、固定の管理職を置かないというフラットな自律型開発体制であるプロダクトチームの「リーダー不在 XP組織」という文化をシステムに当てはめることに繋がったそうです。

Phase 3:自己組織化 – 「指示」から「自律」
Phase3で「リーダー不在 XP組織」の取り入れ方について話されていました。
自律化への4ステップとして以下が紹介されました。
- ストーリー化:Agentが理解可能な達成すべき個別のストーリーに構造分解
- カンバン:「ストーリー」を全Agentが閲覧可能な共有スペースに配置
- 挙手:Roleを定義されたAgentが自らタスクを受諾
- 動的な役割決定:固定マネージャーを排除、自律的な協調をもとにアウトプット
上記ステップを経ることで、固定マネージャーが指示を出すのではなく、タスクを「ストーリー」に分解して「カンバン」に並べ、各専門Agentが自発的に「挙手」して作業を引き受けるという、自己組織化へと進化する仕組みが語られていました。

加えて、「コンウェイの法則(システム設計は、組織のコミュニケーション構造を投影する)」が紹介されました。自律とフラットを追求するプロダクトチームの文化があったからこそ、このリーダー不在のエージェント自己組織化モデルが自然にフィットしたのだそうです。

学んだこと
今回のセッションを聴講して、エージェントを利用することが増えてきた現在、単なる「プロンプトエンジニアリング」の枠を超え、複数のエージェントに専門的な役割を与えることやエージェントの組織をどう構築するのかが重要であると実感しました。
AIエージェントが自律できるようになることで、人間の組織論を当てはめることができるという気づきは、とても面白い視点でした。
組織論やフィードバックの仕組みをAIのアーキテクチャに当てはめることで、複雑な業務でも自律的かつ高精度にこなせるようになるというのは大変興味深かったです。
今回聴講したセッションは、今後エージェントをどんどん活用していく我々にとって、非常に重要な視点だと感じました。
おわりに
Google Cloud Next Tokyo 2026 に参加して、聴講できてよかったです。事例について、どういう目的で課題と向き合い、どう解決したのかについてお聞きすることができました。
一点、今後参加される方へのアドバイスとして「セッションの事前予約は早めに行うこと」を強くおすすめします!会場のセッションは聴講人数が制限されており、人気のテーマはあっという間に予約で埋まってしまいます。今回も満席で聴講できなかった魅力的なセッションがいくつもあったため、次回は私も早めにスケジュールを組んで挑みたいと思います。
初めて参加したGoogle Cloud Nextでしたが、とても貴重な体験でした。ぜひ次回も参加したいと思います!