Cloud Run の統合のプレビューリリースが行われました

2023/09/21 に Cloud Run が他サービスとの連携がより行いやすくなる機能の統合がプレビューですがリリースされました。

Cloud Run の統合とは

ドキュメントから読み取れる範囲ですと、この統合により各 Google Cloud のサービスと接続することが容易になります。
今回のプレビューでは3サービスほど可能になっていたので、その対象と統合という機能での内容を見ていきます。

統合によりどのようなことができるか

対象の確認

対象のサービスは以下となっております。
Cloud Run 統合の3サービス

統合を行う場合の手順についてみていきます。

統合の手順を確認

当該機能でサンプルとして Redis を選択すると、以下のような画面へ遷移しました。
Cloud Run 統合の確認

「必要なAPI有効化」箇所を見るとわかりますが、今回の場合、一部の API の有効化が足りていないという指摘があります。それにより、そもそも当該機能を利用した設定自体できない状態でした。
有効化しておくと以下の通り、必要なAPIの有効化という項目もでずに、設定が可能な状態でした。
Cloud Run 統合実行

これらを見ていると、どうやら今まで1つ1つ設定した箇所を一括で設定でき、選択した Cloud Run のサービスでまさに容易に統合できるようになっています。

今回プレビューで利用可能な3つの統合

3つの統合について注意事項もドキュメントに記載があったので、統合までにどこまで設定しておけばよいのか、統合の注意事項、条件を見ていきます。

Redis – Google Cloud Memorystore

制限事項を確認すると、対象リージョン、デフォルトがレガシーネットワークだとNG、Compute Engine のデフォルトのサービス アカウントの権限を借用する権限が必要、という注意事項があります。
古いプロジェクトだとデフォルトVPCがレガシーネットワークの可能性があるので試せないので、その点確認が必要です。
あとは手順を見たところ、VPCを選ぶようなところもないので、デフォルトVPCに対して、サーバーレス VPC コネクタが作成され、その NW を承認済みネットワークとして Memorysotre への接続が可能になります。
この点をカスタマイズしたいような要望がある場合、手動で従来どおりに作成する必要がありそうです。
※例えばパブリックIPを付与しないような場合はこの機能では対応できなさそうです

global external Application Load Balancer にカスタム ドメインをマッピング

こちらにも同様に制限事項があります。
Memorystore と異なり、事前に設定する必要がある点が始める前に記載があります。内容としては以下2点となります。

  • Cloud Run サービスを動かしておく
  • Cloud Run のサービスのDNS変更ができる権限があることを確認しておく

手順をみたところ、ドメインとそのドメインにマッピングするパス、サービスを選択するくらいで、ロードバランサーの作成や、DNSへ登録するのに必要な情報の生成、SSL証明書のプロビジョニング等の以下画像のリソース作成が行われるため、たしかに容易に設定できそうだな、と感じました。
Cloud Run LB 統合

Firebase Hosting

こちらも同様に制限事項がありますが、記載内容は変わりません。
また始める前にの記載もありますが、対象の Cloud Run のサービスを動かしておく必要があります。

手順を見たところ、Firebase Hosting との統合がボタン一つで容易にできることがわかります。
Cloud Run Firebase Hosting 統合
試しに行ったところ、以下のように Hosting 側にもデプロイされました。
Cloud Run の Firebase Hosting 統合結果

所感

今回は対象の3つの内容に関して統合時の内容を確認してみました。
IaC を利用してすでに構築しているような人や、やりたいことが明確にあり詳細の設定変更を行いたい方には特に必要な機能だとは感じませんでした。
ただ、開発者の方でインフラの有識者でない方や、 Google Cloud の他サービスの作成方法を学ぶコストを短縮して、構築したいような方には、良い内容であり、 Cloud Run が選択されるケースが増えるような嬉しい機能だと感じました。
まだプレビュー機能となりますが、GA後の内容や、今後のアップデートで細やかな部分もオプションなどで設定できるようになると、より利用の幅が広がるように感じました。