はじめに
2025年5月15日、Google CloudからGenerative AI Leader認定資格試験がGA(一般提供開始)されました。
私はこの資格のGA初日に最速受験してきました。
この記事では、実際に試験を受けた体験とともに以下の内容を解説します。
- 試験の概要
- 試験ガイド
- 出題範囲と傾向
- 学習方法
Generative AI Leader試験を検討している方の参考になれば幸いです。
Generative AI Leader認定資格とは
Generative AI Leaderは、Google Cloudが提供するビジネス視点での生成AIに関する認定資格です。
そのため技術職だけでなく、ビジネスマネージャーやAI戦略担当など生成AIを活用する全てのロールを対象とした資格といえます。
この試験の目的は、以下のように整理できます。
生成AIを活用したビジネス変革を戦略的にリードし、Google Cloudのソリューションを効果的に用いてイノベーションを推進できる人材を認定する
試験概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 90分 |
問題数 | 50~60問の多肢選択式問題 |
試験方法 | オンライン監督 または テストセンター |
言語 | 英語 |
登録料 | USD 99 + 税 |
有効期限 | 3年 |
前提条件 | 特になし |
更新方法 | 有効期限の60日前から更新試験または再試験 |
試験ガイド(出題範囲のAI要約)
Google Cloud認定資格では試験ガイドが公開されてますのでAIで要約した内容を記載します。
1 gen AIの基礎(約30%)
- AI / 機械学習 / LLM / Diffusion model / Foundation model など基本概念
- 機械学習のライフサイクルとGoogle Cloudの関連サービス
- gen AIのビジネス活用(文章生成・画像生成・コード生成など)
- データ品質・データ分類(構造化/非構造化・ラベル有無)
- GoogleのFoundation Model(Gemini, Gemma, Imagen, Veo)の活用事例
2 Google Cloudのgen AIサービス(約35%)
- GoogleのAIファースト戦略とAIエコシステムの強み
- Gemini, Gemini Advanced, Agentspace, Gemini for Workspace
- Vertex AI、Vertex AI Agent Builder、Cloud NotebookLM API など
- Google CloudのRAG(retrieval-augmented generation)機能
- AIエージェントが使うツールやAPI群(Speech-to-Text, Translation, Vision API など)
3 gen AIモデルの出力改善手法(約20%)
- Foundation modelの制約(バイアス、幻覚、エッジケース等)
- Google推奨の対策(RAG、prompt engineering、fine-tuning、HITLなど)
- Prompt engineering手法(zero-shot, few-shot, role prompting等)
- Groundingの概念とGoogleのgroundingサービス(RAG API, Google Search等)
- sampling parameter(token数, temperature, top-p など)の制御
4 成功するgen AIソリューションのビジネス戦略(約15%)
- gen AI導入プロセスと選定ポイント
- Google Secure AI Framework (SAIF) によるセキュリティ
- Responsible AI(データの公平性・バイアス・説明責任・プライバシー等)
各章の詳細な情報は試験ガイドをご確認ください。
出題範囲と出題傾向
出題の全体感
- 技術者向けというよりビジネス寄りで、Google のAIサービスをどのようにビジネスに組み込んでいくかという観点が重要になります。
- そのため用語理解とユースケースとのマッチングがカギとなってきます。
出題テーマ
- 実際の問題は受験ポリシーにより口外できませんので、試験ガイドを基にどんなテーマを押さえておくべきかをまとめました。
出題テーマ | 内容 |
---|---|
gen AIの基礎 | Foundation model、Gemini、Gemmaの違いなど |
Google Cloud製品 | Vertex AIとVertex AI Searchの違い、Google AI Studioなど |
gen AIのビジネス活用 | エージェントの活用パターン、AI導入のステップ |
Responsible AI | Fairness、Bias、Explainabilityの定義 |
Prompt Engineering | few-shot promptingの具体例、他のプロンプト手法との使い分け |
実際の印象
- 概念理解+ビジネスユースケースが中心と思います。
- 普段からGoogleのAI関連サービス(Gemini, Vertex AI, NotebookLMなど)を使っている方は対策がしやすいと思います。
- Machine Learningの基礎知識は多少求められますが、アルゴリズムやモデル構造などAIに関する深い知識を問う試験ではなく、あくまで 「ビジネスでどのように活用するか」 が問われる試験です。
- 2025年5月時点では 英語試験のみ なのでAI用語(LLM, RAG, grounding, foundation model など)の理解は事前に押さえておくと、問題文を見ても慌てずに対応できるはずです。
Gemini × NotebookLMで壁打ち学習
私はGeminiアプリとNotebookLMを活用して、試験対策を行いました。
学習の流れ
- NotebookLMに試験ガイドを読みこませて、概要把握と理解の抜けを確認
- NotebookLMやGeminiアプリに 「この用語の意味は?」 と投げて用語確認
- 公式のサンプル問題を使って実践問題演習
- 不明点はその場でGeminiに壁打ち質問
- 押さえておくべきだと感じた内容はNotebookLMでメモを追加
- Geminiアプリに試験ガイドとサンプル問題を渡して、試験対策用の問題を作成してもらって問題演習
この方法で認定試験がGAされた初日に見事合格することができました。
※私はMachine Learningの認定資格を含め、他のGoogle Cloud資格も取得済みのためある程度の前提知識はありましたが、初学者でも基本的に上記のやり方で十分対策できる難易度と思います。
この Gemini + NotebookLM 壁打ち法 は「最短で効率よく試験範囲を網羅」する上で最高の学習手段でした。
AI相手なので好きな時に質問&復習でき、これから受験される方には圧倒的におすすめです!
また試験の出題範囲のサービスですので同時に試すことができるので一石二鳥です。
その他の学習リソース
おまけ:NotebookLMの「音声概要」機能がすごい!🎧
今回はGoogleのNotebookLMというAIツールを使ってみたんですが、その中にある「音声概要」機能が非常に便利でした。
この機能は、アップロードした資料に基づいて2人の会話形式で音声を生成してくれるというもの。
難しい用語や抽象的な概念が多い試験ガイドでも、音声で聞くとかなり理解しやすくなります。まるでセミナーを聞いているような感覚で学べるので、移動中やスキマ時間の学習にもおすすめです。
ポイント
- 対話形式で自然な抑揚がついており、聞きやすい
- 難しい内容もやさしい言葉で補足してくれる
- 無料のNotebookLMでも使える!
さいごに
Google CloudのGenerative AI Leader試験の受験体験を最速でお届けしました。
難易度はそこまで高くありませんが、用語・サービスの理解とビジネスにおけるAI活用の視点が必要です。
この記事がみなさんの受験・学習の参考になれば嬉しいです。