はじめに
Cloud Storage に対して、2024年3月に削除(復元可能)(soft delete policy)の機能が追加されました。
なお、この削除(復元可能)機能に対して、現在は無料期間であるため、復元時のオペレーション費用のみが加算されますが、それの無料利用期間が終わる2024年8月31日を過ぎると、削除(復元可能)機能での保持している期間もオブジェクト費用が加算されます。
今回はその事象を回避ないし、調査及び対応するための削除(復元可能)機能をバケットを対象に管理し、一括で無効化する機能が追加されましたので、見ていきたいと思います。
注意事項(費用について)
もう既に書いてしまっていますが、削除(復元可能)機能は、現時点では7日間であれば、無償です。そしてそれより期間を超過した設定をする場合は有償となります。
なお、この課金形態はは2024年3月から2024年8月31日のプロモーション期間によるものであるため、その期間以降はデフォルトの期間の7日間であっても有償となります。
デフォルトで有効となり、7日間で設定されるものであることから、費用が加算されるものであることから当該機能が不要な場合、2024年8月25日までに削除(復元可能)機能を無効化する必要がありますので、必ずご確認ください。
既存のストレージの利用用途を加味し、無料期間中に検討することをおすすめします。
削除(復元可能)機能とは
Cloud Storage の機能として、2024年3月から削除(復元可能)機能がデフォルトで設定されています。
その機能自体は優秀で、利用することで、削除(復元可能)機能で設定された期間中は、削除したオブジェクト及びバケットを、復元可能な状態として論理削除せずに保持されます。
そのため、誤って削除した場合、その期間はオブジェクト及びバケットの復元が可能になります。良き!
アップデート内容
今回は 2024年7月2日のアップデートで、削除(復元可能)機能が設定された対象バケットに対して、削除(復元可能)の状態を管理したり、複数バケットに対して一括で無効化することが可能になりました。
管理機能としては、バケット単位で削除(復元可能)機能が適用されたオブジェクトのバイト数や、削除(復元可能)機能の設定期間、などが確認可能且つ、その内容でソートすることが可能であるため、大きいバイト数順に並べて、トップ3のバケットの削除(復元可能)機能を一括で無効化することも可能です。
削除(復元可能)機能の良いところ
誤って削除したものを復元できるのは良い機能であり、オペレーションミスの対応としても良いかと思います。
削除(復元可能)機能で考えたいところ
要件や利用用途に応じて、設定内容は検討が必要かと思います。
デフォルト7日間なので、そのまま、というのは削除トラブルの回避としては有効です。
ただ用途次第で、直接ストレージ内のオブジェクトを操作しないケースもあると思うので、そういった場合は不要なケースも出てくるかと思います。
混同してしまいがちですが、バックアップ目的であれば、必要に応じてバージョニングを利用したり、データの可用性と耐久性を確認し方法を検討することをおすすめします。
今回のアップデートで良いところ
ストレージの扱いによって(毎日更新や削除があるもの)は、想定外の費用がかかっているというケースがでてきそうです。
そういったケースで削除(復元可能)機能が適用されたバケットの状態(どれくらいそれによって容量を要しているか)をプロジェクト内バケットすべての状態を閲覧することができるのは良いと思いました。
バケットの用途に応じて期間やそもそもの無効化など検討するのに、必要な機能だと思います。
また既に記載していますが、容量順にバケットをソートできるため、上位から順に確認するような場合も非常に有用です。
設定画面をみてみよう
削除(復元可能)機能画面
こちら2024年3月以前から存在していたバケットなのですが、冒頭で記載した、機能がリリースされた、2024年3月1日から有効になっており、デフォルトの7日間で設定されています。
今回のアップデートにより表示された画面
Cloud Storage の画面から順に[設定]-[削除(復元可能)]のように遷移するとたどり着けます。
こちらから、バイト数などを確認し、状態を確認できます。
また□部分を選択し、TURN OFF SOFT DELETE にて削除(復元可能)機能の無効化が可能です。
復元の費用の管理 という名称なので、記載した通り、容量によるソートや、設定、容量の確認などの管理が主で、併せて必要に応じた一括での無効化が可能という機能のように感じました。
まとめ
2024年3月に、Cloud Storage の設定時に考慮する内容と料金面で影響がありそうな機能がリリースされていました。
そして、今回はその削除(復元可能)機能が適用されたバケットの状態を管理し、費用や用途を加味して、削除(復元可能)期間及び無効化を検討するのに有用な機能がリリースされたと思います。
また今時点の検討だけでなく、運用開始後の想定外費用発生時の調査の容易性も向上したと思います。
冒頭にも記載ししつこいですが、無料期間中に検討は行い、不要であれば無効化を随時進めていきたいと思います。
上記のブログ内では触れませんでしたが、Google Cloud のブログに、記載した説明を始めとした、削除(復元可能)機能の説明と、Terraform のサンプルコード、しきい値を設けた削除(復元可能)機能の無効化スクリプトなどもサンプルとして公開されておりましたので、こちらもよろしければ参照ください。