はじめに

アプリケーションのパフォーマンス管理は、ユーザー体験を支える重要な要素です。
もしアプリが遅かったりエラーが多発していたりすると、ユーザーはすぐに離れてしまいます。

そこで役立つのが New Relic APM
この機能を使うと、アプリケーションの動きを詳細に追跡し、パフォーマンスの課題を素早く見つけて解決できます。

弊社では、New Relic を活用し、次世代MSPおよびオブザーバビリティの取り組みの一環として、APM を駆使した最適なサービスを提供しています。
今回は、その基本機能である「Transactions」と「Transaction Traces」の使い方を紹介します。

※ 本記事は、2024年9月時点の情報から作成しています。

Transactions とは?

Transactions は、ユーザーのアクションやアプリ内の処理を一つ一つ追跡するための機能です。
例えば、ECサイトでの「商品をカートに追加」や「購入完了」といった操作がトランザクションとして記録されます。
Transactions を使うことで、特定の操作が遅延したりエラーを起こしたりしている箇所を見つけやすくなります。

Transactions では、応答時間やエラー率などのメトリクスを確認でき、どの操作がアプリに最も負荷をかけているかを特定するのに役立ちます。

Transaction Traces とは?

Transaction Traces は、各トランザクションの内部を詳細に分析するための機能です。
トレースを使うことで、処理のどこで遅延が発生しているかを、セグメント(データベース、外部API、アプリケーションコード)ごとに確認できます。

例えば、特定のトランザクションの遅延がユーザーに影響を与えているとき、トレースで内部処理のタイミングを確認することで、問題がデータベースのクエリ処理にあるのか、外部APIの応答にあるのかを見極められます。

利用方法

1. Transactionsビューで問題を発見する

  • トランザクションタイプとソート機能
    上部の「Transaction type」メニュー(添付画像①)で「Webトランザクション」を選択し、右上の「Instances」(添付画像②)で確認対象のインスタンス(特定または全て)を選びます。
    続いて、「Sort by」オプション(添付画像③)で「Most time consuming」を選択します。
    これにより、処理時間の長いトランザクションが優先的に表示され、リソース消費の多い操作が一目でわかります。
  • トップトランザクションの可視化
    トップ20トランザクションが中央に一覧表示され、各トランザクションの負荷割合が視覚的に確認できます。(添付画像④)
    どのトランザクションが最も時間を消費しているかが色分けされ、重要なパフォーマンス課題が一目で特定できます。

2. Transaction Tracesで原因を深堀りする

  • 遅延の詳細確認
    トランザクションをクリックして「Transaction traces」に移動し、処理時間が長い順にソートすることで、遅延が発生しているトランザクションを特定できます。(添付画像①)
    これは、どの操作がユーザー体験に影響を与えているかを把握するのに役立ちます。
  • トレース詳細でのセグメント確認
    「Trace details」を選択(添付画像②)すると、各トランザクションの詳細な時間配分が表示されます。
    例えば、データベース呼び出し(Database calls)や外部APIの応答(External calls)など、どのセグメントが遅延を引き起こしているかがわかります。これにより、具体的な改善ポイントが明確になります。(添付画像③)
    項目 概要
     App Code アプリケーションコードの処理による時間
     Database Calls データベースクエリによる時間
     Externals Calls 外部APIの呼び出しによる時間

参考

[1] What is a transaction? – ( トランザクションとは )
[2] Find specific performance problems – ( 特定のパフォーマンス問題を突き止める )
[3] Introduction to transaction traces – ( トランザクショントレースの概要 )
[4] Transaction traces: Trace details page – ( トレース詳細ページの機能 )

まとめ

New Relic APM は、アプリケーションのパフォーマンスを細部まで見える化し、遅延やエラーの原因を迅速に発見できる強力なツールです。
Transactions と Transaction Traces を使って、パフォーマンスのボトルネックを特定し、ユーザーにスムーズな体験を提供しましょう。
日々の運用にAPMを取り入れることで、アプリの安定性と品質を一段と高めることができます。

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