はじめに
Global Solutions事業部の緒方です。
AWS re:Invent 2024に現地で参加してきました。
今回は[STG211 | What’s new with file storage]に参加しましたので内容を紹介します。
AWS re:Invent 2024とは
AWSが主催する年次カンファレンスで、主にクラウドコンピューティングに関する最新情報を発表し、エンジニアに限らず様々なロールの人や様々な業種の企業が集う大規模イベントです。2024年は12月2日から12月6日にかけて、アメリカ・ラスベガスで開催されました。
セッション
セッション概要
STG211 | What’s new with file storage
Amazon file storage services continue to deliver innovations to help enterprise customers and storage admins manage their file data more effectively. Dive into the latest capabilities designed to enhance file data accessibility and integration with modern cloud applications. Discover how shared file storage from Amazon EFS and Amazon FSx is evolving to meet the needs of compute-intensive and data-heavy workloads. Learn actionable insights on optimizing storage, improving data accessibility, and supporting growing enterprise application demands. Join us and move your business ahead with the cutting-edge capabilities of Amazon FSx and Amazon EFS.
Amazon ファイルストレージサービスは、企業のお客様とストレージ管理者がファイルデータをより効率的に管理できるように、イノベーションを継続的に提供しています。ファイルデータのアクセシビリティと最新のクラウドアプリケーションとの統合を強化するように設計された最新の機能について詳しくご覧ください。Amazon EFS と Amazon FSx の共有ファイルストレージが、コンピューティング集約型でデータ量の多いワークロードのニーズを満たすためにどのように進化しているかをご覧ください。ストレージの最適化、データアクセシビリティの向上、増大するエンタープライズアプリケーションの需要のサポートに関する実用的な洞察を学びましょう。Amazon FSx と Amazon EFS の最先端の機能を活用して、ビジネスを前進させましょう。
Christian Smith, Head of Business Development – Storage, Amazon Web Services
Prashanth Bungale, Sr Manager, FSx Managed NAS, Amazon Web Services
セッション内容
AWS は継続してファイルストレージにおけるデータ管理、パフォーマンス管理、回復力の向上という 3 つの分野に投資しているそうです。
ユーザーが FSx for OpenZFS を選択する主な理由は次の 3 つです。
- 様々なデータ管理機能(スナップショット、クローン作成、圧縮、レプリケーション)
- 低レイテンシ、高スループット、高IOPSなどの機能
- OpenZFSは商用ライセンス製品と比較して 30% 以上優れた価格性能
FSx for OpenZFSは様々なジャンルの用途に採用されているとのこと。
大規模なデータセットのクラウド移行には、オールSSDストレージのコストが課題で、特にデータの増加は予測が困難だそうです。
そこで、FSxインテリジェント ティアリング ストレージクラスが開発され、GAとなりました。
使用頻度別の自動階層化やコスト最適化が可能でき、経済的なソリューションとなっていますね。データ量がどれほど増えるか予測できなくても、気軽に使用が開始できるところが素晴らしいです。
FSx for Lustreは、HPCやAIやMLのワークロード向けに設計されたファイルシステムです。1000Gbpsのスループット、数百万IOPS、1ms未満のレイテンシが売りとのことです。
メタデータに関するIOPSをストレージ容量から切り離し、最大15倍の性能向上を実現したとのこと。これにより、AI/MLトレーニング時間が短縮されコストが削減されたそうです。大規模なデータを必要とするAI/MLではこのメリットはかなり大きそうですね。
FSx for Lustreは、Elastic Fabric Adapter (EFA)とNVIDIA GPUDirectのサポートを追加し、インスタンスあたりのスループットを最大12倍向上しました。EFAはネットワークからメモリへの直接データ転送でCPU負荷を軽減し、GPU DirectはGPUへの直接データ転送で効率を最大化。これにより、AI/MLトレーニングの高速化とコスト削減を実現します。
FSX for NetApp ONTAPは第二世代のファイルシステムと呼ばれていました。需給に応じて動的にスケールアウトが可能とのことです。自動でスケーリングされて管理の手間が減って、他のことに意識を向けれますね。
シングルAZのHAオプションは、低レイテンシと高パフォーマンスは維持しつつ、ストレージコストを削減するものとのことです。従来のマルチAZ構成の課題であるレイテンシとコストの増加を解決するそうで、レイテンシの要件が厳しい場合や耐障害性がゆるいユースケースに役立ちます。機械学習などで特に有用ですね。
新しいクロスアカウントレプリケーション機能は、異なるアカウント間でデータを複製し、災害時のフェイルオーバーを可能にします。データの保護要件が厳しい場合や、別アカウントを持つチーム同士のコラボレーションなどに使用できそうです。
さいごに
今回のセッションで、パフォーマンス、コスト効率、柔軟性がさらに向上している発表がありました。FSxやEFSの新機能はAI/MLやHPC、データ分析、災害対策など、クラウドの幅広い分野での活用がさらに効率的かつ柔軟になりそうですね。
2024年12月19日(木)18時より、「AWS re:Invent 2024」のポイントを解説する「AWS re:Invent 2024 re:Cap presented by iret」を開催します。 |