はじめに

こんにちは。クラウドインテグレーション事業部 MSPセクション コアオペレーション第五グループの齋藤ともうします。

自分は2020年4月にアイレットに入社し、約4年間二次運用としてインフラ/監視構築・運用整備業務を担当してきました。そして2024年4月から、一次運用(監視・アラート対応・運用)を担うMSPに異動しました。

普通は「MSP(一次運用)→二次運用」という流れでキャリアを積む人が多いのですが、僕の場合はその逆。先に二次運用を4年経験してから、一次運用に異動するというちょっと珍しい経歴になっています。(というかアイレット初だと思う..)

異動して1年が経とうとしていますので、二次運用の視点から一次運用の現場で実際に感じたことなど、ざっくりと振り返ってみようと思います。

MSPとは?

まず、簡単にMSPについて説明すると、アイレットのMSPはcloudpackサービスの根幹と言える部署です。24時間365日、お客様のインフラ環境の監視・運用・アラート対応を行っています。一般的には「まずMSPに配属され、経験を積んでから構築に異動する」というパターンが多いですが、僕は先に4年間構築を経験してからMSPに異動しました。

順番が逆であるだけに、見える景色も普通のキャリアの方とは違いがありそうなので、その辺伝えられたらなと思います。

一次運用(MSP)と二次運用との違い

① 原則出社。リモートとの違い

私は2020年4月にアイレットに入社しましたが、その頃、世間はコロナ禍でパニック状態。最初の3回だけ出社し、その後はずっとリモートワークで業務を行うことになります。

最初はリモートワークの快適さを感じていたものの、時間が経つにつれて、「自分、リモートワーク向いていないのでは…?」と思うこともしばしば。。

長時間家にこもっていると、次第に孤独を感じることも多くなり、「やはり人と直接会って話すことって大事なんだな」と実感するようになりました。あとは、、シンプルに太ります。

そして4年後、一次運用(MSP)へ異動することになり、働き方もガラッと変化。突然の通勤生活リスタートで、逆にストレスが溜まらないかと不安もありましたが、仕事をする上では出社はとても快適であることに気づきました。

オン・オフの切り替えがしやすい

リモートだと仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちですが、出社すると仕事モードにスッと入れます。

メンバー、上司が近くにいる安心感
困ったときにすぐ相談できるし、雑談から得られる情報も多い。あと、同僚が頑張っている姿を見ると「自分も頑張ろう」と思えます。

仕事中の雰囲気が家庭に影響しない
リモート時代は家で仕事していると、仕事中のピリピリ感を家族に伝えてしまうことも。。出社なら家に持ち帰らずに済みます。

もちろんリモートのメリットもたくさんありますが、結果、自分には出社の方が合っていました

② シフト制の働き方

MSPはシフト制を採用しているので、勤務時間が固定ではありません。

  • 平日休みが取れる(役所や病院に行きやすい)
  • 混雑を避けて旅行ができる(これは最高)

…などのメリットがあります。

一方で、家族や友人と予定を合わせるのが少し難しくなることもありますが、工夫次第では自分に合ったライフスタイルを築くことができ、QOLを上げることができるのではないかと!思います!

でもやはりお子さんがいる家庭ではシフトは厳しいですね…

二次運用→一次運用(MSP)で見えたもの

① 監視の仕組みを知った上で運用に関われる

構築を経験した後にMSPに入ると、監視環境の構成や仕組みを理解した上でアラート対応ができます。アイレットでは、

  • NewRelic / Datadog(監視ツール)
  • PagerDuty(通知・エスカレーション)
  • AMS(アラート一次対応の自動化)

を使った環境が標準となっていますが、二次運用の時にこれらをセットアップしていたため、どのアラートがどういう意図で設定されているのかを把握しやすいという強みがありました。

一方で、未経験の状態でMSPに入ると、とにかく「手順書通りに対応する」という視点のみになりがちです。もちろん、それは運用の安定性を支えるうえで非常に重要で、ここが崩れてしまうと大変なことになります。そのため、まずは手順通りに確実に対応することが求められますが、背景知識がないことによりアラート対応を通じた学びが限られてしまうという点があると思います。

② アラートの意味を深掘りするクセがつく

構築を経験していると、アラートを見たときに「このメトリクスってどういう意味?」とか「この監視設定はどういう狙い?」と考えるクセがついています。

例えば、あるCPU使用率のアラートが来たとき、

  • しきい値やアラート対応は適切か?
  • そもそも負荷の原因は?
  • もっと良い監視の方法はないか?

といった視点を持つことができます。これってMSPの業務をしながらも運用改善のヒントを見つけることにつながるので、すごく有意義です。

MSP、想像以上にやること多い

MSPに異動してまず意外だったのが、その業務範囲の広さです。正直、異動前は「MSP=アラートの一次対応がメイン」というイメージでした。しかし、実際に入ってみると、アラート対応以外にもやることが山ほどあることに驚きました。

メイン業務:アラートの一次対応

もちろん、アラートの一次対応がMSPの中心業務です。DatadogやNewRelicから飛んでくるアラートを受け取り、内容を確認し、適切な対応を行います。

しかし、それだけでは終わりません。

その他の業務も盛りだくさん

MSPでは、アラート対応以外にもさまざまな業務を担当します。例えば、

  • アラート対応の改善活動(アラートの精度向上や対応手順の見直し)
  • 一次電話応答・問い合わせ対応(お客様からの問い合わせを受け付け、適切な対応やエスカレーションを行う)
  • お客様環境におけるAbuseレポートの対応(スパムや不正アクセスなど、AWSリソースの不正な振る舞いに関する対応)

さらに、実は二次運用と同じように、MSPでも保守案件を持っています。ただし、MSPで扱う環境は、二次運用時に担当していたものよりもシンプルな構成が多いため、アラート対応と並行して進めやすいのが特徴です。

MSPには、アラート対応以外の業務に集中できるシフトがあり、その時間を活用したり、アラート対応の合間を使ったりしながら、さまざまな業務をこなしていきます。

…が、実際にやってみると、「やること多いくせに時間足りなくない!?」となることもしばしばありました。

まとめ

MSPに異動して約1年。二次運用とはまた違った視点で運用を学ぶことができたと実感しています。

  • 監視の仕組みを理解した上でアラート対応ができるのは大きな強み
  • 出社勤務は自分には合っていた(オン・オフの切り替えがしやすい)
  • シフト制はメリットも多いが、家庭環境によっては調整が難しいことも
  • MSPは想像以上に業務範囲が広い

異動前は「MSP=アラートの一次対応がメイン」というイメージでしたが、実際にやってみると運用の改善・効率化に関わる機会が多く、スピード感を持って対応する力が求められる仕事だと感じています。

そして、二次運用を経験してからMSPに異動したことで、一つひとつのアラート対応の背景を理解しながら業務に取り組めるというのは、自分にとって大きな学びにつながりました。

これからも、MSPでの経験を活かしながら、より良い運用を模索し、改善を重ねていきたいと思います。