この記事について

Google Meetの文字起こし機能って、とても便利ですよね!
これまでは会議中にメモを取る必要がありましたが、今ではMeet搭載のGeminiが自動的にメモを取ってくれるため、会議により集中できるようになりました。
Geminiは要約機能も備えているので、生成される議事録が非常に読みやすいのも嬉しいポイントです!

しかし、この便利な機能にも課題があります。

  • 公開範囲の事前設定ができない(会議参加メンバーに限定)
  • 他メンバーとの共有時、議事録ごとに権限設定が必要で手間がかかる
  • 議事録がGoogle DriveのMy Drive上に蓄積
  • 情報のサイロ化とファイルの散乱を招く

本記事では、Google Apps Script (GAS) を活用してこれらの課題を解決する方法を紹介します。

概要

Google Driveの共有フォルダー機能を利用し、以下の手順で問題を解決します。

  1. 任意のメンバーが参照可能な共有ドライブを準備
  2. GASを使用して、議事録を主催者のMy Folderから共有フォルダーへ自動的に移動

注意: ファイルの移動は定期処理で実行されるため、権限の反映に若干の時間差が生じます。

手順

前提条件

スクリプトを設定する際は、対象フォルダへのアクセス権が必要です。
そのため、GASのスクリプトは会議主催者が設定します。

1. 共有フォルダーの準備

Google Driveで議事録を共有するためのフォルダーを準備します。既存の共有フォルダーを使用するか、新しく作成してください。

  1. Google Driveにアクセスします。
  2. 共有したいフォルダーを選択するか、新しいフォルダーを作成します。
  3. フォルダーを右クリックし、「共有」を選択します。
  4. 議事録を共有したいメンバーのメールアドレスを入力し、適切な権限(閲覧者、編集者など)を設定します。
  5. 「完了」をクリックして設定を保存します。

これで、選択したフォルダーが指定したメンバーと共有されました。
このフォルダーに議事録が移動されると、許可されたメンバーがアクセスできるようになります。

続いて、GASの設定に進みましょう。

2. GASの作成

プロジェクトの作成

  1. Google Apps Scriptにアクセスします。
  2. 「新しいプロジェクト」を押下します。
  3. プロジェクト名を分かりやすい名前に変更します。(例:move_meeting_memo)

スクリプトの作成

以下のようなスクリプトを作成します。
注意: 流用の際は自己責任でお願いします。

function moveMinutesToSharedFolder() {
    var sourceFolder = DriveApp.getFolderById('ソースフォルダID');
    var sharedFolder = DriveApp.getFolderById('共有フォルダID');

    var files = sourceFolder.getFiles();

    while (files.hasNext()) {
        var file = files.next();
        var fileName = file.getName();

        if (fileName.indexOf('MTG名') !== -1) {
            // ファイルを移動
            file.moveTo(sharedFolder);
            Logger.log('Moved file to shared folder: ' + fileName);
        }
    }
}
  • ‘ソースフォルダID’ と ‘共有フォルダID’ を実際のフォルダIDに置き換えます。
  • フォルダIDはフォルダのURLから取得できます。
    `https://drive.google.com/drive/{フォルダのID}`
  • ‘MTG名’欄を、実際のMTG名に置き換えます。
    ※Gemini作成の議事録には会議名が含まれるため、会議名から議事録を抽出します。

保存&実行して議事録が正しく移動されるか確認してください。
注意: 初回実行時は、必要な権限を許可するよう求められます。画面の指示に従って許可してください。

トリガーの設定

  1. 左側のメニューから「トリガー」を選択します。
  2. 「トリガーを追加」をクリックします。
  3. トリガーを編集します。今回は以下のように設定しました。
    • 実行する関数: moveMinutesToSharedFolder
    • イベントのソース: 時間主導型
    • 時間ベースのトリガーのタイプ: 時間ベースのタイマー
    • 時間の間隔を選択: 1時間おき

      ※時間指定が可能なので、会議後の適切な時間に転送設定するのがお勧めです。
      ただし、議事録の生成には時間がかかるため、少し余裕を持たせて設定することをお勧めします。
  4. 「保存」をクリックしてトリガーを作成します。

これで、1時間ごとにスクリプトが実行され、議事録が自動的に共有フォルダに移動されます。
しばらく待機してファイルが移動されることをご確認ください。

まとめ

GeminiとGASを組み合わせることで、Google Meet議事録の管理が格段に効率化されます。
環境構築も不要なので、ぜひ気軽に試してみてください!