こんにちは、セキュリティエンジニアの田所です。
AWS Summit Japan の会場からお届けです。
講演について
KEY-01 基調講演 ビルダーと描く新たな価値創造
AWS は、ビジネスや社会の課題に挑戦するビルダーの大胆なビジョンの実行、実現に伴走します。基調講演では日本のお客様の成長と社会課題の解決のために AWS が進める取り組みと、最もセキュアで日本のお客様にお応えする品質を備えたクラウドサービスの進化をご紹介します。また、実際に AWS を活用して課題を克服し新たな可能性を見出しているお客様に、先進的なお取り組みを紹介いただきます。
AWS Summit 開演の基調講演です。
通常の講演スペース5つ分の会場の座席も早々に売り切れ、サテライトルームからの視聴でした。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 代表執行役員社長の白幡氏からは、日本企業はコンサバと思われがちだが実は変革の最前線を走っているという話や、
レガシーシステムからクラウドへの移行、レジリエンス、セキュリティ、生成AI活用など全方位で AWS をアップデートしている話、
またビルダーの育成や支援について語られました。
その後、Amazon Web Services Inc. バイス プレジデント、データおよび生成 AI マーケット戦略担当のラフ―ル パサック氏から、
Compute, Storage, Database, Inference の4つからなる AWS の Building Blocks についての説明やアップデートの紹介がありました。
そして各社から日本における AWS の活用事例や取り組みについてムービーやプレゼンがありました。
本ブログでは講演の詳細というよりも、そこから感じ取ったメッセージを中心にお伝えします。
1. 技術に負けず劣らず人材育成を大事にしている
講演の中で繰り返し人材育成の重要性について語られていました。
重要になるのは Digital Transformation と Cultural Innovation と表現され、
ビルダーを育てる活動の紹介がありました。
全国での人材育成プログラムに始まり、高等専門学校との包括連携、地域創生・社会課題解決 AI プログラミングコンテスト と日本の課題を IT の視点で解決すべく、幅広い取り組みがなされていました。
特に地方創生という言葉を強調しており、大企業に限らず日本中の課題解決に繋がるプログラムを実施していたのが印象的でした。
DX の需要は地方にこそあり、という AWS の着眼点なのかもしれません。
また Amazon Think Big Space という、小中学生向けにSTEM教育を支援するためのスペースを開設・寄贈した活動も紹介され、
日本の未来に繋がる本当に素晴らしい取り組みであると感じました。
*STEM教育:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4つの教育分野を総称する言葉
ビルダーの支援も充実しています。
ご存知 AWS プロフェッショナルサービス、AWS サポートといった、ビルダーを支援するサポート体制もあり、
昨今の生成AIの利用拡大に伴い、生成AIの支援プログラム、モデル活用コースなども拡充しています。
講演の最後のスライドが「共に歩む、ビルダーの未来へ」と締め括られ、
技術のみならず、育成や支援という観点でも「共に歩む」を実践しているのだと感じました。
社内でサービスやプロセスを考える上でも、技術的な話だけでなく、人材育成もセットで重要になることを改めて認識するのでした。
2. Building Blocks でビルダーと伴走する
ラフール パサック氏から、4つの Building Blocks についての講演がありました。
Compute, Storage, Database, Inference のそれぞれに幅広いラインナップを提供し、ビルダーのあらゆるニーズに応える部品を用意するという発想です。
これは AWS re:Invent でも時間をかけて紹介された内容で、AWS のビジネス思想が強く現れています。
ニーズに応え続けて EC2 のインスタンスタイプは今では 850 種類を超えているというので驚きです。
その他にも、グローバルに強い整合性を実現する Amazon Aurora DSQL の紹介や、
Amazon Bedrock で多数のモデルの選択肢があること、それを安全に、コスト効率良く、拡張も可能な機能があることが紹介されていました。
またクラウドの恩恵を受けるための障壁となっていたレガシーなシステムに対して、生成AIによるクラウド移行支援を行う AWS Transform の紹介もありました。
.NET、メインフレーム、VMware からの移行を支援するサービスで、手が付けられなくなっていた暗黙知を生成AIの力で形式知にするということでした。
まさに生成AIが活躍する領域で、手が付けられなくなったコードやシステムを解き明かす需要は非常に高いのではないでしょうか。
「ビルダーの目指す未来に伴走」という表現があり、ビルダーの希望を実現する最強のパートナーであるという、AWS の強い意志を感じました。
3. Imagine する力が大事
冒頭の映像でも、プレゼンテーションの所々でも、以下のようなフレーズがありました。
- People build what they can imagine.
- You can build anything you can imagine.
AWS があれば想像できることは何でも実現できる、という非常に頼もしいメッセージかと思います。
ただ逆を言えば、想像できなければ実現できない、ということをより強く感じる未来が来ているのではないかとも感じました。
テクノロジーの力を使えばあらゆるものが簡単に実現できる世界になった時、何を想像できるかによって実現できることに差が生まれ、
ひいてはどんな問題解決ができるか、何を為すか、幸福かどうか、に大きく影響してくるのではないかと考えました。
技術、情報、経済格差ではなく、想像力格差、そんな世界がやってくるのかもしれません。
まとめ
とてもワクワクした AWS Summit Japan 2025 の始まりでした。
1人のビルダーとして目いっぱい吸収して来ようと思います。
おしまい