クラウドインテグレーション事業部MSPセクションの伊藤です。
本記事では、AWS User Notifications を使ったAWS Health通知の管理について記載させていただきます。

 

はじめに

皆さんは AWS からの重要な通知をどのように管理していますか。
AWS Healthからの通知は非常に重要です。特に EC2のメンテナンス通知などを見逃すと業務影響を受けてしまうリスクがございます。

今回紹介する AWS User Notifications 通知漏れをなくすために非常に役立つ機能です。
さらに、このサービスを使うと Health イベントの通知設定が簡単になります。

この記事では AWS User Notifications の基本的な設定を行い、
AWS Health からの通知を特定の Eメールアドレスで受け取る手順について説明いたします。

この記事を読めば重要な AWS 通知を見逃さない仕組みをすぐに設定できるようになりますので最後までご参照いただけますと幸いです。

前提条件

この手順を進めるには以下の準備が必要です。
AWS User Notifications と AWS Health の読み書き権限を持つIAMユーザー

STEP1: 通知ハブの設定

最初に AWS User Notifications のハブを設定します。

<設定手順>
1.AWS マネジメントコンソールにログインします。
2.上部の検索バーで「AWS User Notifications」と入力します。
3.サービスを選択してコンソール画面を開きます。

4.初めて利用する場合通知ハブの作成画面が表示されます。
5.通知ハブのリージョンで アジアパシフィック (東京) ap-northeast-1 を選択します。
6.「通知ハブを作成」ボタンをクリックします。

これで通知設定を集約する準備が整いました。
通知ハブが正常に作成されたことを確認できます。

STEP2: Eメール通知チャネルの作成

次に通知を受け取る Eメールアドレスを登録します。
1.左側のナビゲーションメニューから「配信チャネル」を選択します。
2.「Eメール」セクションの「Eメールを追加」ボタンをクリックします。

3.以下の情報を入力します。
・受信者: 通知を受け取りたい Eメールアドレスを入力します。
・名前: 誰のメールアドレスか分かる名前を入力します
4.「Eメールの追加」ボタンをクリックします。
5.登録した Eメールアドレスに確認メールが届きます。

6.メール本文にある「Verify email」リンクをクリックします。
これにより Eメールアドレスの所有者確認が完了します。

7.コンソールに戻りステータスを確認します。
Eメールアドレスのステータスが「アクティブ」に変わったことを確認できます。

STEP3: 通知設定(ルール)の作成

いよいよ通知ルールを作成します。
「どの Health イベントを、どの Eメールに通知するか」を定義します。
今回は例として EC2 のメンテナンス通知 を受信するルールを作成します。

1.左側のナビゲーションメニューから「通知設定」を選択します。
2.「通知設定を作成」ボタンをクリックします。
3.以下項目に従って各項目を設定します。

<必須設定項目>
名前:EC2-Maintenance-Email-Notification
AWSのサービスの名前:Health (AWS Health)
イベントタイプ:特定のヘルスイベント
リージョン:Asia Pacific (Tokyo)
集約設定:集約しない
配信チャネル:Eメール
E メール:STEP2で作成した受信者を設定

4.すべての設定を確認して「通知設定を作成」ボタンをクリックします。
これで通知設定の作成は完了です。


設定したルールが「アクティブ」な状態で作成されたことを確認できます。

STEP4: 動作確認

AWSにテスト用のHealthイベントをリクエストする

実際の Health イベントを擬似的に発生させます。
AWS サポートに依頼することで実施できます。

AWS Health との統合をテストするための AWS Health イベントをリクエストする方法を教えてください。

1.AWS マネジメントコンソールで「サポートセンター」を開きます。
2.「ケースを作成」をクリックします。
3.以下の内容でサポートケースを起票します。


4.AWS サポートから連絡がありテストイベントが発行されます。
5.設定した Eメールアドレスに Health イベントの通知メールが届きます。

STEP3で作成したルール通りに通知が届くことを確認できます。
これで全ての検証が完了しました。

まとめ

AWS User Notifications を利用する手順を解説しました。
従来の EventBridge を使う方法よりも格段に簡単でとても便利なサービスとなります。

今回は EC2 のメンテナンス通知を例にしましたが、イベントルールを変更すれば様々な通知に対応できます。
例えばアカウントに関する重要な通知(Account Notification)も同様に設定可能です。

皆様もぜひこのサービスを活用して通知管理を効率化してみてください。

参考ドキュメント

What is AWS User Notifications?

What is AWS Health?