はじめに
こんにちは、DX開発事業部の岩塚です。
この記事は、東京ビッグサイトで開催されている Google Cloud Next Tokyo 2025 のセッションレポートです。
セッション情報
スピーカー
ソフトバンク株式会社
- 法人統括 法人事業戦略本部 法人ビジネス推進第2統括部 データ・クラウドビジネス推進部 部長 深堀 菜生 様
- テクノロジーユニット統括 共通プラットフォーム開発本部 エンタープライズクラウド開発第2統括部 クラウド技術部 部長 加藤 靖之 様
概要
ソフトバンクはお客様のAI活用ステップに寄り添って、デジタル化からデータ連携、AI導入、AI定着化まで幅広くご支援してまいりました。そして今、当社はAgentspace Onboarding パートナーとなり、さらなるAI活用を目指すお客様へ新たなサービスをご提供する予定です。本セッションでは、Agentspaceの技術検証の実態から見える課題や今後の展望を交えながら、実際のお客様とのAgentspace導入および活用の取り組みを具体的にご紹介いたします。
AI活用の課題
多くのビジネスパーソンも同様かと思いますが、仕事の中では様々なツールを活用します。
あるデータを探したい時にどのツールに保存してあったデータか分からなくなることはないでしょうか。
2024年にGoogleが行った調査によると、最大6つのソースを横断して情報を検索している従業員の割合は 89 %とのことです。
そんな状況から、AIが局所的な活用に留まるという課題がありました。

Google Agentspace
上記の課題に対してソフトバンク様が採用したのが Google Agentspace(以下、Agentspace)。
Agentspaceでは、Google関連のサービス(Google DriveやGmeil等)だけでなくサードパーティソース(Slack、Teams、Box等)も含めて横断的に検索可能です。
これにより、業務全体、組織全体で横断的にAIを活用することができ、業務効率化を図れるようになります。

Agentspaceの「いま」と「これから」
ソフトバンク様は、Agentspace オンボーディングパートナーとして、Agentspace の技術検証を実施しています。
Agentspace オンボーディングパートナーとしては、Agentspaceの導入支援だけでなく、Agentspaceを創る側として検証で得た知見を Google へフィードバックし、プロダクトがユーザーにとって使いやすくなるように検証を重ねているそうです。
ソフトバンク様によるいまの Agentspace 検証の結果は以下の通りです。

横断検索、アクションのどちらも、Google関連のサービスでは満足に動くものの、サードパーティソースでは改善の余地があるそうです。
また、セキュリティやガバナンスについても一部課題があったり、検証できていないところがあるとのことでした。
検証で得た改善点については Google にフィードバックしており、今までに 48 件報告し、9 件改善されたとのこと。
まだまだ改善途中であることが伺えます。
ユースケース
身近なユースケースとして、進捗管理と問い合わせ対応について紹介されていました。


今までの進捗管理では、上司はメンバーの報告を聞いて進捗を把握していましたが、Agentspace を活用することでメンバーに直接聞かずAI Agentに聞くことでメンバーがアップロードしたファイル等から進捗を把握できるようになります。
メンバー側としても、報告用に資料を作り直したりする必要がなくなるので、効率化できます。
問い合わせについては、何か問題が発生しサービス元に問い合わせる時に、Agentspace を利用することで各サービスのルールやフォーマットの違い等を気にせず自然言語で問い合わせができるようになるとのこと。
現状ではまだ難しいそうなので、今後に期待ですね。
最後に
Agentspace の本格的な検証をしているソフトバンク様の話を聞けて勉強になりました。
Agentspace はまだまだ発展途上な部分はあるものの、業務全体を繋ぐハブのような存在であり、自分の仕事にも導入したいと思う内容でした。
各サービスのMCPとの連携や自作の Agent の作成により、今後は Agentspace からの作業だけで仕事が簡潔する未来も遠くないかもしれません。