はじめに
AWS Healthのイベントスキーマにactionabilityとpersonaという新しい項目が追加されたので調べてみました。
Improved AWS Health event triage
アップデート内容
actionability、personaに関する内容は以下に記載があります。
Concepts for AWS Health
Actionability
ユーザーによる対応要否を示すことで、ヘルスイベントの優先順位付けをサポートする目的のプロパティです。
AWSリソースのリスクを減らすためのユーザー対応が必要か、または情報提供を目的としたイベントかを示してくれるとのことです。
| 値 | 説明 |
|---|---|
| ACTION_REQUIRED | ユーザー対応が必要 |
| ACTION_MAY_BE_REQUIRED | 対応要否を判断するため、ユーザー確認が必要 |
| INFORMATIONAL | ユーザー対応は不要(目的: 情報提供) |
なお、サービス障害のイベントに関してはActionabilityは含まれないとのことです。
Persona
組織内のどのチームに共有すべきかを判断するための関連先情報を提供してくれるプロパティです。
各イベントに対して1つ以上のpersonaを含めることができるとのことです。
| 値 | 説明 |
|---|---|
| OPERATIONS | 運用、およびサービス可用性に関連するイベント |
| SECURITY | セキュリティ上の懸念事項に関連するイベント |
| BILLING | コストに影響する可能性のあるイベント |
マネジメントコンソールでの確認
イベントの情報を開くとactionability、personaが追加されていることが確認できました。

また、検索フィルターとして設定できるので対応が必要なイベントだけを抽出することも可能です。

Boto3での確認
Boto3でも確認してみたいと思います。
なお、Boto3のバージョンは1.41.0以降でactionability、personaのプロパティが含まれるようになります。
以下は、describe_eventsで取得したイベントの一例です。
(一部マスキングしています)
[
{
"arn": "arn:aws:health:ap-northeast-1::event/LAMBDA/AWS_LAMBDA_PLANNED_LIFECYCLE_EVENT/AWS_LAMBDA_PLANNED_LIFECYCLE_EVENT_******************************************",
"service": "LAMBDA",
"eventTypeCode": "AWS_LAMBDA_PLANNED_LIFECYCLE_EVENT",
"eventTypeCategory": "scheduledChange",
"region": "ap-northeast-1",
"startTime": "2025-09-01 07:00:00+00:00",
"lastUpdatedTime": "2025-11-23 12:25:26.919000+00:00",
"statusCode": "open",
"eventScopeCode": "ACCOUNT_SPECIFIC",
"actionability": "ACTION_REQUIRED",
"personas": [
"OPERATIONS"
]
},
{
"arn": "arn:aws:health:global::event/BILLING/AWS_BILLING_NOTIFICATION/AWS_BILLING_NOTIFICATION_******************************************",
"service": "BILLING",
"eventTypeCode": "AWS_BILLING_NOTIFICATION",
"eventTypeCategory": "accountNotification",
"region": "global",
"startTime": "2025-11-21 03:30:00+00:00",
"lastUpdatedTime": "2025-11-21 08:41:57.686000+00:00",
"statusCode": "open",
"eventScopeCode": "ACCOUNT_SPECIFIC",
"actionability": "INFORMATIONAL",
"personas": [
"BILLING"
]
}
]
personasに複数値が入っているケースもありました。
{
"arn": "arn:aws:health:ap-northeast-1::event/CLOUD9/AWS_CLOUD9_SECURITY_NOTIFICATION/AWS_CLOUD9_SECURITY_NOTIFICATION_******************************************",
"service": "CLOUD9",
"eventTypeCode": "AWS_CLOUD9_SECURITY_NOTIFICATION",
"eventTypeCategory": "accountNotification",
"region": "ap-northeast-1",
"startTime": "2025-10-15 17:15:00+00:00",
"lastUpdatedTime": "2025-10-15 23:35:59.675000+00:00",
"statusCode": "open",
"eventScopeCode": "ACCOUNT_SPECIFIC",
"actionability": "ACTION_REQUIRED",
"personas": [
"OPERATIONS",
"SECURITY"
]
}
上述の通り、サービス障害のイベントに関してはactionabilityは含まれていませんでした。
{
"arn": "arn:aws:health:us-east-1::event/LAMBDA/AWS_LAMBDA_API_ISSUE/AWS_LAMBDA_API_ISSUE_******************************************",
"service": "LAMBDA",
"eventTypeCode": "AWS_LAMBDA_API_ISSUE",
"eventTypeCategory": "issue",
"region": "us-east-1",
"startTime": "2025-10-20 07:25:48+00:00",
"endTime": "2025-10-20 10:58:09+00:00",
"lastUpdatedTime": "2025-10-20 11:04:28.060000+00:00",
"statusCode": "closed",
"eventScopeCode": "ACCOUNT_SPECIFIC",
"personas": [
"OPERATIONS"
]
}
actionability: ACTION_MAY_BE_REQUIREDとなっているイベントが見つからなかったため、調べたところdescribe_event_typesでイベントタイプ毎のactionability、personasが取得できるようなのでこちらも試します。
以下は、取得した結果を加工してイベントタイプの総数やactionabilityを持つイベントタイプの総数などを確認しています。
イベントタイプの総数
"total_event_type": 2341
actionabilityを持つイベントタイプ (おそらくサービス障害以外のイベントタイプ)
"has_actionability": 1246
actionabilityを持つイベントタイプのactionability毎の数
"ACTION_REQUIRED": 496, "ACTION_MAY_BE_REQUIRED": 0 "INFORMATIONAL": 750
確認時点(2025/11/27)ではACTION_MAY_BE_REQUIREDを持つイベントタイプはないようですが、そもそもユーザー環境によって対応要否が変わる可能性があるということなので動的に付与されるものかもしれません。
感想
イベントをチェックする際の運用負荷が下げられるとても良いアップデートだと思います。
システム等で管理しているならこれらのプロパティに合わせて優先度、エスカレーション先などを柔軟に適用するということもできるのでうまく活用して運用効率を上げていければと思います。