こんにちは!KDDIアイレットの戸塚 晴菜です。

先日、東京ビッグサイトで開催された国内最大級のクラウドイベント「Google Cloud Next Tokyo ’26」に参加してきました!

今回のイベント全体を通して最も強く感じたトレンド、それは 「AIエージェントの進化」 です。

最近AIエージェントはよく耳にしますが、「結局、開発や運用の現場で何がどう変わるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Next Tokyo ’26で実感したAIエージェントがもたらす変化と、実際の現場でどのように活用されているのかについて分かりやすく解説します!

AIエージェントによって起きている「3つの変化」

Next Tokyo ’26の基調講演や各セッションを通じて、AIエージェントはこれまでの「単なるAIツール」から大きく進化していることがわかりました。

具体的には、以下の3つの観点で劇的な変化が起きています。

観点 これまで これから
スケール 人が作業し、AIが補助する 人が複数のエージェントを管理する
アクション 事後の振り返りから対応 発生と同時に自律的に動き出す
コンテキスト データにアクセスするだけ 背景・経緯まで読み取って動く

1. スケール(仕事量の変化)

これまでは、人が作業者として手を動かし、AIにコードの一部を書かせたり文章を要約させたりする「補助ツール」としての使い方が主流でした。

この形では、処理できる仕事量は「人の作業時間」に依存します。

しかしこれからのAIエージェントは、「人が複数のエージェントに指示を出し、その進行を管理する」形へとスケールします。

人は作業者ではなく、プロジェクトの取りまとめ役(オーケストレーター)へと役割が変わります。

2. アクション(動くタイミングの変化)

これまでのシステム運用やデータ活用は、ダッシュボードを見て異常に気づいてから対応を決める「事後の振り返り」が中心でした。

最新のエージェントは、何かが起きたその時点で、人の指示を待たずに自律的に動き始めます。

異常を検知した瞬間に原因調査を開始するなど、人が気づいてから初動を起こすまでの時間を削ることができます。

3. コンテキスト(背景情報の理解)

企業のデータの約9割は、資料や議事録、問い合わせ履歴などの非構造化データと言われています。

最新のエージェントは、ただデータにアクセスできるだけでなく、「そのデータが何を意味しているのか」「どういう経緯でそうなっているのか」という深い背景(コンテキスト)まで読み取った上で動けるようになっています。

ここが、今回最も大きな進化だと感じました!

(データ領域でのエージェント活用については、BigQueryに関するセッションレポートで詳しく紹介しています)

【実践事例】新しいAIエージェントはどう現場で使われるのか?

では、具体的に企業の現場でAIエージェントがどう組み込まれているのか、Next Tokyo ’26で紹介された2つの実践事例をご紹介します。

事例1:Asanaが実現する人とAIの「パス回し」

プロジェクト管理ツール「Asana」における「Agentic Work Management」の事例です。

これまでは、AIから回答を得た後、それをタスク化して担当者を決め、期限を設定するのは人間の仕事でした。

しかし、Asana様の事例では、AIが「AI チームメイト」としてタスクの担当者そのものになります。

  • AIの自律的な動き:人がレビューコメントを入れると、AIが指摘を反映して仕様書を更新。さらにサブタスクを完了させ、次の承認タスクを作成して担当者にアサインするところまで自動で進めます。
  • Human-in-the-Loop(人の介入):AIがスケジュールの修正案を出しても、人が最終承認するまで本番の計画は変わりません。

事例2:プレイド様×Bits AI SREが変えるSREの一次調査

株式会社プレイド様における、SRE(サイト・リライアビリティ・エンジニアリング)運用の事例です。

これまでの障害対応は、アラートが鳴ってからログを確認・切り分けし、修正PRを出すまでに30分〜数時間かかり、さらに「どこから調査するか」はベテランの勘に依存していました。

ここにDatadog様の「Bits AI SRE」を導入することで、以下のようにプロセスが変わりました。

AIに任せる領域

  1. アラート発生と同時に初期調査を開始。
  2. 散らばった監視データを数分で整理し、事実確認を完了させる。

人が判断する領域

  1. AIが集めた事実をもとに、人間が根本原因を特定し対応を決定。
  2. 振り返りと再発防止策の策定。

人が画面を開いた時点では、すでにログの収集と事実の整理が終わっています。

これにより、エンジニアは泥臭い一次調査から解放され、最初から「原因の考察と対応」に集中できるようになります!

「AIは事実を集めるだけで断定はしない」という点が、運用現場における最適な活用だと思いました!

まとめ

今回のNext Tokyo ’26を見て一番強く感じたのは、AIエージェントが「使う道具」から「一緒に働くチームメイト」へと完全にフェーズが変わったということです。

人が手を動かす前提が変わりつつありますが、どの事例でも「最後に判断を下すのは人」でした。これから私たちに求められるのは、「何をAIに任せて、空いた時間をどこに使うかを決めること」 です。

最後に、皆さんにご質問です。

みなさんのチームの「待ち時間」は、どこにありますか?

  • データ抽出を依頼してから、結果が返ってくるまでの数日
  • モデルを作るはずだった時間が、前処理に消えていく数時間
  • アラートが鳴ってから、原因のログにたどり着くまでの数十分

最初からすべてを自動化する必要はありません。

まずはチーム内にある「待ち時間」を1つ見つけて、そこをAIエージェントに渡すところから始めてみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!