まえがき

cloudpackサポートの畠山です。

現在AWS東京リージョンでAthena エンジンVersion 2を利用しているAWSアカウント向けに2023年4月12日以降、Athena エンジンVersion3へ自動アップグレードが実施される旨AWSよりアナウンスがありました。

今回のアナウンスを受け取り、手動で4/12までにアップグレードを完了させないと自動的にVersion 2からVersion 3に変わってしまうのか?
何らかの都合でどうしてもVersion 2の環境を維持したいという場合がありますよね。
また、他のAWSサービスで、EC2やRDSのメンテナンスは期日が来たら強制的に実行されてしまう為、今回のような通知を受け取るとAthenaも同事象になってしまうのか、疑問に思われますよね。
本記事ではAthena エンジンに関するアナウンスについての疑問事項について調査した結果を記載いたしました。

通知内容

件名

Athena エンジンの自動アップグレードは 2023年4月12日に開始されます | Athena engine auto-upgrade will begin on April 12, 2023 [AWS Account: XXXXXXXXXXXX] [リージョン名]

内容

Athena エンジンの自動アップグレードは、約 90 日後の 2023 年 4 月 12 日に AP-NORTHEAST-1 リージョンで開始されます。
AWS は、ワークグループをアップグレードする前に一連の検証テストを実施いたしますが、検証テストはベストエフォートベースで実行されるため、
すべてのお客様においてすべてのクエリが期待どおりに実行されていることを確認できるよう、お客様独自の検証テストの実施および下記項目の実践を推奨いたします。

Athena エンジンバージョン 3 の制限事項 [1] と 重要な変更について [2] をご参照いただき、影響を受けるクエリを更新ください。
テスト用ワークグループを作成するか、既存の運用前の環境用ワークグループを更新いただき、検証環境の Athena エンジンバージョン 3 に対してクエリを検証および修正ください。
例えば、エンジンバージョン 3 を使用する新しいテスト用ワークグループを作成し、運用前の環境またはステージング環境から統合テストを実行し、障害やパフォーマンスの低下を監視いただけます。
Athena が公開している CloudWatch メトリクスとディメンションの詳細については、「CloudWatch メトリクスによる Athena クエリのモニタリング [3]」をご参照ください。
Athena Engine バージョン 3 のワークグループに対してクエリをテストし、メトリクスに基づいて各クエリを修正ください。
たとえば、既存のエンジンバージョン 2 のワークグループと共に、エンジンバージョン 3 の新しいワークグループを作成できます。
クエリの一部をエンジンバージョン 3 のワークグループに送信し、障害やパフォーマンスの低下を監視し、クエリが成功しパフォーマンスが向上したことを確認してからクエリの数を増やすことが可能です。
すべてのクエリが Athena エンジンバージョン 3 に移行されるまで繰り返します。

エンジンバージョン 3 における改善点や変更点の詳細については [4] をご参照ください。
「自動アップグレード」を有効化されていないワークグループをアップグレードする方法については、[5] をご参照ください。
ご質問は AWS サポートにお問い合わせください [6]。

[1] https://docs.aws.amazon.com/athena/latest/ug/engine-versions-reference-0003.html#engine-versions-reference-0003-known-limitations
[2] https://docs.aws.amazon.com/athena/latest/ug/engine-versions-reference-0003.html#engine-versions-reference-0003-breaking-changes
[3] https://docs.aws.amazon.com/athena/latest/ug/query-metrics-viewing.html
[4] https://docs.aws.amazon.com/athena/latest/ug/engine-versions-reference.html
[5] https://docs.aws.amazon.com/athena/latest/ug/engine-versions-changing.html
[6] https://aws.amazon.com/support

回答

まえがきで記載した、何らかの都合でAthena エンジンVersion2を使用し続けたい場合については、
Athena エンジンバージョンの更新方法を「手動」とすることで引き続きAthena エンジンVersion2 をご利用いただくことが可能です。

設定確認・変更方法について下記でご説明します。
まず対象のAWSアカウントにログインして【Amazon Athena】→【ワークグループ】で対象を選択し編集画面へ移動してください。

現在「Athena engine version 2」を使用している場合、自動アップデートをON(自動)になっていると思われます。

サンプル画像の様に自動アップデートがデフォルトでON(自動)になっているため、これを自動アップデートをOFF(手動)に変更する事で、期日(4/12)を過ぎても問題なく「Athena engine version 2」を使用することができます。

該当のAWSドキュメント

Athena コンソールでのエンジンバージョンの変更
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/athena/latest/ug/engine-versions-changing.html

まとめ

本記事では「Athena engine version 2」を維持する為のお話しをメインで記載させていただきました。
ですが、「Athena engine version 1」が2021年にサポート終了日(EOL)を迎えたのと同様に、「Athena engine version 2」も時期にサポート終了日(EOL)を迎えると推測できます。
期日が来るまでに、検証や移行の準備などを進めていく事を推奨いたします。