クラウドインテグレーション事業部の森です。
re:invent 2023 に現地参加しております。
今年度リリースされた、Amazon EC2 M7i-flex を取り上げたセッションに参加したためレポートを共有します。ぜひ気軽にご覧ください。
※ 席の都合上、一部写真にその場にいた前席の方が写っていますがご了承ください。
M7i-Flex インスタンスの紹介
AWS では750 を超えるインスタンスタイプが存在しますが、AWS と Intel の提携により、新しくカスタム第 4 世代 Intel Xeon スケーラブルプロセッサー (コードネーム Sapphire Rapids) を搭載した、第7世代の EC2 が登場しました。
これは、AWS でだけ利用できるカスタム CPU を利用しており、他のクラウドプロバイダーが提供するインテルプロセッサーよりも最大15%すぐれたパフォーマンスを実現したインスタンスタイプです。
M7i-flex がどのように機能しているか
M7i-flex は Nitoro システムを使っています。
M7i-flex インスタンスは一般的なワークロード向けに少なくとも40%のベースライン CPU を提供します。ベースラインを超える場合、95%の確率において、インスタンスは CPU のフル性能を発揮できますが、5%の確率において、インスタンスは希望した CPU リソースを利用するために数ミリ秒待つ必要があります。
インスタンスを起動する場合、最適なサーバーを見つけるようになっています。
インスタンスの CPU 使用率が増加した場合、Live-Migration によって希望の容量を満たす CPU が提供されます。
※ Live-Migration は数ミリ秒のオーダーでありシームレスに実施されるためユーザーは確認できない
まとめると M7i-flex では以下のようなことが実現されています。
- M7i-flex インスタンスは CPU リソースを共有しながら必要なパフォーマンスを提供します。
- AWS Nitro によって、クラウド規模での CPU 共有が可能になります。
- 一貫した信頼性の高いパフォーマンスを実現するビルトインの仕組みを利用しています。
どのようなケースにおいて M7i-flex を利用すればよいか
M7i-flex は汎用(M)であり、大多数のワークロードに適するようにデザインされています。
また、M7i-flexはM7i インスタンスの低コスト版ですが、 大部分のワークロードが M7i-flex の最大インスタンスサイズである 8xlarge に収まっていれば M7i よりも M7i-flex を選択するのが良いです。
M7i-flex を既に利用している PubNub では25%のコスト削減、
imagine learning では20%のインスタンス台数削減を実現しているそうです。
M7i-flex キーポイント
- 大多数のアプリケーションは CPU を十分に活用していない
- M7i-flex はほとんどのワークロードで機能する
- アイドル状態のコンピューティングリソースを活用してコスト削減し、コスト効率を向上させることができる
- より厳しいニーズのワークロードの場合は、M7i インスタンスの利用を考える
コメント
M7i-flex は2023年8月にリリースされたばかりのインスタンスですが、既に導入している企業がありコスト削減の結果が出ているというスピード感に驚きました。また、Nitro Flex CPU scheduler など、普段気にする機会が少ないインスタンスの仕組みについての説明が非常に勉強になりました。
参考
Amazon EC2 M7i-flex インスタンスと M7i インスタンスの紹介
新しい第 7 世代汎用 Amazon EC2 インスタンス (M7i-Flex および M7i)
2023年12月7日 (木)「AWS re:Invent 2023」のポイントを解説する「AWS re:Invent 2023 re:Cap presented by iret」を開催します。 詳細はこちら:https://cloudpack.jp/lp/aws-reinvent-recap-2023/ |