11月7日新宿で行われた「第4回 さくらの夕べ ~さくらのクラウド 発売寸前~」に初参加しました。
定員130名と週明け月曜日ながら、公開直前のイベントなだけに注目度も集客度も高く、当日プレスリリースされた石狩データセンターの開所もあってたくさんの人が集まりました。

※正式な「さくらのクラウド」のサービスインは11月15日(月)午後15時の予定です。

★さくらのクラウド全容解明

まずはさくらインターネットの代表、田中氏からの「さくらのクラウド」の紹介から始まりました。コンセプトとして「必要なものがあって、不要なものはない」開発者志向のシンプルなクラウドであることを強調されました。

そして気になる価格としては、「まずはおわび」として千円以下のクラウドという期待には応えられなかったと切り出しつつも、最も低価格なプランとして「20GB HDD / 2GB Memory / 1Core CPU」が月額2,500円(日割128円)を発表。最高価格はハイスペックな「20GB HDD /
128GB Memory / 12Core CPU」月額96,000円(日割4,800円)と、全部で13のプランを月額定額、ネットワーク転送量無料のシンプルな料金体系で用意しているそうです。
また、特徴としては、障害時の即応性が高い自社開発であること、VPSで培われた最適化ノウハウを投入していること、わかりやすい料金体系をあげ、また、すでにサービス展開しているVPSとの連携も強化しているとのこと。
「IaaS cloud and/or Dedicated & VPS server」として、どちらかだけでもいいし、両方使うこともできるのが「さくらのクラウド」と紹介がありました。

さらにリリース後のロードマップも紹介され、今後(12月から2月)の実装予定としてルータ+スイッチ、ISOイメージアップロード、ファイアウォール、逆引き、大容量ストレージ、
コミュニティテンプレートが予定されているそうです。また、東京リージョンも希望が多ければ、早めに用意したいとのことでした。他にも全サービスのAPIを提供する予定だそうです。
この他にも田中氏の野望として、「さくらのクラウドのコンパネで他社のクラウドも管理できるようにしたい」とのこと、ぜひとも実現して欲しいですね。

★さくらのクラウド徹底比較

続いて新規事業室の横田氏から徹底比較と題して、他社クラウドとの価格比較がありました。
いたずらに価格を下げるのではなく、スペックに合わせて適正価格としてコストパフォーマンスが出来ているか、課金のわかりやすさを主眼に置いての価格設定を行ったそうです。

とはいえ、事前に報道されたAmazon EC2の半額以下という期待には「やらざるを得ない」ということで、Amazon Web Servicesを大きく意識しての計算になったとのこと。まずは事前報道通りの価格を実現できたとして、近いスペックのもので料金比較を発表しました。

この他のプランについては、イベント翌日のプレスリリース「さくらインターネット、サーバやネットワークを自在に構築できるパブリッククラウド「さくらのクラウド」を11月15日より提供開始」で公開されていますので、参考にしてください。
また、支払いにはクレジットカードが必須とのことなので、11月15日15時にはクレジットカードを用意してお待ちくださいとのことでした。

★さくらのクラウド活用事例その1 とある自治体様

最後に横田氏からのインタビュー形式で発表された、3月の震災時にヤシマ作戦を展開したゲヒルン株式会社石森氏による、さくらのクラウドの事例紹介。
実際、石森氏はさくらのクラウドの開発にも携わっているそうですが、今回紹介された事例は、9月20日の台風被害を受けた某自治体のお話でした。
3月の震災時と同様に急激な負荷に耐えられないインフラのサポートに苦慮したお話だったのですが、あれから半年もこういった対策は考えられていないのかなと残念に思いました。
災害時のアクセス負荷に耐え切るためにも、国や自治体にこそ率先してクラウドの導入を進めて欲しいところです。

★おまけ

さくらの夕べでは毎回いろんなノベルティが振る舞われているようですが、今回はこちら。
さくらのクラウドのいろいろな種類のロゴシールと技術評論社のSoftware Design 2011年11月号でした。Software Designの特集は「さくらインターネットを基準にデータセンターの未来を考える」です。

明解なコンセプトと価格帯で満を持してクラウドサービスに参入するさくらインターネット。
週明けの15日のリリースが期待されます。