DX開発事業部モダンエンジニアリングセクションの田村です。
Google Cloud Next’24現地参加1日目のイベントレポートをお届けいたします。

セッション情報

セッションタイトル:Putting AI to work in sustainability

このセッションでは、主要な気候テクノロジー企業、ベンチャーファイナンス、Google Cloudの企業代表者が集い、持続可能性の中でAIを活用する方法についてパネルディスカッションを行います。
そのなかで、持続的な成長の新たな源泉、コストを削減する新たな方法、そして厳格化する規制環境を乗り切るための新たな方法を模索していきます。
この記事では各社のサステナビリティにおける活動や取り組みについて記載しています。

AIによる影響

技術や革新、金融サービスや小売、サプライチェーン、農業など幅広い分野においてAIの影響を受けています。業界全体を見てみるとサステナビリティという課題への企業の対応を支援するために AIが活用されているユースケースが非常に多く見られます。例として、英国の銀行で現在の財政状況リスクが融資ポートフォリオにどのような影響を与えているかの確認や企業の調達活動が森林破壊に及ぼす影響を調査するためにAIが活用されています。

Google Cloudが重点におく4つの領域

1. measurement challenge

企業の増え続ける大量のデータを管理し、そのビジネスデータと統合していくためにパートナーとのソリューションの構築に重点を置いています。

2. optimization

企業は資源、エネルギー、廃棄物の管理方法などについて目を向けることで、既存のビジネスシステムやオペレーション、サプライチェーンの最適化に役立つ AI の大きな可能性が見えてきます。

3. growth opportunity

企業がGoogleの各種テクノロジーを利用して成長を切り拓けるように支援する。
たとえば、企業が太陽光発電に適した屋上を特定するのにGoogleMapsのAPIなどのテクノロジーを利用して成長の機会を切り開いている例などがあります。

4. sustainably on Google Cloud

企業でのリスク管理や規制の予測、コンプライアンスのためのデータ取得などについて、Google Cloudのプロダクトによってアプローチして支援し続けられること。
Google Cloud対応のサステナビリティエコシステムと呼ばれるものを構築しています。現在は40社を超えるパートナーとソリューションを検証しており、そのうちの75%はGoogle Cloud専用として構築されています。

各社のサステナビリティの活動について

Formula E(Eric Ernst氏)

Formula Eは電気自動車版のF1です。
Formula Eはスマートモビリティを一般の人々やより幅広い聴衆にもたらす一種の触媒として、AIを含むさまざまな種類のテクノロジーを観客にもたらしています。
また最大のサステナブルなフットプリント(負荷)として貨物の存在が挙げられており、これを最小限にするためにカレンダーをどのように編成し、会議開催の権限をどうするかなどの検討について下位レベルのチャンピオンシップレベルではAIが実装されています。2030年には現在行なっていることをさらに大幅削減するという高い目標をもっており、テクノロジーの隣にはサステナビリティがあるように重要な柱の1つとなっています。

Google Cloud(Denise Pearl氏)

グローバルエコシステムチャネル組織の代表です。
Googleは数十年にわたって、サステナビリティに取り組んできたが一番興味深いこととしてclimate ESGについて話すときはGoogle単体だけではなく素晴らしいパートナーと協力して取り組んでいるということです。
Googleではソリューションを提出する際に、measuring、optimizing、building、growingなどメータに沿って支援すること必要だと考え、デモンストレーション用のプラットフォームを提供しています。その多くはMarketPlaceにリストされており、そこで利用することが可能です。また全員にレポートを提供しており業務の効率性や業務の回復力だけでなく、管理面でも非常に優れていることを実証しています。
実証においては質と量のアプローチのようなものを採用しており、ソリューションが再現可能であることを確認し、運用効率の一部を実証できるように動き出しています。

Watershed(Ellen Moeller氏)

Watershed社はGoogle Cloudのパートナーとなりサステナビリティを実現しています。
自社のサステナビリティについて把握しようとしていた中で、自社の排出量がどのような状況かをclimate standsの観点でみる際にスプレッドシートを使っていました。手動で行うことによってブラックボックスとなっており、プロセスの一部でビジネスのあらゆる部分からデータを取り込む必要があるため、追跡することが困難という課題が存在していました。
実際にプログラムで大量のデータを取得し、そのデータすべてを管理するための最新のプラットフォームを利用することで、回復力の検討方法の検討、コストの削減、資料の削減などを行うことができるようになっています。
ヨーロッパでは現在、サステナビリティに関するパフォーマンスを開示するよう企業に規制上の圧力がかかり、あらゆる業界の企業と協力してサステナビリティに取り組んでいます。

GEOTAB(Megan Allen氏)

サステナビリティ製品管理チームの責任者。
GEOTAB社もGoogle Cloudのパートナーとなりサステナビリティを実現している企業の1社です。
GEOTABは電気自動車から情報を収集し、それを車両の運用を改善するための洞察に変えることで機能します。サステナビリティの分野においては排出量がどこにあるのかを理解することがインプットとなりますが、重要なことは車両で何が起こっているかといったコンテキストデータを利用して、排出量の削減を強調することが可能になります。車両の排出量を特定するだけでなく、排出量を評価するために充電ステーションを設置する必要がある場所を見つけることができるように、どの電気自動車がその排出量を引き起こすことができるかといった提案に繋げることができるようです。
Google Cloudを実際に使用している他の分野では400万台の車両からデータを収集しています。GEOTAB社は大規模で革新的な顧客と協力をしており、総じてこれらの車両についてのテクノロジーを理解しているため、エコシステム内のすべての顧客が同じ洞察を得ることができる仕組みとなっています。そのため、Google Cloudを活用したこの情報を活用することで、すべての顧客が低炭素テクノロジーへの移行をより簡単に行えるようになります。

サステナブルなAIの活用について

Formula E(Eric Ernst氏)

AIを通じてドライバーの速度はどのくらいで、食事の量はどのくらいだったかなどを直接対話できるようになりました。自動運転レベル5を見ると、ハンドルなしに空港に行けたりなどの未来もあるかもしれません。

Google Cloud(Denise Pearl氏)

Google Cloudで人工知能を使用することは新しいことではなく、データの一部に対して新しい生成的なAIの質問をどのように適用できるかを理解する必要があると思います。WatershedやGEOTABなどのテクノロジー、またはGoogle Cloud対応のサステナビリティ エコシステムに存在するその他のパートナーに依頼し始めるかどうかということについて塾考しているが、洞察の一部を組織内の他の意思決定支援システムに結び付ける機会がなかったりする場合もありますが、テクノロジーをどのように活用してパフォーマンスを向上させるかが重要と考えています。

Watershed(Ellen Moeller氏)

特にサプライチェーン内でテキストベースの情報について改めて考えるときに、生成AIを非常に興味深く思っています。サプライヤーに関する情報を取得して理解しようとしている場合、サプライヤーが何をしているのか、持続可能性は何か、それが総排出量にどのように反映されるのかなど、実際に多くの情報を取得できることは非常に強力だと考えており、同時に調査を進めている分野となっています。

GEOTAB(Megan Allen氏)

大規模なデータセットを利用して洞察を得ることができるが、本当に重要なことの1つは洞察を取得して行動に移すことを考えています。Geotab aceと呼ばれる生成AIエンジンを作成し、正しい決定なのか、また多大な予算のプレッシャーにさらされています。取得した洞察をすべて取り入れて、理解しやすく、実行可能なものにしたいと考えているようです。

まとめ

パネルディスカッションで一番印象に残っている内容は生成AIエンジンを導入しても、思ったような効果が得られず予算繰りやプレッシャーにさられてしまうという状況が発生してしまうというものです。生成AIのビジネスへの導入は始まりの部分に過ぎず、取得・洞察したデータをすべて取り入れて実行可能なものにすることで、ようやく次のフェーズに進められるのだと感じました。私も生成AIを活用する開発に参画する身として、AIを導入した後を見据えて提言できるように肝に銘じておこうと思います。

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