DAY2 の事例セッションをレポート
こんにちわ、エンタープライズクラウド事業部の新川です。
今日は、AWS Summit Japan 2024 に参加しています。
6/21(金)に行われた DAY2 の事例セッションをレポートしたいと思います。
どんなセッション?
私が聴いたセッション1つ目のテーマは、「小規模体制でも開発できた電動車椅子の自動運転サービス~ AWS IoT 、サーバレスのクラウド活用~」になります。お話くださったのはWHILL株式会社の CTO 福田 慧人 氏です。
なぜこのセッションを選んだのか? アイレットもAWS を使ったIoT システムを開発しているため興味があったことと、小規模体制の成功事例が聴きたかった!
WHILL(ウィル)さんの会社とサービスを簡単にご紹介
先ずは簡単ですが、会社と事業の内容をご紹介します。WHILL(ウィル)株式会社は、2012年創業、近距離移動のモビリティ(歩道を走れるスクーター)の製品とサービスを開発、提供されています。
分野的には自動車の自動運転に似ていますが、赤信号で停止するわけではなく、歩行者や他の機体と衝突しないように停止したり、施設ではエレベーターの呼び出しやドアが開いているかなど外部システムとの連携も重要になります。
会社のミッションは、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」とのこと。
2018年からプロトタイプの開発を数名で開始、2019年に初披露。ちょうどコロナと時期が重なったものの世界中で実証実験を行うことができ、現在では国内外で空港や病院にサービスを提供されているとのことです。
AWS IoTのシステムについて
今回のメインテーマである、どうやって小規模体制で開発、商用を実現させたのか?の秘訣を話してくださいました。
WHILLが提供するサービスのどこにAWSが使用されているか。スライドの全体像によれば、中央の自動運転サービスがAWS 上で構築されており、機体と管理者、施設オペレーター、エレベーターなどをつなぐハブの役割をしている様です。
具体的には、AWS IoT Core のサービスを使用して接続が行われ、自動運転サービスは、サービス管理、フリート管理、機体ソフトウェア管理、外部システム連携、機体協調管理を提供しているとのこと。
AWS のアーキテクチャは、以下となります。
ご覧いただくと分かる様に、すべてサーバーレスで構成されていまね!
小規模体制で成功の秘訣!
次に、気になる小規模体制で商用導入を実現させた秘訣について記載します。特に、印象が強かったことを 3つだけ!
- デザイン – ハードウェア – ソフトウェア の密な体制
- WHILL(ウィル)はハードウェアの会社と思われているが、実際の割合はハードウェアエンジニアが44% に対し、ソフトウェアエンジニアが56% なんです。各エンジニアが密接に融合していることがプロダクト・サービスを提供するうえで強みになっている。そして、乗ってもらいたくなることを大事にしていて、デザインも大事。
- 最初からカルチャーがあった
- 海外で売れるものを作る!と、”グローバルファースト”で取り組んだカルチャーがあったこと。
- 開発は1人でできた!?
- プロトタイプでは、多くのリソースをかけられない。また、海外に競合あり時間もかけられない。
- AWSを使った開発部分は、開発当初は1名、現在もたったの2名しかいない。AWS だからこそ、インフラを管理する必要はなく、顧客価値に専念できた。
また、技術的な視点で、なるほどと思ったことは、やみくもにマルチリージョンを選択しなかったことも良かったとのこと。マルチリージョンは複雑となり、コストもかかる。海外展開するからといって、マルチリージョンにする必要は必ずしもなかったとのこと。
勉強になりました!
お読みいただき、ありがとうございました!