こんにちは、MSPセクションの江崎です。

2024年8月6日、PagerDutyが主催する「PagerDuty on Tour TOKYO 2024」が東京ミッドタウン六本木で盛大に開催されました。このイベントでは、運用の最前線に立つ企業やプロフェッショナルたちが一堂に会し、最新のソリューションやベストプラクティスを学ぶ場となりました。本記事では、写真とともにイベント当日の熱量と共に魅力をお伝えします。

PagerDuty on Tour TOKYO 2024

イベントの詳細については、こちらを参照ください!

イベント名
PagerDuty on Tour TOKYO 2024
開催日時
2024年8月6日(火)
13:00-20:30 (受付開始12:30)
会場 東京ミッドタウン
ホール&カンファレンスホールA
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-1
参加対象
  • インシデント対応に関係する方
  • CIO/CTO/CDO/IT部門長の方
  • 開発/運用エンジニアの方
主催 PagerDuty株式会社

公式サイト:https://www.pagerduty.co.jp/pagerdutyontourtokyo/

イベントの概要

イベント会場は、多くの参加者で賑わい(超満員!)熱気に包まれていました。これからの運用に関する期待値の高さが伺えます。

オープニング挨拶

 

イベントの幕開けを飾ったのは、PagerDuty の代表取締役社長 山根氏による挨拶でした。

先日発生した世界規模の障害に対してもPagerDutyを利用している企業は優れた対応率を実現した。「日本企業のシステム運用現場に寄り添う」を改めてご紹介いただきました。

Keynote1

セッショントーク:Jennifer Tejada氏 / 吉川 眞之氏

Keynoteでは、インシデント管理が今後どのように企業の競争力を高めるかについて、具体的な事例を交えて説明されました。今回はKeynoteをメインにご紹介します。

 

「7月19日の世界規模の障害の影響は(インシデントマネジメントとしてどうか)」

  • 大規模障害が生じたとき、サイバーアタック?を疑ったが違った
  • JR東日本の主なサービスは影響は少なかったが、小売やホテルでは若干の影響があった。

教訓

Windowsが集中しすぎていると、リスクを回避しずらいことをテーマとして感じた。一つのシステムに集中することはリスクがあり冗長性が必要。ただしお客様にはその辺りの背景含めて原因等は全く関係ないので稼働していることが当たり前の状況をいかに実現していくかが重要と捉えている。

「PagerDuty 導入効果」

新幹線の予約はスパイク3回・GW、お盆、年末年始。そこで障害があった場合のビジネスインパクトは大きいためPagerDuty の導入効果は大きい。また人的コストの削減も可能、今後も検討していく。PagerDuty のサービスローンチを活用して効果を最大限活用していきたい

「ITのモダン化を推進するにあたっての課題」

そもそもレガシーシステムが多く、古い&新しいが入り乱れている。No Opsに近づけ様々なシステムに導入することで人間を削減し限られたリソースを必要なタスクに投入。自動化は課題が多い、そんな単純なものでもないがPagerDuty と共同していきたい。

Keynote2

AIと自動化が実現するオペレーショナル・エクセレンス:Jeffrey Hausman氏

一番のNewsは「PagerDuty Advance」のリリースが発表されたことだ。以下、公式リリースより抜粋。

  • PagerDuty Advance Assistant for Slack 通知からインシデント後のレビューまで、インシデントライフサイクルのあらゆる段階で、対応者に役立つインサイトをSlackから直接提供します。簡単なプロンプトを入力するだけで、対応者にはインシデントに関する重要な情報のサマリーが提供されます。さらに、診断に関するよくある質問への回答や、対処手段の提案も受けられるため、問題解決の迅速化につながります。(Microsoft Teams対応は近日公開予定)
  • PagerDuty Advance for Status Updates AIを利用して、発生したイベントや対応の進捗、課題に関するステータスアップデートのドラフトをステークホルダー別に自動生成する機能です。誰に何を伝えるといった煩雑なコミュニケーション業務を簡素化することで、チームは問題解決に集中できます。
  • PagerDuty Advance for Automation Digest Actions Logの機能で、自動化ジョブ実行後の重要な結果を1か所で確認できます。対応者は、診断結果に基づいた決定を行ない、そのアウトプットをキー値としてEvent Orchestrationの変数に読み込むことができます。

PagerDuty Advanceは、現在Early Accessで提供されている2つの機能も強化しています

  • PagerDuty Advance for Runbook Automation AI生成によるランブック(手順書)により、技術チーム以外の部署でも自動化の開発および展開を促進できるようになります。オペレーターや開発者は、平易な英語によるプロンプトをRunbook Automationsに変換することが可能です。または、事前に設計されたプロンプトを最初から活用することもできます。
  • PagerDuty Advance for Postmortems インシデント解決後に、ユーザーはポストモーテムを自動生成することができます。これにより、解決したインシデントに関する入手可能なデータ(ログ、評価基準、Slack上のインシデント関連のやりとりなど)の収集といったこれまでは時間がかかっていた業務を迅速化できます。AI生成によるポストモーテムは、インシデントに関する重要な所見に加え、今後の問題の発生を回避するために推奨される手段や改善ポイントを提示します。

診断と解決の改善による運用センター近代化の促進

ネットワーク運用センター(NOC)の従来の「目視監視」モデルは、今日企業に流入する膨大な量のデータを効果的に分類・対応するには、人的負担が大きすぎ、エラーが発生しやすいという課題がありました。PagerDutyは、NOCが最小限の人的労力で、スピードと再現性を高めながら、イベントから解決までを実現できる強力なソリューションを提供します。

生成AIはこの効果をさらに増幅させます。一般的な診断質問をプロンプトとして使用し、Slackから直接コンテキストを取得してアクションを加速できます。PagerDuty Advance Assistantは、問題が検出されたときにプロアクティブな支援を提供し、迅速なトリアージと修復を確実にするために従うべきステップをチームに指導します。

特にこのNOC(MSP)の人的負担軽減、エラー・ミスを最小限に抑えられるような仕組みはぜひ活用していきたい機能のひとつになると感じました。

スポンサーセッション

セッションでは、さまざまな業界のリーダーたちが登壇し、PagerDutyを活用した成功事例やビジネス戦略について語りました。また、弊社の蓮沼も登壇し、「PagerDutyを中心とする運用監視の高度化〜生成AIの活用、MSPサービスのこれから〜」をテーマに独自のアプローチでオペレーション効率を向上させた事例を紹介しました。

蓮沼の登壇内容についてはこちらを参照ください。

 

振り返り

ペイジーくん発見!

PagerDuty on Tour TOKYO 2024は、インシデント管理の未来を探る貴重な機会となりました。Keynoteでも言われていた「生成AIだけでは完成しない。人がそこに関わることでより価値を高められる」という言葉が一番印象的なイベントとなりました。人手不足が加速度的に進む中、我々MSPチームとしても貴重な人的リソースをより必要なタスクに配置できるようPagerDuty の新しい技術と戦略を学ぶことで継続的な改善を図っていきたいと思います。今後もPagerDutyの動向に目が離せません!

おまけ

やはり外資系の企業はキャラクター含めデザイン性もセンスある!!

会場にはたくさんのペイジーくんが隠れていました。それぞれ可愛らしく遊び心がまた楽しい。