はじめに

Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)は、Amazon EC2インスタンスで使用するためのブロックストレージサービスです。EBSスナップショットは、EBSボリュームのバックアップとして利用され、災害対策やデータの保護に役立ちます。

今回のアップデートで、EBSのフルスナップショットのサイズがコンソール画面から確認可能になりました。
本記事では、EBSスナップショットの基本とともにアップデート内容のメリットについて解説します。

EBSスナップショットの基本

EBSスナップショットは、EBSボリュームのバックアップ機能です。スナップショットは、ある時点のボリュームの状態を保存し、必要に応じてボリュームを復元するために使用されます。

スナップショットの種類

EBSスナップショットには、以下の2種類があります。

  • 完全なスナップショット(フルスナップショット):
    • ボリュームから最初に作成されるスナップショット。
    • スナップショット作成時のボリューム内の全データブロックを保存します。
  • 増分スナップショット:
    • 2回目以降に作成されるスナップショット。
    • 前回のスナップショットからの変更点(変更または追加されたデータブロックのみ)を保存します。

スナップショットのサイズとコスト

  • フルスナップショット:
    • サイズは、ボリュームのサイズではなく、実際に使用されているデータのサイズによって決まります。
    • ストレージコストも、使用されたデータ量に基づいて課金されます。
    • 例:200GiBのボリュームで、50GiBのデータのみ使用している場合、フルスナップショットのサイズは50GiBとなり、50GiB分のストレージコストが発生します。
  • 増分スナップショット:
    • サイズとストレージコストは、前回のスナップショットからの変更データ量によって決まります。
    • 例:上記の200GiBボリュームで、その後20GiBの変更と10GiBの追加があった場合、増分スナップショットのサイズは30GiBとなり、30GiB分のストレージコストが発生します。
  • コストについてより詳細に知りたい場合は Amazon EBS の料金のドキュメントをご確認ください。

重要なポイント

  • スナップショットのサイズとコストは、ボリュームのサイズではなく、実際に保存されるデータ量に依存します。

フル・スナップショット・サイズ

今回のアップデートで、EBSスナップショットの「フルスナップショットサイズ」がコンソール上で確認できるようになりました。これにより、スナップショットに含まれるすべてのデータの合計サイズを把握できます。

どのリージョンで利用できるか

この機能は、すべての商用AWSリージョンおよびAWS GovCloud(米国)リージョンで利用可能です。

今まで何に困っていたのか

従来は、EBSスナップショットの完全なサイズを正確に把握することが困難でした。スナップショットは増分バックアップであるため、コンソールに表示されるサイズはボリュームサイズのみであり、スナップショットのサイズを把握するためにはEBS direct APIを使用する必要がありました。
しかし、APIを使用しても、スナップショットのサイズを正確に計算するためには複雑な処理が必要でした。

このため、以下のような課題がありました。

  • スナップショットのサイズを正確に把握できず、コスト管理が困難
  • スナップショットのサイズを手動で計算する必要があり、手間がかかる

以下添付画像の通り、従来のコンソールではボリュームサイズのみのため、スナップショットのサイズを簡単に確認できません。

アップデートの結果

今回のアップデートにより、EBSスナップショットの完全なサイズをコンソールとAPIで簡単に確認できるようになりました。これにより、以下のようなメリットがあります。

  • スナップショットのサイズを正確に把握し、コスト管理を改善
  • スナップショットのサイズを手動で計算する手間を削減
  • スナップショットのサイズに応じた適切なバックアップ戦略を策定

コンソール右側の歯車を押下すると、詳細設定内にて「フルスナップショットサイズ」列の有無を選択できます。

コンソールでは、スナップショットのリストに「フルスナップショットサイズ」列が追加され、
以下画像のように調べやすくなりました。

まとめ

今回のアップデートにより、EBSスナップショットの完全なサイズを簡単に把握できるようになり、コスト管理やバックアップ戦略の策定が容易になりました。EBSスナップショットをより効果的に活用するために、ぜひこの新機能をお試しください。

また、AWSのアップデートは非常に早く、今回のように便利な機能がどんどん追加されていきます。AWSのアップデートをキャッチアップしていくのは大変ですが、うまく活用することで日々の運用を効率化できるかと存じますため本記事も参考にいただけると幸いです。

参考にした記事は以下です。