概要

イベントの概要や基調講演については以下記事を参照ください。

【AI Agent Summit ’25 Spring】基調講演セッションレポート

基調講演に続いて、アイレットの山中による、生成 AI 活用のカギは社内浸透！Vertex AI 事例と AI エージェントの未来 のセッションに参加してきました。

このセッションではAIエージェントが必要になった背景と、Google Cloud上でAIエージェントを実装する方法、またウエスコ様の事例の説明が行われました。

AIエージェント登場の背景

まずはAIエージェントが必要になった背景について解説が行われました。

従来のLLMやRAGでは複雑なタスクに対応できない。そこで自律的に思考し、繰り返しアクションを行えるAIエージェントの需要が高まってきました。

AIエージェントの紹介

AIエージェントの例として飛行機を予約する例が紹介されました。

これはユーザーが「明日の飛行機を予約して」と簡易的な指示を行うことで、AIエージェントが接続されているデータソースのカレンダーから明日の予定を把握。その後に目的地を理解して旅行サイトで予約を行う。という一連の流れをAIエージェントが独自に思考してアクションを行うことで目的を達成することができます。

 

AIエージェントの現状

続いてAIエージェントの現状が解説されました。

現在、AIエージェントという言葉がバズワードになっていますが、AIエージェントの明確な定義はなく曖昧に定義されているとのこと。

ただここで重要なのはエージェントの定義ではなく、様々なシステムが程度の違いはあれどエージェントになり得るということを理解するのが重要

なので、エージェントかよりもエージェント的であるかが重要

エージェント的とは具体的にどういう状態か。

自律性があり、LLMが複数回実行され、Web検索などの様々なエージェントと連携を行い、自己改善がなされ、タスクの遂行能力があることと説明がされていました。

またエージェント導入時に重要な方針として、エージェントごとの性質を理解しそのタスクに適切なエージェントを導入することが重要とのこと。

Agent Builderの紹介

次にGoogle CloudでGUIを用いてエージェントを構成するサービスである、Agent Builderの紹介がされました。

Agent Builderにはさらに以下の2つの機能があるとのこと。

  • Conversational Agents
  • Search、Commerce

 

ウエスコ様事例のご紹介

続いてウエスコ様の事例の紹介がされました。

ウエスコ様は統合建設コンサルタント事業を展開されている会社様です。

ウエスコ様では過去に発生した設計ミスを繰り返さないように再発防止策として、過去の設計ミス情報の検索ツールを構築されました。

ですが、Agent Builderのコンソール上から問い合わせを行うオペレーションですと、社内であまり利用されず浸透しなかったとのこと。

 

そこで今回、ナレッジを最大限活用しつつ社内浸透するツールを開発したいというご要望をお持ちでした。

また最終的には内製化されることを検討されていらっしゃったため、アイレットは今回より利用してもらえるUI/UXの開発と内製化支援を担当させていただきました。

具体的には裏側はナレッジの蓄積や検索自体はAgent BuilderのAPIを活用しつつ、検索を行うチャットボットのフロントエンドをスクラッチで開発しました。

このチャットボットでは以下の機能を持っています。

  • 1. 過去の事例をグラウンディングして回答を生成
  • 2. 個人情報を出力しないようにマスクを行いプライバシーを保護
  • 3. 1で参照した過去事例のGCSの署名付きURLを表示し、参照ファイルを閲覧可能
  • 4. 今回質問した内容に関連する質問のサジェスト

またローンチ後もウエスコ様が自走して運用、追加開発できるように、引き継ぎ資料の充実化も行いました。

これにより支援終了後にウエスコ様自身でモデルのアップデートなども対応いただくことができました。

今回のアーキテクチャはフロントエンドにFirebase App Hostingを利用し、バックエンドにAgent Builderを活用しています。

最後に

最後にGoogle Cloudを活用して、RAGチャットボットを開発することのメリットが紹介されました。

また今回の開発により、以前より社内浸透しやすいRAGチャットボットを開発でき、また内製を実現することができました。

最後にアイレットでは生成AIを通じてより豊かな未来をお客様と想像していきます。 という形で締めくくられました。

またアイレットにはそれを実現するための各種生成AI系サービスも展開されています。

感想

いかがでしたでしょうか。

実は山中くん、まだ新卒3年目なんです。ですが、この大舞台で落ち着いてセッションを行っている姿を見て感動してしまいました。

本イベントのセッションは後日アーカイブ配信されますので、是非そちらもご覧いただければ幸いです！

また本セッションで紹介させていただいた、ウエスコ様の事例は以下ページでも詳細に解説されています。

RAG 型チャットボットで社内のナレッジ検索をもっと気軽に！生成 AI を活用し人的ミスを防止する開発プロジェクトの内製化を支援