概要

2月に開催いただいた「Vertex AI Search for commerce」ハンズオンに続き、2025年3月19日、Google Cloud様ご協力の下「Google Agentspace」のハンズオンを開催いただきました。
本記事では「Google Agentspace」とは?から、実際のハンズオンの概要について紹介させていただきます。

前回の「Vertex AI Search for commerce」ハンズオン参加レポートはこちらから。

Google Agentspaceについて

AIと自動化技術を活用して、企業や開発者がより効率的にアプリケーションやサービスを構築・運用できるよう支援するプラットフォーム。※現在(2025年3月時点)は早期アクセスプログラムが提供されている状態です。

Google ドライブやGmailなどのGoogleソースに限らず、Slack、box、SharePoint、GitHub、Outlookなどの多くのサードパーティアプリケーション用のビルド済みコネクタを使用して情報を読み取ることができるため、あらゆる企業データを統合しシームレスに業務をサポートすることができます。

アプリケーション側の ACLs (アクセスコントロールリスト) を利用し、見えてよいデータをユーザーごとに制御できるため、従業員ごとに合わせた活用が可能です。

プライベートな情報源とウェブの情報源から検索はもちろんのこと、要約、生成、会議の設定やメール送信などのアクションが行えます。

アクションに関しては、たとえばメール作成の場合は宛先、件名、本文など指定通りに設定し、”残りは送信するまで”をAIで対応するゴールとして作成してくれます(OAuth認証、送信の実施は手動)。

最後のアクションは手動で行えるため、誤った宛先へ送信してしまったりすることがないように考慮されています。

当ハンズオンのご担当者様

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 パートナーエンジニア 中谷 祐輔様

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 パートナーエンジニア
中谷 祐輔 様

パートナー様のGoogle Cloud導入を支援
2児の父
ランニング、サウナ、辛いもの、🍺

前回に引き続き、中谷様に開催いただきました。

当ハンズオンの内容

今回のハンズオンは、Google Cloud のパートナー企業向けに提供されている Google Cloud Skills Boost for Partners 内のラボを用い、以下 2 つのケースに分けて実施いただきました。

  • Googleソース(Google ドライブ、Google カレンダー)と接続し、データを基にGoogle Agentspaceからメールを送信
  • Google Agentspaceから出張リクエストを行い、Playbook、Cloud Run functionsを介しBigQueryにリクエストを保存する

Googleソース内データを基にGoogle Agentspaceからメールを送信

1.Google ドライブとGoogle カレンダーにコンテンツを追加する

  • Google ドライブに「○○ショップ第4四半期売上データ.xlsx」、「○○ショップ売上分析レポート.docx」をアップロード
  • Google カレンダーにカレンダーイベントを作成

2.Agent Builder認証を構成し、各Googleソースと紐づけGoogle Agentspaceアプリを作成する

3.OAuth同意画面を作成、Google Gmailアクションを追加する

  • Google Agentspaceからメールの下書きを生成できるようにする

4.Google Agentspaceにてクエリを実行する

  • 「○○ショップの都市別第 4 四半期売上データにおいて、最も実績が高かった都市はどこですか?」
    • Google ドライブに格納したデータを基に回答を返却
  • 「売上分析レポートから得られる洞察にはどのようなものがありますか?」
    • 要約を迅速に作成し、回答を返却
  • 「先ほどの要約を[指定アドレス]宛てにメールで送信したいです。」
    • Google Agentspace内で、指定アドレス宛に要約を記載した下書きを作成
    • ユーザーによってOAuth認証を行った後、送信まで可能

Google Agentspaceから出張リクエストを行い、リクエストを保存

1.出張リクエストを記録するBigQueryテーブルを作成する

2.リクエストを記録するCloud Run functionを作成する

  • 旅行リクエストをBigQueryに書き込む処理を記述する
  • BigQueryとCloud Run functionを紐づける

3.Cloud Run functionを呼び出す会話エージェントツールを作成する

  • ツールを使用して出張リクエストを記録できるようになる

4.会話型エージェントのPlaybookを作成する

  • 自然言語でリクエストを受け取り、ツールを使用してCloud Run function経由でBigQueryテーブルに書き込むことができる会話エージェントを作成する
  • 出張申請の記録完了後、24 時間以内に選択可能なフライトのリストがメールで届くことを知らせるよう設定する

5.BigQueryデータストアを作成する

  • BigQueryデータストアを設定し、過去含め記録された出張リクエストをクエリしてアクセスできるようにする

6.Google Agentspaceアプリを作成する

7.会話エージェントをGoogle Agentspaceアプリに統合する

8.Google Agentspaceアシスタントを介して会話型エージェントと対話する

  • 「シンガポールからアイオワ州カウンシルブラッフスまで、2025 年 4 月 1 日に出発し、4 月 14 日に帰国するデータセンターツアーの旅行を予約します。」
    • 氏名、旅行目的、出発都市、目的都市、出発日、帰国日が通信通りBigQueryで新規保存されていることを確認
    • 24 時間以内に選択可能なフライトのリストがメールで届く旨が返却され、会話が終了する

学習手順に沿っての内容のみでなく、さらに応用的な活用方法やカスタマイズなども共有いただきボリューム満載でした。

最後に

AIエージェントの活用がビジネスに与えるインパクトの大きさを改めて実感しました。Google Agentspaceは、業務の自動化だけでなく、API連携やカスタマイズの柔軟性にも優れており、幅広い業界・業務プロセスに適応できるポテンシャルを感じました。

特に魅力的だと感じたのは、シンプルな設定手順と、AIエージェントの高度なパーソナライズ性です。これにより、クライアントのニーズに応じた最適なソリューションの設計・提案がスピーディーに行える点は、導入のハードルを大きく下げる要素だと思いました。

アイレットではGoogle Agentspaceの導入支援や、運用の最適化を積極的に推進し、クライアントの業務効率化やDX促進に貢献していきたいと考えています。これからの展開が非常に楽しみです!