2025年5月28日(木)に開催された「Data & AI Summit ’25 Spring」に現地参加してきましたので、会場の雰囲気やセッションの紹介をしたいと思います。
Data & AI Summit ’25 Spring

会場の様子

オフラインの会場は、Googleさんの渋谷オフィス。何度か訪れたことがありますが、洗練されていてオシャレだなと毎回感激してしまいます!
今回のイベントは、展示ブースはなく、3つのセッション会場があり、Google Cloud の方やパートナー企業の方のセッションが行われていました。どの会場も多くの人で埋め尽くされ、立ち見が出るほどのセッションもあり、「生成AI」と「データ」というキーワードへの関心の高さが伺えました。

セッションレポート

アイレット DX開発事業部の矢原が登壇した「データと Gemini 2.0 でカラオケ UX と業務効率を向上する第一興商様の DX」について紹介したいと思います。
データと Gemini 2.0 でカラオケ UX と業務効率を向上する第一興商様の DX

セッション概要

社内に眠るあらゆるデータが業務改善やビジネス チャンスとなる可能性を秘めています。
アイレットと先進的な生成 AI 活用を進めている第一興商様の生成 AI 活用事例を一挙ご紹介いたします!
特にローンチ間もない Gemini 2.0 を使った生成AIによる汎用的なデータ処理の事例については必見です。
Google Cloud と生成 AI が皆様のデータ活用の可能性をさらに広げます。

第一興商様のこれまでの生成AI活用事例

第一興商様については、これまで継続して生成AIを活用した業務効率化を行っており、アイレットが開発の支援をしています。
これまでの事例については、下記の事例紹介をご覧ください。
生成 AI の活用で DX 促進!Google Cloud と Gemini で人的リソースのかかる集計業務を大幅改善
生成 AI で DX を加速!Gemini 2.0 Flash で顧客体験向上と業務効率化を実現する開発および内製化支援

今回取り組んだ2つの課題

今回新たに取り組んだ以下の2つの課題について紹介していました。
①楽曲の歌詞、特に新曲の歌詞をデータ化するのに、画像やPDFから文字起こしを手作業で行っており工数がかかっている
②検索データの整備ができてない

課題① 歌詞の文字起こしに時間がかかる

1つ目の課題は、歌詞が入ったPDFや画像などを文字起こしをしてデータ化する必要があり、これまで手打ちで歌詞を文字起こしをしていて、工数がかかっていたとのこと。

課題② 検索データの整備ができていない

2つ目の課題は、検索データが整備されていない課題について、ユーザーが母国語で、海外の楽曲を検索した時にヒットしないという課題があった。
例えば、中国語の簡体字・繁体字について、同じ曲でも入力した文字列により、簡体字・繁体字のどちらかが検索にヒットしないという事象が発生していて、同様の事象がが複数の言語で発生している状況だったようです。

ユーザーが認識している言葉と検索データの言葉の違い

ユーザーが認識している言葉と検索データの言葉が一致していないと検索にヒットしないという問題もあるようです。
例えば、「仰げば尊し」を単純に機械翻訳すると、「Looking Up, I respect you」といった直訳になりますが、英語圏では「Song for the Close of School」というタイトルで認識されている。

課題の背景

課題の背景として、多言語の検索データを整備するのに、多言語を扱うことができる人の不足と人的コストがかかってきてしまうといった理由がありました。

実施したソリューション

これらの課題を解決するために提案したソリューションとして、「多言語対応の楽曲情報変換」と「歌詞の文字起こし」などができる生成AIを活用した汎用ツールを開発し、スピーディなデータ整備化を実現することでした。

簡体字→繁体字変換 構成

「簡体字」を「繁体字」に変換するのに、作業担当者が楽曲情報が書かれたテキストファイルを「Cloud Storage」にアップロードすると、「Cloud Run Functions」が楽曲情報を翻訳するための「Cloud Run Jobs」が実行され、「Vertex AI」の「Gemini」で翻訳が行われ「Cloud Storage」にテキストファイルで変換結果を出力します。
出力結果をDAMのデータベースに登録を行うことで繁体字でも検索がヒットするようになりました。

歌詞文字起こし 構成

歌詞の文字起こしも繁体字変換の構成と同様で、画像やPDFをアップロードすると、最終的に「Cloud Storage」に文字起こしがされたファイルが出力されます。
Geminiは、歌詞カードの中に入っているタイトルや作曲者名などの情報を取り除いて歌詞のみを出してくれる精度も高いようです。

他の作業でも利用できるように処理を汎用化

多言語変換や他の業務でも利用したり、色々なデータに対してアウトプットデータを作れるよう拡張し、社内活用やDAMのシステムへ登録できるように汎用化をしました。

DXの実現と結果

多言語変換を行った結果

楽曲情報の多言語変換を行ったことで、検索にヒットするようになり、曲揃えの充実の満足度向上にもつながっているとのこと。

歌詞の文字起こしを生成AIを活用した結果

生成AIで歌詞の文字起こしをスピーディに行えるようになったことで、新曲の歌詞データをいち早く準備し楽曲を届けれるようになった。

Google Cloud を使うメリット

Google Cloud を使うメリットとして、「Geminiなどを利用し低コストで早く小さく作ってすぐに試すことができる」、「低コストで運用を行うことができる周辺サービスが充実していて拡張が可能」なので、最適な生成AI活用プラットフォームと言える。

生成AIと共生

日々、新しい技術が生まれてきて、変化のスピードが激しい時代だからこそ、どこまで開発するのかを見極めて作っていくことが重要になってきます。
内製化の意義は、ビジネスを理解した現場視点を持つ方が生成 AI と共生することで、価値のあるソリューションを生み出すこと。

アイレットの Google Cloud 生成 AI 活用支援サービス

アイレットでは、生成AIを活用したDX推進で、お客様の課題解決のための伴走支援を行っています。
生成AIチャットボットの開発はもちろん、生成AIによるタスクの自動実行の開発など様々なケースで開発から構築まで行っています。
単なる技術導入にとどまらず、お客様のビジネスに寄り添い、課題解決と新たな価値を生み出すために、生成AIを活用した様々なソリューションをご提供しています。
DX推進や、生成AIの導入や活用にお困りの方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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