概要

  • こんにちわ、新川です。Oracle Cloud Infrastructure (OCI) のOKE に入門中です。OKE は、正式名称「Oracle Cloud Infrastructure Container Engine for Kubernetes」。OCI が提供するマネージドのKubernetes サービスで、コンテナ化されたアプリケーションを構築し、運用・管理を容易にするサービスです。AWS でコンテナを利用する機会が多かったため、次はOCI の学習の一環で、OKE を使い始めました。
  • これまでOCI の学習には、Oracle Cloud Free Tier(無料トライアル)を使用していました。今回、OKE クラスタを作成しようとしたのですが、「Limit Exceeded」エラーが発生してしまいました。この記事では、最初の壁をどのように乗り越えたかをご紹介します。

 

「Limit Exceeded」エラー発生

  • OCI の管理コンソールから、OKE のクラスタを作成しました。クラスタ、ネットワーク、ノードプールの設定を行いました。
  • 今回、コストを抑えるために以下の構成を選択しています。
    • ワーカーノード:無料で利用可能なシェイプ「VM.Standard.A1.Flex」
    • クラスタタイプ:追加費用のかからない「Basic Cluster」
      • OKE には2つのクラスタタイプがあり、「Enhanced cluster」はすべての機能が提供されクラスタ単位で課金があります。Basic Cluster はコア機能のみ提供され、クラスタには課金はなくノードプールを構成するIaaS の課金だけで利用できます。

 

  • 「Create cluster」のボタンを押した後、次の画面となりました。

 

原因の特定

  • 出力されたエラーメッセージ「The cluster limit for this tenancy has been exceeded」から、このテナンシーで作成できる制限を超えたことが分かります。しかし、他に作成済みのクラスタはありません。テナンシー内の仮想マシンはすべて終了しております。
  • それでは、エラーメッセージに従い、現在の制限値を確認します。OCIの管理コンソールにて、左ナビゲーションから「Governance & Administration」→「Limits, Quotas and Usage」を選択します。
  • Serviceに「Container Engine」を選択します。
  • 以下の表示が示すように、cluster-count の制限、node-count の制限は「0」であり、制限に達しており作成できないことが分かりました。

 

  • そこで、制限緩和をリクエストしようとしましたが、もう1つの壁にぶつかりました。「Request a service limit increase」を選択しましたが、Free Tier のアカウントでは依頼できないようです。

 

アカウントのアップグレードとクラスタ作成の再試行

  • OCIの管理コンソールにて、左ナビゲーションから「Billing & Cost Management」→「Upgrade and Manage Payment」を選択します。
  • 「Upgrade your account」ボタンを押します。
  • アップグレードに不安を感じるかもしれませんが、無料枠を使い続ける限り料金は発生しません。ご安心ください。
  • 手続きが完了するまで待ちます。私の場合は3時間ほどかかりました。

 

  • 再度、左ナビゲーションから「Governance & Administration」→「Limits, Quotas and Usage」を選択します。
  • Serviceに「Container Engine」を選択します。
  • 以下の表示が示すように、cluster-count の制限、node-count の制限が増えていることが分かります。

 

  • 次は、無事にクラスタ作成に進めました。

 

まとめ

  • 今回経験したOKE クラスタ作成時の「Limit Exceeded」エラーは、アカウントのアップグレードを行う必要がありましたが、学習を行う際に、「Basic Cluster」は課金されず、ワーカーノードを構成するシェイプ「VM.Standard.A1.Flex」は無料枠で利用できます。
  • 一見、アカウントのアップグレードは戸惑うかもしれませんが、無料枠を正しく理解すれば、OCI をコストを抑えながら活用することができます。この記事が、みなさんのOKE 学習の第一歩を後押しできれば幸いです。