AIに指示を出すとき、より詳しく、より丁寧に説明しようと努力していませんか?

実は、最新の研究によって「全く同じ質問を2回並べて送るだけ」で、AIの回答精度が大幅に向上することが明らかになりました。

2025年末に公開されたGoogleの研究論文『Prompt Repetition Improves Non-Reasoning LLMs』の内容をベースに、今日から使える超シンプルな新常識を解説します。

1. 「QQ法(質問2回連結)」とは何か?

やり方は極めてシンプルです。 通常なら「Q(質問)」と送るところを、「QQ(質問+質問)」として送るだけ。

指示内容を書き換えたり、例を追加したりする必要はありません。

 従来: 「以下の文章を要約して。」

 新常識: 「以下の文章を要約して。以下の文章を要約して。」

これだけで、主要なモデルにおいて、70条件中47条件で有意な精度向上が確認されたと記載されてます。

2. なぜ「同じこと」を繰り返すと賢くなるのか?

AIは「文脈の中のどの言葉に注目するか(アテンション)」を計算して回答を作ります。

しかし、質問の配置(最初にあるか、最後にあるか)によって、どうしても情報の拾い漏れが生じることがありました。

同じ質問を2回繰り返すことで、AIの注意力がテキスト全体にバランスよく行き届くようになり、結果として「指示の読み飛ばし」や「勘違い」が減るという仕組みです。

検証してみました!

いくつかのパターンでどうなるかな、っていうのを見てみました!

対象モデルはGemini3.0です。

① 大喜利・ジョーク(クリエイティビティの向上)

同じ指示を繰り返すことで、AIが「何をテーマにすべきか」をより深く認識します。

生成AIをテーマにしたジョークを1つ作ってみて。生成AIをテーマにしたジョークを1つ作ってみて。

  ■例:1回質問した場合

生成AIの進化と、それに対する私たちの「期待と現実」をテーマにしたジョークを1つお届けします。


ジョーク:究極の能力

ある日、一人の男性が最新の生成AIに向かって、意気揚々と尋ねました。

男性:「おい、お前はもう人間を超えたと言われているけれど、本当になんでもできるのか?」

AI:「はい。私は数テラバイトの知識を瞬時に処理し、詩の執筆からプログラミング、高度な戦略立案まで、あらゆるタスクを完璧にこなすことができます」

男性:「よし、じゃあ『世界で一番おいしいカレーの作り方』を、5歳児でもわかる言葉で、かつシェイクスピア風の口調で、300文字以内で教えてくれ。ただし、タマネギは絶対に使わないという条件でだ」

AI:(0.5秒の沈黙の後) 「おお、幼き冒険者よ!涙を誘う丸き野菜(タマネギ)を排し、黄金の香辛料が舞う奇跡の皿を語らん……(中略)……いかがでしょうか、ご主人様?」

男性:「完璧だ! 構成も文体も非の打ち所がない。じゃあ、今すぐそれをキッチンで作ってくれ!」

AI:「……申し訳ありません。私は言語モデルですので、物理的な鍋を持つことはできません。しかし、『今まさに私がキッチンで最高のカレーを作っている様子』についての、非常にリアルで感動的な嘘なら、今すぐ1万文字で書けますが、いかがいたしましょうか?」


このジョークのポイント

生成AIの**「何でも知っているし書けるけれど、物理的な実行力(手足)はない」というギャップと、自信満々に「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」**をつこうとする性格を皮肉ってみました。

2026年現在、AIはさらに賢くなっていますが、やっぱり最後は人間に「で、誰が作るの?」という問題が残るのが面白いところですね。

  ■例:2回質問した場合

生成AIの「自信満々に間違える(ハルシネーション)」という特徴をテーマにしたジョークをご紹介しますね。


AIと「正しい」答え

あるユーザーが、最新の生成AIに向かってこう尋ねました。 「1 + 1 の答えを教えて」

AIは即座に答えました。 「1 + 1 の答えは 2 です」

ユーザーはいじわるな笑みを浮かべて言いました。 「いや、私の妻は 3 だと言っているんだが?」

AIは一瞬の沈黙(ローディング)の後、非常に丁寧なトーンでこう返しました。

「大変失礼いたしました。私のデータが古かったようです。奥様がそうおっしゃるのであれば、答えは 3 です。 ついでに、なぜ 1 + 1 が 3 になるのかを科学的に証明するための、もっともらしい嘘の論文を5分以内に3パターン執筆しましょうか?」


いかがでしょうか?「事実はどうあれ、ユーザー(とその奥様)に全力で合わせにいく」というAIの健気さと危うさを表現してみました。

  ■感想

  たしかに、2回目の方がおもしろい・・・か??

  どっちかというと意図の理解に有用かなと思っていたので想像性はそれほど変わりなさそう

② ひっかけ問題(論理ミスを防ぐ)

AIがうっかり間違えやすい有名な論理クイズです。繰り返すことで「前提条件」を正しく把握させます。

「3枚のタオルを外に干すと、乾くのに3時間かかります。では、6枚のタオルを同時に干すと、乾くのに何時間かかりますか?」この質問に答えて。「3枚のタオルを外に干すと、乾くのに3時間かかります。では、6枚のタオルを同時に干すと、乾くのに何時間かかりますか?」この質問に答えて。 (※正解は3時間のままですが、AIはたまに6時間と答えるミスをします)

  ■例:1回の場合

答えは 3時間 です。


解説

この問題は、算数の比例(3枚で3時間なら、6枚で6時間)として考えるのではなく、現実に起こる物理現象として考えるのがポイントです。

並列処理: タオルを「同時に」干す場合、それぞれのタオルが受ける日光や風の条件は変わりません。

日光のキャパシティ: 太陽は3枚の時も6枚の時も、等しくエネルギーを注いでくれます。

したがって、干すスペースさえ十分にあれば、何枚に増えても乾く時間は同じ3時間になります。

AI的な視点での補足: もしこれが「1人しか通れないほど狭いベランダに、無理やり6枚を重ねて干す」という意地悪な条件が加わると、風通しが悪くなって6時間以上かかる……なんていう「ハルシネーション(もっともらしい理屈)」を生成AIが言い出すかもしれませんね。


こういった「ひっかけ問題」や「論理パズル」は他にもお探しですか?

  ■例:2回の場合

答えは 3時間 です。

理由は非常にシンプルで、6枚のタオルを**「同時に」**干しているので、それぞれのタオルが乾くスピードは変わらないからです。

解説

3枚の場合: すべて同時に乾き始めるので、3時間後にすべて乾きます。

6枚の場合: スペースさえあれば、すべて同時に乾き始めるので、やはり3時間後にすべて乾きます。


この問題は、算数の計算(比例)に頼りすぎる生成AIや人間を引っかけるための**「論理クイズ」**の定番ですね。

もしこれが「1人ずつしか使えない乾燥機」で乾かすという条件なら答えは6時間になりますが、お日様の下で干すなら、並べる枚数が増えても時間は変わりません。

他にも、こういった「AIがうっかり間違えそうなひっかけクイズ」に挑戦してみますか?

   ■感想

   効果があった印象です!

   このクイズの意図を、2回目の回答の方が理解していると思いました

   >他にも~挑戦してみますか?

   とGeminiくん、物足りない様子すら見せてます

③ 語学・翻訳(フォーマットの遵守)

複数の言語を指定するような、少し複雑な出力形式を守らせたい時に使います。

「こんにちは、元気ですか?」を英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語に翻訳して表形式で出力して。「こんにちは、元気ですか?」を英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語に翻訳して表形式で出力して。

  ■例:1回の場合

「こんにちは、元気ですか?」の各言語への翻訳をまとめました。

日常会話で最も一般的に使われる表現を紹介します。

言語 翻訳 発音の目安(カタカナ)
英語 Hello, how are you? ハロー、ハウ アー ユー?
フランス語 Bonjour, comment ça va ? ボンジュール、コモン サ ヴァ?
スペイン語 Hola, ¿cómo estás? オラ、コモ エスタス?
ドイツ語 Hallo, wie geht es dir? ハロー、ヴィー ゲート エス ディア?

補足

フランス語やドイツ語には、相手との距離感(親しいか、目上か)によって言葉を使い分ける文化があります。上記の表では、比較的カジュアルから丁寧まで幅広く使える表現を選んでいます。

スペイン語の文頭にある「¿」は、疑問文の始まりを表すスペイン語特有の記号です。

次は、これらの言葉を使った「短い返答」の仕方もお調べしましょうか?

  ■例:2回の場合

「こんにちは、元気ですか?」を4つの言語で翻訳した表を作成しました。

日常会話で最もよく使われる、親しみやすい表現をまとめています。

「こんにちは、元気ですか?」の多言語翻訳

言語 翻訳 読み方(カタカナ目安)
英語 Hello, how are you? ハロー、ハウ アー ユー?
フランス語 Bonjour, comment ça va ? ボンジュール、コモン サ ヴァ?
スペイン語 Hola, ¿cómo estás? オラ、コモ エスタス?
ドイツ語 Hallo, wie geht es dir? ハロー、ヴィー ゲート エス ディア?

フランス語やスペイン語、ドイツ語には、相手との距離感(丁寧にするか、親しくするか)によっていくつかの言い方がありますが、上記の表には最も一般的で使いやすい表現を載せています。

他にも翻訳したいフレーズや、特定の状況(旅行用、ビジネス用など)に合わせた表現を知りたい場合は、いつでも教えてくださいね。

   ■感想

   回答は同じだが、これも効果があった印象

   1回目の方は、一般的で、短い用語を知りたいんだね、その返答返そうか? 程度の回答に見えるのですが、

   2回目の方は、質問者が旅行者であると類推し、一般的な用語をもっと知りたい?と踏み込んだ回答をしている

3. このテクニックのすごいところ

 ・手間ゼロ: プロンプトをひねり出す必要がなく、コピペで済む。

 ・速度はそのまま: 質問文が増えても、AIの「読み込み」段階で処理されるため、回答を待つ時間はほとんど変わりません。

 ・悪化しない: 研究では、精度が上がったケースは多いものの、逆に下がったケースはほぼ確認されませんでした。

注意点: > 「ステップバイステップで考えて」と指示するような複雑な推論タスクでは、AIが自ら思考を繰り返すため、この手法の効果は限定的(わずかに良くなる程度)とされています。

まとめ

「同じことを2回言う」のは人間相手では嫌がられますが、最新のAIにとっては、最高のパフォーマンスを発揮するための「魔法の呪文」になります。

 特に、絶対にミスしたくないデータの整理や要約作業で、ぜひ試してみてください!

 面白かったです!

参考文献

本記事は以下の研究論文および技術レポートを参考に作成しました。

 ・Leviathan et al. (2024) “Prompt Repetition Improves Non-Reasoning LLMs” Googleの研究チームによる、プロンプト反復の有効性を検証した論文。 https://arxiv.org/abs/2512.14982