はじめに
2025年11月、Amazon EBS (Elastic Block Store) の「ごみ箱 (Recycle Bin)」機能において、新たに EBS ボリュームがサポートされました。
これまでは削除されたボリュームの復旧にはスナップショットが必要でしたが、本機能により、削除後も一定期間内であればごみ箱から直接復旧することが可能です。
AWS 公式ドキュメント:ごみ箱に Amazon EBS ボリュームのサポートが追加
なにが変わったの?
これまで EBS ボリュームの復旧手段は、削除前に取得していたスナップショットからの復元のみでした。
しかし、今回のアップデートにより、保持ルールを設定しておくことで、削除されたボリュームそのものを即座に復旧できるようになりました。
本機能を利用するメリット
- データ損失の最小化:最後のスナップショット取得以降のデータ損失を防ぎ、より短いRPO(目標復旧時点)を実現できます。
- 迅速なパフォーマンス発揮:スナップショットからの復元(初期化によるレイテンシ)と比較し、復元後すぐに本来のパフォーマンスを発揮できます。
- 属性の完全な継承:ボリューム ID やタグ設定も、削除前の状態のまま復元されます。
注意事項
利用にあたっては、以下の点に注意が必要です。
- 保持期間の制限:本記事執筆時点での EBS ボリュームの最大保持期間は 7日間 です。
- コストの発生:ごみ箱に保管されている間も、通常の EBS ボリュームと同じ料金が課金されます。
保持期間やコストの観点から、長期的なアーカイブではなく、あくまで「誤削除対策のセーフティネット」としての利用が推奨されます。
実際にやってみた
ここからは実際に新機能を試してみます。
検証シナリオ
- 1.EBSボリュームへタグ付け
- 2.「保持ルール」を作成
- 3.対象EBSボリュームがアタッチされたEC2を削除
- 4.対象EBSボリュームをごみ箱から復旧
1.EBSボリュームへタグ付け
ごみ箱へ退避させたい対象のボリュームにタグを付与します。今回は以下のタグを使用します。
| Key | Value |
| EBSVolume Recycle Bin | enabled |

2.保持ルール作成
マネジメントコンソールの [EBS] > [ごみ箱] より、保持ルールを新規作成します。
【保持の設定】
| リソースタイプ | EBSボリューム |
| 保持するリソースを選択 | 特定のタグが付いたリソースを保持 |
| 照合するリソースタグ | 「1.EBSボリュームへタグ付け」の項目で設定したタグを入力 |
| 保持期間 | 7日 |

3.対象EBSボリュームがアタッチされたEC2を削除
手順 1 でタグ付けしたボリュームを持つ EC2 インスタンスを終了(削除)します。

4.対象EBSボリュームをごみ箱から復旧
「ごみ箱」のリソース一覧を確認すると、削除したボリュームが保管されていることが分かります。

対象のボリュームを選択し、「復旧」ボタンをクリックして復元を実行します。

EBS ボリューム一覧を確認すると、ボリューム ID やタグが維持された状態で無事に復旧していました。

まとめ
「ごみ箱」機能を活用することで、万が一の誤操作によるボリューム削除時にも、迅速に元の状態で復旧させることが可能になりました。
一方で、コストや保持期間の面では引き続き「スナップショット」による定期的なバックアップが重要です。
削除事故への保険として、この新しいごみ箱機能の導入を検討してみてはいかがでしょうか。