はじめに

本記事は、Google Cloud Next ’26のセッション「Fast-track to Google Workspace: Smooth migration, adoption, and interoperability」ついての記事となります。

セッションで語られた「Google Workspace への移行戦略」についてレポートします。実質は対 Microsoft 365(旧 Office 365)戦略です。

結構すごい内容だったんですが、AIで云々といったタイトル、内容じゃないからか人は少なめでした。(もったいない)

移行を阻む「見えないコスト」の正体

多くの企業が Google Workspace への移行を検討しながらも足踏みする理由。それは単なるライセンス費用ではなく、「移行コスト」と「運用負荷」という大きな課題です。

これまで、大規模なデータ移行には以下の課題がつきまとっていました。

 

  • Expensive(高コスト): インフラ費用だけでも、プラットフォーム間のデータ移行には多額の費用がかかる。
  • Slow(遅い): 移行には数ヶ月を要する場合があり、ビジネスの運営を妨げる可能性がある。移行が長引けば、その分だけイノベーションが停滞する。
  • Gaps(ギャップ): 完璧な移行ツールは存在せず、データ損失(抜け漏れ)が発生するリスクがある。権限設定(ACL)やメタデータが引き継がれず、移行後に現場が混乱する。

特に、権限管理の再設計、適用はハードで。今回のアップデートは、まさにこうした課題に寄り添うものでした。

クラウドネイティブかつ「5倍速」新しい移行プラットフォーム

今回発表された新しいGoogle Workspace へのマイグレーション機能はクラウドネイティブな設計となっており、顧客側で追加のサーバーやインフラを構築する必要がないため、移行サーバの立ち上げからの作業、そこから発生する移行時間の長さという課題を解決するものでした。

新しい移行基盤の特徴

  • Zero cost(ゼロコスト): Google Cloud Platform の追加インフラ費用がかからないクラウドネイティブなツール。
  • A complete solution(完全なソリューション): MS Teams、暗号化コンテンツ、権限設定(ACL)、Outlookのルール、カレンダーとメタデータ、リーガルホールド(法的保存)データ、MIPラベルなど、幅広いソースをサポート。
  • Ease of use(使いやすさ): 管理コンソールに組み込まれた、ターンキー(即利用可能)でスケーラブルなソリューション。
  • Migration planning(移行プランニング): 契約締結後ではなく、検討段階でデータ移行の見積もりを提供できるスタンドアロンのユーティリティ。
  • Speed(スピード): 並列処理とアルゴリズムの改善により、より高速な移行が可能。書いてないけど、「最大 5倍の高速なデータインポート(従来比)」と言ってました。

※TeamsとかOutlookの単語出してるので、もう完全にOffice365対策用のツールですね。

マイグレーションプランニングツール

さらにマイグレーションに向けたプランニングツールも提供を開始しました。

※Githubにて公開中。

https://github.com/google/migration-planner

  • ソースデータの詳細 (Source data corpus details)
    • 移行元(ソース)となるデータの全体像を把握するレポート機能。
  • 移行時間の見積もり (Migration time estimate)
    • 分析されたデータ量に基づき、移行完了までにかかる予想時間を算出します。
  • 最適化されたバッチによる詳細な移行計画 (Detailed plan of migration with speed optimized batches of users)
    • ユーザーを効率的なグループ(バッチ)に分け、速度を最適化した「Wave(移行の波)」ごとの実行計画を提示します。
    • スライド下部のグラフでは、Wave 1からWave 20以上までのスケジュールが可視化されており、並列でどのように移行が進むかを確認できます。

インフラ構築の手間もコストも不要。「移行のための移行」にリソースを割かれない点と、それらを試算するプランニングツールの提供は、ROIの観点からも極めて合理的だと感じました。

Google Cloudの移行戦略

※TeamsもOneDriveもExchange Onlineも!

2026 年を「すべての組織が Gemini / Google Workspace を利用できるようになった年」にしたいと言っていたのが印象的で、明確にOffice365を意識した移行戦略、それに対応できるツールを提供してきたことに、Google Cloudが同じグループウェアという強みを持つMicrosoftに対して、Geminiを中心としたAIだけでなく移行のハードルを下げてきたことで、より競争力を上げてきたという印象を持ちました。

「双方向のシームレスなワークフローを実現する」というニュアンスのフォローするコメントもしてましたが、全部持ってくるぜ!という感じかなと(笑)

今回の発表で、技術的なハードルは大幅に下がっていくことが明確になり、Workspace導入後の未来の提案も重要になってきます。Workspaceから付属するAIサービス、Google Cloudの活用に向けた最適な提案ができるパートナーあり続けるために、日々勉強!